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【駄文】荒野のペンギン

 くだん書房さんの記事から、漫画「荒野のペンギン」の紹介文を引用させていただきます。

今では「少年アシベ(ゴマちゃん)」や「気になる二人」などで4コマ漫画作家として定評があるが、もともと森下裕美はガロ系の漫画家だった。この作品は商業誌デビュー間も無い頃に週刊ヤングジャンプに連載された作品をまとめたものです。
 全24話で1話ずつ読みきりの形式になっています。主人公は小林薫というさえない中年のおじさん。このおじさんを軸に毎回違うシチュエーションでお話が構成されています。

 時々、「自分は何者なのか」・「何を目指すのか」と自問する時に浮かぶ言葉が、「荒野のペンギン」ということになります。森下裕実さんの漫画のタイトルで、連載期間が1984年 - 1986年ということでしたので、私が「中二病」を罹患していた頃にジャストミートしています。

 中二の私に「ガロ系」の漫画が刺さり、未だに刺さったままなのかもしれません。私の住む地域では「開拓者精神」という言葉が、まちのアイデンテティのように語られることもあるので、そこもマッチしたのかもしれません。

 私の勝手な解釈になりますが「荒野のペンギン」という言葉からは「孤独」を感じます。本来は群れながら、氷の世界に暮らすはずなのに、群れからはぐれている。そして、歌も歌えず、空も飛べない。走ることもできない。獲物を捕らえることができるのか、水場を確保できるのか、それさえもわからない、絶望的な光景の中で、ポツンと立ちすくむ姿。
 このような光景に、自分の姿を重ねてしまいます。さえない中年になる前にも、何度もこのような情景に出くわし、今も途方に暮れている。

 それでも、生きることを諦めない。

 群れから離れることで、新しい景色を見ることができるかも、新しい道を切り開く可能性があるかもしれない。
 皆が教えてくれたように、今回も「荒野」だったけれど、今回も失敗だけれど、もしかしたら、皆が暮らしやすくなる大地を見つけることができるのかもしれない。

 可能性を恐れることなく、楽しみたい。自分が道の半ばで倒れたり、手ぶらで引き返したりしたら、笑い話としてネタにしてくれたら良い。ボヤンと、そんなことを考えながら、生きてきたのかも知れません。
 漫画「映画大好きポンポさん3」から台詞をお借りします。

『バカな人間は バカな人間だけが到達できる頂に立てる』

 残念ながら、私の場合は「頂き」に立つようなこともないですし、他の方にはおススメできませんが、群れから離れる馬鹿なペンギンが1匹くらいは居ても良いと思いたいのです。そして、馬鹿なままで生きてこれた、この国は良い国だと思ったりします。

 連続投稿には拘りが無いのですが、700本目の投稿という節目になりますので、ちょっと自分の立ち位置を確認してみました。もともとが「公タマ伝」発刊のための文章修行として始めたnoteでしたので、ミッションを終えて1年を経過し、「これからどうしよう」という戸惑う中で、自分の心の原風景とも言える「荒野のペンギン」を考えたことになります。

 今も、荒野に立ったままです。
 何も得ることなく、華々しい頂に立つこともなく、土にまみれて、独りで生涯を終えるとしても、最後にこう思いたいものです。

これでいいのだ

 そういう意味では、2019年11月17日に不整脈の発作で救急搬送され「このまま死ぬかも」と、思いつつ「自分は何ができるのか、何をしなければならないのか」と考えた末の、一つの解が「公タマ伝」です。

 という部分については、発刊1年で一定の成果もありましたし、当時は考えもしていなかった、「黎明奇譚」「恋する旅人」「黒田製作所物語」という書籍の発刊まで進んでしまいましたので、群れから離れたことが、無駄では無かったと思いたいところです。

 自分語りにお付き合いいただきありがとうございました。荒野から戻った「変わったペンギン」が掴んできたものが、次のリンクで紹介する書籍になります。楽しんでいただけたら嬉しいです。今月は「恋する旅人」をお勧めしていますがkindle unlimitedでは1ページも読まれていません。
 note街には優しい人が多いのですが、ちょっと不思議です。


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