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【創作SS】月命日 #毎週ショートショートnote

 母が逝き3度目となる月命日、姉家族(姉、夫、娘)とささやかな会食を設宴した。

 通夜告別式49日法要新盆と慌ただしく時が流れ、保険金融年金諸契約など事務的な負担、そして家事と父の介護などにてんてこ舞いした三ケ月、生活のリズムが崩れ、体調も姉との関係もおかしくなったりしたが、ようやく一息つくことができたタイミングだった。

 僕は冷たい人間だ。母が死んでも悲しみを強く感じることはなかった。少し寂しさを感じる時はあったが、落ち込むことはなかった。
 53年、これまでの人生をかけて母の想いに応えてきたという自負がある。
 自分の人生を犠牲にしてきた訳ではないけれど、様々な人生の岐路に立ったとき母が喜びそうな選択をしてきた。

 この先も同じ価値観を抱き僕は生きていく。
そういう意味で
「姉や家族と仲良く暮らしていく」
何があっても優先すべきことなんだろう。
 母は居ないが今夜の会食は母が願うあるべき成仏宴だろう。

 下弦の月が美しい夜だった。

(本文ここまで)
 たらはかにさんの
#毎週ショートショートnote
 裏お題【あるべき成仏宴】に参加です。

https://note.com/tarahakani/n/n19273545789e

 すいませんオチはありません。ちょっと忘備録的な投稿です。
#何を書いても最後は宣伝
「夢見る木幡山」に登場する「小介」は幼い時に両親を亡くしています。心に大きな影を落としたと思われますが、そこから「あるべき姿」を見つけ出したように、私も強い意志を持ちたいと思います。

 
 

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