短歌(18/11/12-18/11/18)

1 望むまま 日を過ごすこと いづくより とりし賜物 たれも答へじ

2 声は飛び また帰らねど 聴く人に 死ぬともきえぬ 響もたらす

3 いまだ日の のぼらぬ頃に おきて飯 とくとく食ひて いづとはいかに

4 我がいのち たふときために 獣みな 殺しあふなり 人またしかり

5 殺すなの 言葉いくたび めぐりけむ 軽き罪にて あまねき罪ぞ

6 傷者は 弱さをかくし こはきつら また人に傷 さて限なし

7 なにゆゑと いかにと問ふも 許されで うつろなるやみ おちさせらるる

8 我といふ 物の数には あらねども 報いたまへと 乞ひすすむ者

9 ちよろづの 名知らぬ骨に うづもれて 我はた消ゆと ひそかにくやし

10 あまがける 鳥より高く つきはしり なほきなごりを 散らしつる誰ぞ

11 父母子 みつの合はざる ふたごころ ひとつの風を すひてぞ朽つる

12 つらきなり いや増す時はたのしきに たがこの心 いだかしむらむ

13 罪つくり そのむくいとて 苦しみを うくともまかる また罪の種

14 ことのはの うたかたのごと わきいでて 我語れよと 迫らるるかな

15 かききりて ひきさぐる首 ものすごし 情なしとは 知らぬの謂よ