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次代を創る「スマートビル・スマートシティ」

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スマートビルの概念は、さらにあらゆる信号がネットワークで結ばれ、個々人の端末ともつながり、ワーカーにとっては、スマートフォンや顔認証の生態認証により、個々人にとって働きやすい物理…
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2024年1月の記事一覧

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その2

1.1. 海外における不動産デジタル化の急激な進展 不動産テック(Prop tech)  金融におけるフィンテック(Fin tech)により、金融業界のありようが大きく変わる今日、ITやAIを活用した大きな波が不動産業界へも押し寄せている。  欧米を中心に不動産テック(Prop tech)と呼ばれる「不動産デジタル技術」が急速に発達しつつある。特に、不動産取引分野でその発展が目覚ましく、人が中心の取引から、AI、ITを活用した取引へ、まさにアナログからデジタルへ大きなシフト

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その3

② IT、AI導入による不動産利用におけるCX(カスタマー・エクスペリエンス)の改善  CX(カスタマー・エクスペリエンス)とは、オフィスワーカーであり、商業施設利用者であり、テナントであり、多くのビルユーザーの満足度を向上させるために、不動産テックを活用した事例である。  たとえば、米HqOでは、携帯電話端末で、空調制御、会議室予約、鍵の開閉等のセキュリティ、サークル活動、周辺レストラン予約、フードデリバー予約など、ワンクリックでできるシステムを開発し、米不動産会社が

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その4

④ ビッグデータ、ブロックチェーンを活用した不動産取引の迅速化  米大手不動産テック企業であるZillow、Trulia、Redfinでは、米国の不動産情報ビッグデータがそろうMLS(Multi Listing Service)等を利用して、不動産周辺の犯罪歴、学校、病院などのデータ分析を加えて、独自の不動産価格推定データを提供している。すでにZillowの不動産価格データは全米規模で展開され、ある意味米国における住宅取引価格のスタンダードな価格として広く認識されている。

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その5

1.2. ソサエティ5.0時代の建築デジタルデータ 現代は、「ソサエティ5.0」の社会へ突入していると言われる。最初の「ソサエティ1.0」が狩猟社会、次の「2.0」が農耕社会、「3.0」は工業社会、「4.0」の情報社会である。これらをかかった時間でみると、狩猟社会は人類の歴史とともに数百万年、農耕社会は縄文時代以降で数万年、工業社会は数百年、情報社会は数十年。この勢いでいけば、次の「5.0」はわずか数年。現代社会は、ものすごいスピードで成長していることがわかる。 現在のコン

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その6「スマートビルとは?」

3. スマートビルとは?何が「スマート」なの? 3.1. スマートビルの定義「スマートビル」とは、IT、AIを用いたビル管理により、施設の運用効率を高め、ワーカーの生産性を向上させ、環境にやさしいスマートな(賢い)ビルを言う。 一般的にはIoTの活用により、建物中に張り巡らされたセンサー等が、従業員一人一人の場所、室内の温度や湿度、照度等を計測し、そのデータをもとにオフィスの環境を自動制御することにより、実現されている。 (参考) ビル管理システムにおいて、いくつか重

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その7「4. SDGs・エネルギー削減・働き方改革につながるスマートビル」

4.1. アメリカで進むビルのエネルギー削減に活用されるデジタル技術 アメリカの不動産業の最大の注目は、エネルギーコストの削減だ。エネルギー価格は原油価格の上昇と共に、大きなコスト増要因となっている。 ハワイ州の電気料金が全米1位。2位がアラスカ。カリフォルニア、ニューヨークもトップ10州に数えられる。それゆえ、いかにエネルギーコストを削減するかが、不動産経営上重要となっている。 また、米エネルギー省(Department of Energy)は「Better Buil

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その8「5. ロボット活用が進むスマートビル」

5. ロボット活用が進むスマートビル ロボット活用は、もともと産業用ロボットとして多く導入されてきたが、スマートビルなどで活用されるサービスロボットも多様化しており、さまざまな用途に活用されつつある。ロボットがコミュニケーション能力を持ち、人の活動をサポートするような動きもみられる。 特に清掃や警備などにおいて、ロボットを活用することが普通に実施されるようになった。来訪者受付などでも、リモート機能やAIなどを活用して、自動で受け付けるような仕組みも導

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その9「5.2 物流ロボット」

 新型コロナウイルスの影響により世界各地で外出が規制される中、無人配送ロボットは人々に生活物資を届け活躍している。そのリーディング企業となるのが、米スタートアップ企業のStarship Technologies社だ。電動無人配送ロボットは2020年6月現在までに10万回以上の配送をおこなっており、欧米の各都市で既に「普通のサービス」として認識され始めている。  スターシップロボットのサービスは2018年ミルトンケインズで始まって以来、着実にサービスを拡大させてきた。米国では

次代を創る「スマートビル・スマートシティ」:その1

海外で進む不動産のデジタル化「スマートビル」:ミレニアル世代  ミレニアル世代と呼ばれる80年代以降に生まれた10代、20代の若者たち。生まれた時からインターネットに接し、デジタルネイティブとも言われる。  そのミレニアル世代、黒電話を知らないらしい。黒電話を見せたら、電話であることは認識したものの、使い方を聞くと、ダイヤル番号が書かれた数字を押して使う、と回答したそうだ。  携帯電話に慣れたミレニアル世代にとって、電話をかけるとは、プッシュボタンを押すことを意味するから