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今日も歩くよ青梅街道


家の近くに、青梅街道が走っている。道路名を記した標識に、こうあった。

Ome-kaido Ave.

Ave. つまりAvenueは、「大通り」だ。

A broad road in a town or city, typically having trees at regular intervals along its sides.
市街にある、幅の広い道。街路樹が植えてあることが多い。(著者訳)

Ome-kaido Avenueとは「頭痛が痛い」みたいなやつか? と思ったが、そうでもなさそうだ。

僕たちは青梅街道を「青梅+街道(青梅と名のついた街道)」<「青梅街道(青梅街道という名の通り)」として捉えているのだ、たぶん。どういうことかというと、「青梅」と「街道」が分かれてしまうと、もうそれは青梅街道ではない。この新宿から青梅を抜け、そして甲府まで続く道は、青梅通りではなく、青梅道路でもなく、青梅街道なのだ。

同じように、永代通りは永代道ではないし、環八は環状八号線であって環状八番街道ではない。Route 66だって、66号線と訳した途端にストーリー性が失われる。

だから、青梅街道はOme Avenueではなく、Ome-kaido Avenueである必要があった。「青梅街道」に慣れ親しんだ人々の認知に寄り添った表現なのだろう。言語学を学んだ人間の面白いあるあるの一例でした。

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