機械星

機械星

 みう達の故郷。

 天の川銀河系のサジタリウス腕にある惑星。強大な軍事国家であり、天の川の統一を謳って約百年前オリオン腕に侵入した。
 すでに数十の惑星を従えており、今は地球を制圧しようとしている。
 科学力では地球を遥かに越える。また装甲機兵技術の開発されて以降は急速に他惑星の制圧が容易になった。

 大きさは地球より小さいが、その核の部分に至るまで通路が張り巡らされており、その通路に張りつくようにして居住部分が広がっている。人口は約80億人。
 かつては多くの国に分かれていたがそれが統一されたのは五百年ほど前。本来地球と似た環境だったが長く続いた機械化政策で地表は金属やセラミックに覆われてしまい自然はほとんど存在しない。

 惑星の支配者は二百五十年前にコンピューターに置換えられ、人間がその補佐をしている。
 このコンピューターは神や王のように尊ばれており、その神聖さに異論を挟むことは許されない。もし反対者が出れば、周回する人工衛星から反重力ビームで宇宙に放り込まれるのである。

 一般市民はコンピューターによって思考を操作されており、体内に埋込まれたicチップで情報を傍受されている。みう達の頭についているアンテナもその類。
 コンピューターの電波が惑星を覆っており、ただ国家の命令にのみ従うよう住民を操っている。

 そういうわけで人々には娯楽がなく、地球みたいに豊かな文化は全く死絶えてしまっている。ただ一部の人間だけが「古い文化の醜悪さを晒すために」その保管を行っているにすぎない。機械星ではただ歴史はごく数人だけが探求する資格を持っており、過去の事実に関して生殺与奪をにぎっている。

 この徹底した機密保持ゆえ、他の惑星の人間は機械星の内情についてよく知らないのが現実であり、機械星住民すら自分の住んでいる星の歴史や地理について知る機会が全くない。ほうぼうでは機械星人は情趣を知らない粗野な種族としてけなされているが、機械星人自身は被征服者たちを下級種族として見下している。