非情怪談の男 #毎週ショートショートnote
女子生徒が話しかけてきた。
「先生、うちのOBだよね。学生の頃『愛のカイダン』の話はあった」
「何だそれ」
「昔、西校舎の非常階段で、1年女子が先輩に告白して付き合った話。それを見ていた男子がショックで階段から落ちて死んじゃったの。何故か死体は消えて見つかってない。それからは非常階段で告白をすると、階段の下から血まみれの男の子が恨めしそうに見ているという『愛の怪談』」
「話が頓珍漢過ぎないか。階段から落ちて死んだけど死体が見つからないとか、おかしいだろ」
「だってそういう話なんだもの。私に言われてもわかんないよ。けど先生が知らないんなら、最近できた話なのかな」
「俺が学生の頃は聞いたことない。ただ、告白して付き合うようになったという2人の名前は『武志と絵里』か」
生徒は動揺した表情を浮かべた。
「先生、知っているの」
「真相は落ちたんじゃない、絵里を助けたのに非常にも突き落とされ、消えて怪談になった、非常怪談の男は
俺のことだーー!」
(おしまい)
#毎週ショートショートnote
たらはかにさんの企画に参加です。お題「非情怪談」でした。
今回は久しぶりということもあり、新作を創作する力がなく、過去作「学校のカイダン」シリーズ、第4話のリライトです。
こちらの第1話だけでも読んでいただけると嬉しいです。今回の話は、この後日談になります。
#何を書いても最後は宣伝
私の在庫に「非情怪談」にピッタリなお話があり助かりました。
なお、恋愛色が強い「学校のカイダン」ですが、創作大賞2024に応募した作品で比較的、恋愛色が強い作品がこちらです。
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