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格ゲーのプレイに「物語」を見出して笑いに変える「修行僧」という配信者の魅力

スト6やり始めてよかったことのひとつに、「面白い配信者をたくさん知れた」ということがあります。

格ゲー界というのも歴史の長いコミュニティです。不良がたむろするゲーセンの中で産声をあげ、独自のスラングなどとともに「格ゲー村」の文化をじっくりコトコト醸成してきたことによる深いコクがある。

傍から見るとちょっと怖そうだけどユニークな共通言語とユーモアを持った一族。それが格ゲー界隈の配信文化でした。私が古来より慣れ親しんだニコニコ動画や匿名掲示板などの古き悪しきインターネットの匂いを感じて、なんだか居心地のよさを感じます。

僕はハイタニさん、どぐらさん、なるおさん、ストーム久保さんなどを中心に見てますが、なんというか「人のクセ」みたいな部分にやっぱり惹かれているなあと思います。このへんは言語化すると長くなりそうなのでまた別の機会にしますが、ただゲームが上手いだけではない何か(あるいは「ゲームがめちゃ上手いのに」というギャップ)が面白さを生んでおり、その正体が何かを突き止めるために私は今日もハイタニが芋を掘るだけの動画を見ています。

格ゲーマーを知らない人に面白さを1ミリも説明できない動画

修行僧という格ゲー配信界の昇り龍

で、上記の人たちはみんなプロゲーマーとかそれに準ずるゲームめちゃうまおじさんたちなのですが、それとはまた違うタイプの格ゲー配信者に「修行僧」さんという方がいます。

「マスター帯最下層」という上手いのか下手なのかわからん絶妙な立ち位置であらゆるスト6プレイヤーに笑いと希望をお届けしている40過ぎのおじさん(既婚・現無職)。次々と生み出される珍プレー・珍試合の数々がショート動画でウケて人気に火がついたみたいです。

格ゲーって基本はキャラとキャラが殴り合ってるだけで、知らん人から見たら何が上手いとかすごいとかってあんまわかんないと思う(僕もそうだった)。修行僧さんはその格ゲーの中でも比較的わかりやすい「ミス」にフォーカスし、そのへっぽこプレイの中に感情や背景といった「物語」を見出すことで、誰もいない虚空に向かって昇竜拳でぶっ飛んでいくリュウを爆笑に変えるという新たな地平のお笑いをやっています。ほんまおもろいやつやで。

年齢やトーク力、持ちキャラがリュウという点などで往年のカリスマ配信者・永井先生を思い出す人も多いようです。2人とも台パンを一生擦っており、ランク帯も同じくらいで配信中のランクマで当たったこともある。(1月11日永井配信の2時間30分くらいから

このインタビュー記事書いたの俺なんすよアピール(当時まさかストリートファイター配信者になると思わなかった)

ただ、どっちかというとこの「ゲームに自分の視点を加えて面白さを見出す」というスキルは、ニコニコゲーム実況5神の1人である我らが永久師範代しんすけが最も得意とした手法です。2人ともお笑いを志した経験があると聞いたので、そういうのも関係あるかもしれない。

プロゲーマーたちの試合を見る楽しみは、同じキャラクターを使っているのにプレイヤーによって個性が全然違うところにあったりします。あの人はコンボが上手い、ガンガン攻める、プロなのに全然対空が出ない(?)…など。

だけどめっちゃ上手いわけではないそこらへんのプレイヤーにも「個性」はちゃんとある。修行僧さんの配信はそういう人間味を敏感に見つけて浮き彫りにする、ヒューマンドキュメンタリー的な魅力があると思います。

「修行僧と対戦したい」というプレイヤーが多いのも、もしかしたら修行僧さんによって「自分のプレイヤーとしての個性を見出してもらいたい」という思いが含まれているのかもしれません。

以下、余談というかインターネット老人のぼやきみたいなもんなのでメンバーシップ向け。格ゲー界隈は「視聴者のコメントが面白い」ということについて。

格ゲー界隈のコメントに残るインターネットスラム街の匂い

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