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【創作SS】希望のワイン #毎週ショートショートnote

 カウンターの一番奥に座った。他に客の姿は無い。
薄暗い店内にはジャズが流れている。
「珍しいワインが入りました。アルジェリア産です」
常夏のアフリカとはかけ離れた、冷えたおしぼりが目の前に置かれる。
「お願いします」
マスターのお勧めなら安心できる。

グラスに深紅の液体が注がれ、華やかな香りが広がる。
ワインを回すようにグラスを動かしてから口に寄せる。
しっかりしたボディ、野趣を感じる強い酸味が口中に広がり喉を滑り落ちる。
「良かったらマスターも」
「ありがとうございます」
マスターの目じりが少し下がる。
「かつて戦争で廃墟にされた街がワインの集散地として復興しました。が、日本への輸出は少なく、今年はこれが最後のようです」

 ボトルを回すと原産地らしい地名が読みとれた。
「最後のマスカラ産ですか」
「今年は、ですね。来年も未来への希望を仕入れますので、是非また」
 頷きながら考えた。
(明日は元宮ワイナリーに行こう、未来への希望)

(本文ここまで)
たらはかにさんの
#毎週ショートショートnote

 お題「最後のマスカラ」に参加です。お読みいただきありがとうございます。が、申し訳ありません。「最後のマスカラ」と言いたいだけの作品で、ストーリーとかコクとか深みがなくてすいません。
『アルジェリアに「マスカラ」という都市があり、ワインの集産地なんだ』
というウィキペディア情報をネタにしただけでした。けど
#何を書いても最後は宣伝
は貫きました。無理やり「元宮ワイナリー」に繋げました。こちらです。

    そして、考えてみますと「日本ワイン」というものには、視点によっては「戊辰戦争」を経て「産業振興」という面があるのかもしれないとも感じています。戦争は否定しますが、戦争や災害が起きたとしても、大切なことはそこから何をしていくか、かもしれません。
立ち上がろうとする人間の強さを信じて生きたいと思います。そして
#何を書いても最後は宣伝
 「戊辰戦争とワイン」の影響も受けている作品が、こちらの「会津ワイン黎明綺譚」です。


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