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【再々投稿】公務員のタマゴに伝えたい話 #26出した答えが正しい

 最近、フォローをさせていただいた「ぽこまるさん」。いくつもの興味深い記事を投稿されています。
 特に昨日の記事は、私の心に響きまして、コメントを入れさせていただきました。なお、コメントで表現しきれなかった気持ちを「かこ記事」でお伝えしたく投稿します。私を刺激した記事はこちらです。

ーーー以下、過去記事の本文です、固い文章なのはお赦しくださいーーー

 筆者が、研修等での講師を務める際の例題として、次のような話をすることがあります。
「学校と社会の大きな違いは、こういうこともあると思います。
 学校教育は 2+3=□、社会の実務では○+□=5」
 このような感じで、「明確な正解」があるのが学校教育、「正解が複数」又は「正解がないのが正解」という曖昧さが、社会での実務にあるのではないかと考えています。」
というものがありました。

 また、正解を絞り込むための条件付けがされることがあります。
例えば、「整数に限る」「小数点以下は使用しない」「先に出る数字は次の数字より大きくする」というような感じです。
 実務においては、この条件付けについて、職制が上の方に確認しながら事務を進めないと「後だし」をされて、試算が一からやり直しになることもあります。
 また、一般的な話になりますが、職制が上になるほど、視野が広く、深い考えの条件を多く設定する傾向にあると感じています。

 本来、行政において最も重要視される「条件」は「費用対効果」ということになるはずなのですが、少し生々しい話、時として「費用度外視」「迅速優先」「選挙対策」のようなことが条件に含まれることもあるわけです。

 さて、公務員を志望される方は、学校教育が得意なこともあってか、「正解が複数」とか「正解がない」という状況に直面すると混乱することがあるようです。

 また、担当職員として何らかの「正解」を導きだしたにも関らず、他の方から「正解は異なるのではないか」という指摘を受けた場合は、いかに、自分の出した正解が「もっともな正解」であるかについて、説明をする必要が生じます。
 解を出した以上は「出した答えが正しい」ことを主張しなくてはならないのです。そこで悩んだり、迷ったりしてはいけないのです。
「私がSという回答をしたところ、正解はMではないかとの御意見をいただいたところです。私としてもMが正解ではないかということについて、十分検討を重ねたわけですが、Mとした場合には、こんな難点があることから、Sという答えを選択したのです」
 このようなことを、(Mについては検討していなくても)その場で説明することになるのです。

 仮に「Mが正解かも」と感じたとしても、そこで「そうですね。Mが正解かも」と認めてしまうと「あいつはちゃんと解が出せない、いい加減な職員だ」と認識されてしまうのです。

 例えば、未来の予測なんていうのは、本来誰もわからないです。しかし、「来年の税収」、「事業の参加者」などの見込みを求められることがあります。
 このような場合、過去の実績や現在の環境などの材料を集め、それらしい数字を作ったら、内部でも何度か修正したとしても、一度外部に出たら「公式な数字」として、正しい数字として取り扱うことになります。

 「出した答えが正しい」のです。

 そして、結果として「答え」が正解とは言えない状況になってしまった場合は、「答え」が外れた「もっともらしい理由」について、説明する必要が生じてくるわけです。
 「もっともらしい答え」を出すこと、そして、外れたときに「もっともらしい説明」をすることは、公務員に求められる技術の一つです。

ーーーーー過去記事、本文ここまでーーーーー
 少し補足します。学校教育というものが、まさに「原点方式のプロパガンダ」を生じさせているように感じます。その方が「評価・管理しやすい」面があると考えています。何かモデルがあり「キャッチアップ」を是とする状況、いわゆる「発展途上国」の段階であれば、それが効果的なのではないでしょうか。しかし「成熟社会」においては、「モデルを創る力」が求められると考えています。「ぽこまるさん」の仰るところの「0から1」です。
 しかし、学校教育で優秀だった方、減点方式、教えられたことを守るに慣れた方々は、そのような領域を苦手としている印象です。「満点の答えはある筈」という呪縛で、「何もできなくなる」「頓珍漢なことをする」ということがあるようです。
 この話を深堀りすると、批判的な言動になるので、ここで止めておきます。

 ということで、 #何を書いても最後は宣伝
 このようなお話が、いくつか掲載されてる著作が、こちら「公務員のタマゴに伝えたい話」になります。私の著作の中では、断トツのベストセラーです。公務員以外の方が読んでも役立つこともあると考えております。
 次のリンクから、レビューだけでも読んでいただけたら嬉しいです。
 ある意味では「減点方式」「前例踏襲」を是とする「公務員体質」に、「余計なことをする」反逆的な姿勢で取り組んでいる証明とも言える作品と考えております。



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