見出し画像

善と悪

本日のたろちゃん組少年漫画コラムのお時間は
〝勧善懲悪〟つまりは善と悪について。

昨今のバトルものを観ると
随分と悪役側にもフューチャーされ
悪には悪なりのドラマを見せてくれる。
なぜ非道なことをするのか
なぜ悪に落ちたのかの背景を
しっかり筋立てることで悪事に
説得性を増す。
そうなってしまうのも仕方ないよね
と思わせるバックボーンを描くことで
悪役側にも感情移入の余地を生んでいる。
そんな複雑な背景の悪をそれでも
真っ向から打破する(ある種説得する)
主人公たちに感動を覚えたりする。
そんな作品が多い。

だが一昔前のジャンプ作品は
純粋な正義と悪の二項対立が
多かった。複雑な悪の背景はなく
単純に悪の組織として主人公たちの
行手を遮り、極悪非道の
限りを尽くす敵役を
正義の主人公側が懲らしめることで
痛快爽快一件落着!な物語をよく見た。

勧善懲悪=悪を懲らしめ善を勧める
概念は古来人間に親しまれて来た。
最も大衆の人気を博したのは
江戸時代。歌舞伎などのテーマに
多く用いれられていたようで。
非道な悪を成敗する
スカッとしたカタルシス体験は
長く人々に親しまれてきた命題です。

勧善懲悪をするには
観ている人たちを敵側へ同情させてはいけない
何故なら敵に同情してしまえば
主人公たちの行いも見方によっては
ある意味で悪になってしまうから。
それでは善を勧められない。
なので悪は悪のみ!と描く。
ドラゴンボールを読んでいると
フリーザもセルも惑星規模でいろいろ
めちゃくちゃにしてくるが
そんなやつらを悟空や悟飯が純粋に
ぶっ倒してくれるから気持ちが良い。
フリーザやセルに悲しい過去や
生い立ちは必要ない笑
だからスラスラッと読めてスッキリするし
ムカつくやつらをぶっ飛ばしてくれる
主人公たちに気持ちよくなる。

だが鬼滅の刃はそうもいかない。
鬼の背景が明確に刻まれ
時には鬼殺隊以上に
鬼側に感情移入してしまうからだ。
悲惨な過去を持つ敵はそれだけで
あぁ自分もこうなってしまうかも、、、
と思ってしまい読者は
悪役なのにこいつの気持ちもわかる、
と感情をグチャグチャにされがち笑
こういった敵は倒して
はい!スッキリとはいかない
お互い引けに引けぬ事情が
悪にも正義にもあって
深く考えさせられるのがこのタイプ。

両者どちらも勝つのは主人公側だけど
前者は勧善懲悪的にスッキリするもので
後者は
悪を懲らしめるというより
悪を理解してあげるに近い
その上で善を生きる主人公たちへの
善の賛美に近いのかもしれない
勧善解悪って感じです笑

どちらのタイプも好きだし面白い。
漫画を通して深いテーマを考えるときは
後者でいいしシンプルに娯楽を楽しみたいんだ
というときは前者を読んだりする。
そのどちらもが漫画の魅力だなと思う。

ただまあドラゴンボールも超になってくると
ジレンにもそこそこ考えさせられる
過去があったりしてそういうヴィラン像は
現代の作風の主流なのかもしれないw

善と悪は作品における
永久のテーマでありテーゼですね
今回はそんな話!

ちゃお👋
たろちゃん組

この記事が参加している募集

#アニメ感想文

12,441件

#今こそ読みたい神マンガ

2,570件

頂きましたサポートは、YouTube上の制作活動費用に還元させていただきます。よろしければサポートいただけると嬉しいです!☺️