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あなたを縛るもの

こんにちは!魔タリカ880歳、魂のR指定です。

私の脳みそが最近崩壊気味なのは、日照時間の少なさと雨量の多さのせいじゃないかと思うんです。体にもだいぶ冷えが浸み込んできています。天照様は岩戸にお隠れになったままなので、私たちは天宇受賣命になって踊り狂いたいところですが、自粛です....。

今回の自粛ワールドは、「自粛」という文字だけがこの水浸しの世界にプカプカと浮かんでいるようで、なんだか現実味が薄いのに数字だけはうなぎのぼりって感じがします。神楽坂はいつもより少し、人出が少ないようです。しかしこんなに新宿区が悪者にされると、新宿の夜の人間模様に、哀愁とともにより一層の愛おしさにひたひたと増水してくるようです。

いつだったか、SM嬢にお願いして、SMショーに連れて行ってもらったのが、私の直近のラスト二丁目です。あれからもうだいぶ時間が経っていますが、彼女たちは元気でいるのか気になります。

なんでSMショーかって?セクシャリティー系のワークショップにあちこちで出没していた頃の話なんですが、

「あ、日本から来たの?私、行ったことあるよ、TOKYO, OSAKA」

「へー!日本で何してたの?面白かった?」

「うん、また行きたい。私はSHIBARIを学びに行ったのよ!」

「????」

「え?知らないの?日本のソフトSHIBARIは芸術だよ、最高だ!」

あちこちでこのキーワードを耳にしましたが、私はSHIBARIを知りませんでした。そして内側に突如として喚起されたイメージや感情のトワイライトゾーンを、通り過ぎずに見てみようと思ったのです。

だけど、どうやってそこにたどり着けばいいのか、皆目見当もつきませんでした。はて、どうしたものかと思ったところに、ちゃんと出会いは待ってるんですね。

そこで彼女にお願いしました。「見学だけできるところはない?痛いのはイヤなのよ...。」彼女はあっさりと快諾してくれて、友人が出るというショーに連れて行ってくれました。

それは、いやらしさとかポルノとか、エロティックとか、何かそういうものすべてを超越した「プロフェッショナルの技」と言いましょうか。暖房の効いた館内で、瞬きもせずに見ていたせいで、目も口もすっかり乾いてカラカラになったあの感触をはっきりと覚えています。

ショーの帰り道、彼女の友人たちと話しました。彼女たちのほとんどがリストカッターで、SMと出会った事でリストカットから解放された事、死んでしまいたいような人生から立ち直った事などを聞きました。

そして特にSHIBARIでは、身体に跡を付けないように、痛くないように、動脈の上を避けて縛るのがプロの技で、ショーに出るために日夜練習に励むのが楽しみなんだそうです。

「タリカさんみたいなキャリアウーマンがけっこう来るんだよ。一度縛られて吊るされるといいよ。ものすごい開放感でクセになるから!」

ぎゃ〜〜私ですか?!想像すると確かにあれは、ゴミ溜めになったエゴやマインド、山よりも高い岩盤のようなプライドからの解放、一切のエゴを捨てるという境地がやってくるのかもしれません。多分きっとそれは、彼女たちにとってのLSDで、脳内麻薬の噴出ポイントなんですね。そして、これこそが欧米人たちのタントラにSOFT SHIBARIが登場する所以なんでしょう。(ちなみにSHIBARIは、TSUNAMIと同じく日本語がそのまま英語になったものです。)

真っ暗な人生、全てが灰色で前が見えない人生から立ち上がるために、様々な手法があるものです。

同じ地球に、同じ日本に、そして同じエリアに住んでいるというのに、全然出会うこともないかもしれない人たち。新宿の夜の街に吹き溜まる同じ苦しみを持つ人たちもまた癒しを求めて、独自の共通言語で語り、触れ合いたいと思うのは、人間としての性の現れです。私には彼女たちが、世界の痛みを一身に背負うことを承諾した女神のようにも見えたのです。

世界の陰と陽は常に回転していて、闇が極まれば光に転じるし、光だけの明るい世界では、人間は不眠症になって精神を病んでしまいます。休息するには闇が必要なのです。そこにどうやって優劣や善悪の判断を持ち込めるでしょうか。「私とあの人たちは波動が違うから」って?

仕事柄、本当にいろんな人と会いますが、地位や仕事が違っても、人間の本質って、そんなに違わないなって思うんです。

優劣も善悪も超えて、リラックスしていきましょう!今日は長かったですね!雨のせいですとも。

Love♡

Tarika

2020年 7月30日のメルマガより

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