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【創作SS】ほんの一部スイカ

 コンコンとノックの音がして、研究室の扉が開いた。
「スイカバーを買ってきました」
武田は戦利品のようにアイスが入った袋を掲げ、にっこり微笑んだ。
顰めっ面をしていた教授も釣られるようにして笑顔になる。
「じゃぁ休憩、皆で食べよう」
教授から順にアイスが配られ、皆も笑顔でアイスを口にする。
「夏と言えばアイス、夏と言えばスイカ。そういう意味でスイカバーは夏に相応しい食べ物ですね」
ゼミ長が教授を持ち上げるように話した。
「本物のスイカ果汁が使われてるんですよね」
合いの手のように武田が続け、教授がシャクっアイスを齧りながら応える。
「ほんの一部スイカ、ですがね」

 外ではセミの鳴き声がけたたましいが、研究室ではシャクシャクという音だけが続く。
 キャンパスには穏やかな時が流れていた。
「平和ですねぇ」
僕は窓の外を眺めながら呟いた。
「ほんの一部平和、ですがね。アイスはこのままとして、世界は我々の愛とAI研究で変えましょう。さぁ、研究を再開しますか」
(本文ここまで)

 たらはかにさんの【毎週ショートショートnote お題 ほんの一部スイカ】に参加です。
#毎週ショートショートnote

https://note.com/tarahakani/n/n6d31fc97206f

 捻りも少なくオチも弱いですが、取り急ぎ参加です。苦しい時の「教立大学」メンバーに登場していただきました。
#地には平和を人には愛を

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