処女なんてどうでもいいすぎる。

「初めて」
あなたの初めての相手はどんな人でしたか?

わたしの初めては、顔も名前も知らない人でした。

「初めて」は、
大好きな人としたほうが絶対に良いし、
大好きな人とできるならばそうしたい。
だけど、絶対に大好きな人でなければいけないわけじゃない。

そう思ったので、
どうでもいい処女だった話をしたいと思います。

同じように悩んでいた方、
現在進行形で悩んでいる方は
わかっていただけると思いますが、
処女はとても悩む。本当に悩むんです。

「男は相手が処女だったら嬉しいものだよ」
何てこという人も居ますよね。
言いたいことはわかりますが、
そんなこと抜かす人には
童貞の時そんな余裕あったか?悩まなかったか?
と言ってやればいいです。
きっと黙ってくれます。

ところで、わたしは学生の頃から、
好きな人も居たし、
好きになってくれる人も何人かは居ました。
超が付くほど普通の人間だった。

だけど一度も「付き合う」なんてことはなく、
もちろんそれに値する行為も何一つ経験することなく、
そのまま成人して社会人になりました。

そうなった理由は大きく3つあって、
1つ目は自分が好きな人と、
自分を好きになってくれる人が違っていたから。
2つ目は自分のことを好きだと言われても何故なのか理解出来ずにピンとこなかったから。
3つ目は友達だと思っていた人が急に男になるのが怖かったから。

こんな理由だったから、
付き合いたくないとか興味がないとかではなかった。
むしろ好きな人と付き合いたかったし、
大人になるにつれてそういった興味も出ていた。

そんなこんなで年を重ねるにつれ、
自分に恋愛経験がないことがおかしいことなのかもと
次第に危機感を持つようになります。

焦るのは何故かというと
友人に次々と彼氏が出来るから。

彼女たちはウキウキして
目をキラキラさせて
でも恥ずかしそうに報告してくれる。

そんな彼女たちが自信に満ち溢れて見えて、
美しく見えて、
自分には知りようがないものを知っていて、
掴みようがないものを得ている、
とてもすごい人のように見えたのです。

持っている側の人々は、
持っている人にしかわからない気持ちを共有し、
わたしには解決できない悩みを抱え、
持っている人々だけの世界ができる。
それによる疎外感もありました。

わたしはめちゃめちゃ焦りました。

焦るけれども残念なことに、
自力ではどうにもならない。

そんなこんなで焦って拗らせて捻くれて、
でも絶対に好きな人と付き合って
好きな人と初めてを経験したいと
あほみたいにこだわっていたら、
いつのまにか二十代後半に突入していました。

さすがにやばいと思ったわたしは、
誰でもいいから一旦捨てよう!
と思ったわけです。
だったらもっと早くやれよって話ですが、
悩んだなりに色々あるわけです。
わたしにとってはこの時がベストタイミングでした。

というのも、
恋愛に奥手なのも、
男性に理想を抱きすぎているのも、
怖くなっているのも、
何もかもぐちゃぐちゃになっている原因は
男の人が「わからない」恐怖からきているのだと思ったからでした。

そこでとんでもなく便利な出会い系アプリで
探し始めるのでした。

日々やっていても、
やっぱり誰でもいいわけではなく、
話が噛み合うとか生理的に無理じゃないとか、
何されるの?ぐらいにがっついていて怖い人じゃないとか年齢が近いとか、、、
その条件を満たしてくれた人がたまたま見つかり、
マッチして1時間くらいで会うことになりました。
人生で1番大胆な行動だったと思います。

会ったらとても愉快な人で、
彼女は作らないけどいちゃいちゃしたいんだよね!
と満面の笑みで話す人でした。

なんだかとても大丈夫な気がして、
事を済ませたのでした。

終わった後最初に思ったことは、
なんでもないじゃん。でした。

わたしは一体なにを守っていたの?
こんなことで悩んでいたの?
皆んながこれを知っていることに焦っていたのは何?

それだけでした。

相手がとても優しくて、
怖い思いもしなかったし不安になる場面もなかったので
本当に運が良くてたまたまだとは思います。

とはいえ、
本当になんてことなかった。

だけとその後に思ったのは、
2回目からは誰でもよくない。でした。

それは相手が眠った後、
その人は繋いだ手をすぐに離してしまったから。
背中を向けたから。
目が覚めてベッドを抜け出しても1ミリも起きなかったから。
できて嬉しいとは思わなかったから。

その時に、
初めてはべつに誰でも良かったけど、
これは好きな人とするものだなと分かったのでした。

大好きな人としか経験がない人には
理解されないかもしれませんが、
これはとても為になる経験だったのです。

だって長年悩んでいたことが解消して
不安に思っていたことがなくなったのだから。

とても大きな収穫でした。

そしてその2ヶ月後、
わたしは人生で初めて彼氏ができ、
人生で初めて大好きな人との夜を過ごし、
人生で1番幸せだと感じた、
というオチです。

一点だけ後悔があるとすれば、
初めての彼氏に、
あなたが初めてだと言えないことです。
彼氏は居たことないのに処女じゃないの?
そんなこと分かれば
イメージダウンでしかないわけです。
架空の元カレを作るしかありませんでした。

手を繋ぐのも、
眠る時に抱きしめ続けてくれるのも、
少しでも離れれば寝ぼけ眼で探し出して抱き寄せてくれることも、
目を見て好きだと言われるのも、
わがままを言うのも、
良いことも嫌なことも共有するのも、
あなたが初めてだと、
それを話せないのです。

処女なんてどうでもいいけれど、
何かを失えば何かを得られるけれど、
反対に
何かを得れば何かを失うのかもしれません。

初めてを捨てたからこそ、
怖いものがなくなって彼氏が出来たのですが、
この人が初めてだったらと
そんなことも考えてしまうのでした。



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