グローバル投資マネーが新興国にシフト中

グローバル投資マネーが、新興国の株式や債券に投資する上場投資信託(ETF)を買っています。
年初来の資金流入額は91億9000万ドルに達しました。好調な資金流入により、MSCIエマージング・マーケット・インデックスは2022年6月10日以来の高水準に達し、1年半続いた下降トレンドチャネルから脱却しました。
新興国市場は、ドル安、インフレのピーク、中国経済の再開により、投資家にとって魅力的になっています。
中国の0コロナ制作の転換は、金融引き締め政策でダウンサイドプレッシャーがかかっているフィリピンなどの新興国経済の成長を押し上げると見られています。
フィリピンでは、2023年の最初の16取引日のうち11取引日は外国人資金が純流入となり、日中の高値7,132.62を9カ月ぶりに更新し、PSE指数を強気相場圏に引き戻しました。
フィリピンペソも、ホットマネーの流入により恩恵を受け、対米ドルで2022年6月以来の高水準となりました。これに呼応して、フィリピンの10年物国債利回りは
6.032%と5カ月ぶりの低水準となりました。
フィリピン経済のファンダメンタルズ見通しが良好であることも、海外からの資金流入にプラスのファクターです。
一方で、インフレと金利のピークは近いものの、年内は高止まりする可能性が高いため、引き続き注意が必要です。
負債と商品のコスト上昇は、消費者の購買力を低下させ、企業の利益率を圧迫するからです。
2023年の企業収益と個人消費の状況をしっかりウォッチすることが大切です。


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