RSGT2022参加レポート

Regional Scrum Gathering Tokyo 2022にオンラインで初参加でしたが、非常に学びのある3日間でした!全然消化できた気はしませんが、感想を書き起こしておこうと思います。

1日目

Agile Program Management: Scaling Collaboration Across the Organization

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プログラムマネジメントという聞きなれない言葉をなかなか咀嚼できず今も理解したとは言えませんが、コラボレーションをスケールするという言葉で、どんな価値観の考えなのか少しわかった気がしました。また、情報がプログラムの中で流暢に流れる必要があるがどんなものが効果があるのか?という問いについて、噂話なのではないかという話は納得できる話でした。そこで出てきたSmall World Networksは、discordでも非常に盛り上がっていて、たばこ部屋やカンファレンスの廊下など心当たりのある話でした。この仕組みを設計するのは難しそうというイメージが参加者にもあり、意見を出し合いながらセッションを聞いている場が楽しかったです。Q&Aで印象にあったのは、日本ではマネジメントの人たちがITのことをよく分からないというのがよくあるがアメリカはどうなのか?という問いに対して、実はアメリカでも同じ状況というのに衝撃を覚えました。日本は欧米と比べ遅れているとよく言われているが、マネジメントの問題も大きいと思っていたので、何が違うのかと考えてしまいました。

「いい感じのチーム」になるためにやること

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いい感じのチームとは?と定義でわかる!と共感して一気に引き込まれ、変化を観察/発見/実験/のサイクルを回すのは重要だが、焦らず1歩ずつ丁寧にやりましょうという言葉が刺さりました。頭でわかっても焦るときがあるので反省しないとなと思いました。また、チームの中で感情を出しているか?という問いは、問題になる前のシグナルだったりして大切だと最近思っていたので共感を覚えつつ、「感情のつながり」の上に「論理のつながり」があるという話はたしかにと思いました。自分がまだ言語化できてなかったことを聞けた気がしてとても充実したセッションでした。

フリカエリ星人との邂逅 ~ふりかえりのお道具箱&お悩み相談~

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参加者からふりかえりについてのあるあるな悩みをサクッと答えるスタイルのセッションで、フーリーとカエリーの掛け合いがとてもよく楽しく聞いてました。特に印象に残ってたことは、ふりかえりのタイムマネジメントをどうするかという質問でした。私は、ふりかえりはチームを検査するためにしっかり観察する場だと思っていて、話すことがあるのに時間だから切り上げることに違和感を持っていました。なので、セッションで同じ考えの人がいるとわかり安心できました。同時に予定調和でふりかえるのは難しいのだから、最初に具体的なタイムボックスを決めすぎない方がいいという考え方に学びがありました。

プロダクトゴールとは?あるいはプロダクトのゴールを設定するには何が必要か?

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今のプロダクトチームのコミットメントって何だったかな?というのを終始考えながら聞いていたセッションでした。スクラムを知っていてもプロダクトゴールに向かってインクリメントできているかと考えた時、そもそものゴールが曖昧なまま進めているときがあるとか反省する点があることに気づきました。また、スライドで出てきたEBM(Evidence Based Management)を知らなかったので、紹介されていたEBMのガイドを読んでみようと思いました。

あなたのSprint Goalは、機能してますか?

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スプリントゴールが役に立ってますか?という導入の問いにグサッと刺されながら聞いていました。スプリントゴールの効果とは・なぜ大切なのかを整理していく中で、ステークホルダとのコミュニケーションが足りてなさそうという気づきがあったり、「選択したPBIをふんわりまとめただけ」という言葉でまたグサッと刺されたり終始考えさせられました。スプリントゴールについて自分の中でどうやればいいのか答えは出てないので、定期的に考えたいと思います。

その開発計画は最初から間違えている! - アジャイルにおける開発計画の考え方について

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マイルストーンの語源から危険な兆候の説明はとてもわかりやすく、「計画すべきは作るものや作り方」という言葉を見て、わかっているつもりでも実践できてないなと思いました。また、「価値提供が目的だから代替手段があるなら作らなくていいのでは?」というのに共感しつつもビジネスサイドに伝えるのは大変そうだなとか、「計画の時点から部品の再利用を考えて仕様作りしよう」は作業する人任せになっててチームとして検討できてないとか学びがありました。

2日目

Leading Skilled Agile Teams: Investing in Team Outcomes with the Agile Fluency® Model

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The Agile Fluency Modelとは何か?アジャイルなプラクティスをうまく活用するために流暢なモデルについて考察した話を聞いて、そもそもゾーンと呼ばれるフェーズの分類について考えたことがなかったので、様々な気づきがありました。一方で求められるリーダーシップについて、日本との文化の違いなど前提が結構違っていて、日本でこれをうまくやれるのだろうか?など引っかかりもありました。それでも、失敗も許容されるような投資をしてほしいという共感がdiscordでも溢れていたり現場レベルでは共感できることもありました。keynoteを聞き終わった後も、The Agile Fluency Modelについての理解が不足してる実感があったので、もう少し調べて言語化してみたいなと思いました。
発表の中で紹介された記事が翻訳されたもの

プロダクトバックログ Deep Dive

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プロダクトバックログとは?をスクラムガイドの内容を交え説明しつつ、よくある事例としてPBIの分割の仕方を良いパターンと悪いパターンの両方が紹介されていた。その話を聞きながら、今のチームはこういうことができてないと改めて認識したり、原則について守れてないだけではなく考えることを辞めてしまってるのではないかなど新たな問題の可能性にも気づくことができました。全体を通して勉強になっただけではなく、今のチームがどうなのかを改めて考えるきっかけになった印象深いセッションでした。

インプロヴィゼーション:ふりかえりの新世界

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発表前の雑談からすでに面白く、引き込まれた状態から発表を聞き始めました。インプロとは何かということで、語源の説明から始まり似たものとの対比から何を大切にしているのかがはっきりしていてとてもわかりやすかったです。そして、インプロの実演で場の変化の速さに驚きつつも、ここからどうふりかえりに繋がるのか疑問に思いながら聞いていました。そして、インプロ×ふりかえりでは、解析型・投影型に新たに関係性型があるのではないかという話を聞き、チームの関係性について考えたいタイミングはあるなーと納得感がありました。また、最後の方で出てきた「Yes, and」の考え方はとても素敵で今後使っていきたいと思ったフレーズでした。

どうしてアジャイル会社でデザイン部が重要なのか?

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「アジャイルとデザインは絶対うまくいかない。」という導入から少しずつ和解するまでの話の流れで、ところどころににじみ出る本音はやっぱりそうなんだと思いつつ楽しく聞いてました。また、短期的なデザインばかりだと「デザインの負債が溜まる」という話や、デザインは1人でやることも多く自分の仕事を自分で批評をするのが難しいからフィードバックが大事なんだというデザインの世界の話は興味深かったです。また、最後の方でデザインと開発はいつも仲良しである必要はなく、前に進むためのコンフリクトは悪くないという話もたしかにと思いながら聞いてました。

ブルシットプロダクトからチームを守れ! 「顧客が本当に必要だったもの」をいかに追求しつづけるか

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小さな組織からだんだんと大きく変化する中で分業化が進む流れはあるある話としてわかりやすく、その変化の中で太い経験と細い経験の偏りが後々問題になるという説明はなるほどーとなりました。局所的な情報だけだと手元の仕事で精いっぱいになってしまい、全体が見えていると考え方や動き方が変わる経験は自身にもあり腹落ち感がありました。他にも全体最適とゲーム理論の相性の悪さについては考えさせられましたし、相互理解のためのコミュニケーションパスは多くてもいいよねという話は1日目のkeynoteの話題に繋がる話だなと思いました。

3日目

OST(一部しか聞けませんでしたが...)

Tommyさん発案の「ネガティブワードを妥当な表現に変えたい!!」が面白かったです。
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最初は参加者が今まで経験したネガティブワードを出していく中で、自分も言ってしまってそうな言葉がないかびくびくしながら考えてました。ryuzeeさんがネガティブワードの悪魔合体をしたときは笑ってしまいましたが、うちの会社でもチームによっては言われてそうだなと唸ってました。そしてポジティブな表現に変換するパートでは、積極的に賛同の意を示すと空気が良くなるハックや一緒に考える姿勢を見せると良さそうという知見が出てきて学びがありました。ちなみに悪魔合体の最終系はこちらです。

アメリカの超巨大クラウドの中の人に転生したガチ三流プログラマが米国システム開発の現実をリークする話

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最初は日本とMicrosoftのマネージャーのふるまいの違いにカルチャーショックを受けただただ圧倒されてました。あまりにも違いが多すぎて、この話を聞いて実践しようと思う学びがあるのか不安になりながらも興味深く聞いていました。途中からは牛尾さんが自分がやりたいことに挑戦する話にシフトしてきて、その中でも他人と比較せず動いてみたらいいよという話がとても印象に残っていました。自分がする自分の評価と他人がする自分の評価は違うよなーと頭ではわかっていても気になってしまいますが、それでも1歩踏み出した人にしか見えない世界があるんだなと前に進む勇気をもらいました。また、最後の方で日本とアメリカのエンジニアの違いについて、アメリカはコンピュータサイエンスなど下地があるから、一定レベルのエンジニアが多いのではないかといった分析を聞いて、コンピュータサイエンスを勉強しようかなと考えさせられるシーンもありました。

https://simplearchitect.hatenablog.com/entry/2020/04/23/075627
https://simplearchitect.hatenablog.com/entry/2016/06/20/080807

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