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一人暮らしクロニクル その5

 その4に引き続き、1988年、東京都新宿区市ヶ谷「税関研修所」の寮の頃です。ちなみに、市ヶ谷というのは、山手線が丸く走る線路の真ん中辺りに位置しています。漫画「はじめの一歩」ファンの方には、鴨川ジム一行が釣りをする「釣り堀」がある場所です。

 公務員試験に受かる程度の学力はあるのに、進学しないで高卒で仕事をする≒あまり裕福な家庭ではない。という感じでしたので、全員実家からの仕送り等は期待できず、自分の給料で生活しなければなりません。
 しかし「お金があれば楽しい街 東京」です。若者の心を刺激する楽しみがたくさんありますので、二種類の人間に分かれました。
1 自分で金銭的管理ができる者
2 自分の金銭的管理ができない者
 2の者は1の者に「借入を申し込む」ことが、寮内で蔓延しだしました。
常套句は
「給料日に返すから」
です。

 良く言われることですが、
『友人同士のお金の貸し借りは、ダメ 絶対』です。
 どうしてもというのであれば、1回限りとして、お金を貸すのではなく、差し上げ、友達を辞めるくらいの覚悟が必要ではないでしょうか。

 1の方々は「お金を使いすぎる生活」で「お金が足りない」のです。ということは「給料が出た」としても「返すお金が捻出できない」のです。そのため「借金を返すために、別な寮生からお金を借りる」という悪循環に入ります。また、借金を返せない後ろめたさから、部屋にいないようにして債権者から「避ける・隠れる」という行動をとる者も出始めました。
 そして、こういう情報は寮生間でも情報が共有され、皆の「心のブラックリスト」が整備されることになり、信頼感を落としていくことになります。
 大事なことなので、繰り返して書きますが
『友人同士のお金の貸し借りは、ダメ 絶対』です。
 どうしてもというのであれば、1回限りです。前の返済もしないのに追加融資の申込をしてくるような輩は、友達でもなんでもない、あなたのことを便利なATMと勘違いしている人物です。

 すいません、こんな重くて面倒な話ではなく、楽しい話をしようかと考えていたのですが、失敗しました。
 ちなみに、「借金が返せない者」は借金のカタとして、自分の持ち物を提供することもありました。いつの時代だよって感じです。
 なお、私は「貧乏」でしたので貸す側にはならず、遊びに行かない「引きこもり」生活をすることで、借りる側にも入らず、慎ましい生活をしていました。

 他の寮生が遊んできた話を聞き、「格安で遊べる」という場合、お付き合いすることもある程度の東京生活でした。今にして思えば、歩ける範囲に、様々な旧跡名所がありましたし、数百円で美術館なども堪能できたと思うのですが、お金だけではなく、思考の余裕も無かったのです。
 なお、友人たちの嗜好では「ギャンブルと風俗」に嵌るタイプが、「自分の金銭的管理ができない者」になることが多いように見えました。

 ということで、若くして一人暮らしを始めた場合、お金が無い状況も多くあると思いますが
・歩ける範囲での様々な旧跡名所を楽しむのはいかがでしょう。
・数百円で美術館などを堪能するのはいかがでしょう。

という、ちょっと前向きなお話もしておきます。学生時代を過ごした場所は「第二の故郷」なんて表現することも多いですが、就職した後は、第二の故郷を訪問する機会がなかなか得られないことも考えられますので、一人暮らしをしている間に、十分楽しんでおきましょう。

 もっとも、1988年4月~12月8日までの税関研修所時代に抱いた
「もっと東京生活を満喫すべきだった」
という後悔の気持ちが、2010年4月からの東京生活での反動となり、「その1」での「ホームスティ、引き受けますよ」に繋がるのですから、人生ってちょっと不思議です。

 この「一人暮らしクロニクル」シリーズは、メディアパルさんの企画に参加しています。

 いや、シリーズっていうほど続くのか、オッサンの昔話に需要があるのか疑問ですが、自分のことを振り返る機会をいただきましたこと、メディアパルさんに感謝です。
 需要があろうがなかろうが「好きなことを 好きなときに 好きなように書く」、それが福島太郎の生きる道でもあります。
#何を書いても最後は宣伝
 まぁ、結果として「売れない・読まれないkindle本」の売上グラフを見ながらため息をつくのですが。kindle unlimitedで、今年まだ1ページも読まれていない本がこちらです。

 読んでいただいた方からの☆評価は高いんですけど。
 最後までお読みいただきありがとうございました。今日もまんまる笑顔で善い一日を(*´▽`*) 

#ひとり暮らしのエピソード

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