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#15.セブンイレブンはカフェオレ(Lサイズ)を通じて、世界征服を目論んでいるのかもしれない。

最近のコンビニ商品の品質がとんでもないことになっている。

「安い・早い・美味い」というありきたりなキャッチコピーで表現するのはナンセンスだ。英語で表現するならば「エクセレント」。フランス語なら「トレビヤン」。ヒンドゥー語なら「प्रशंसनीय」である。

人類の叡智の結晶「7カフェ カフェオレLサイズ」。

今やコンビニを訪れた時、真っ先にこいつを思い出すようになってしまった。

これだけ美味しいコーヒーが手軽に手に入るのだから、某スターバ◯クスやタリーズコーヒ◯や、エクセシオールカフェの社員達は、今頃頭を抱えているだろう。

コンビニとの死闘に敗北し、今後のコーヒー業界を憂いた人が、転職を検討している頃かもしれない。
敗北と決めつけるのは失礼かもしれないが、私のなかでは明らかに決着が付いている。ヒノアラシでニビシティジムのイワークに挑むようなものである。

(勘違いしないで欲しいが、私はスタバもエクセもよく利用する。決してディスっているわけではないことだけはお伝えしたい。)

つまり何がいいたいかと言うと、それほどにセブンのカフェオレが美味いということだ。

わざわざまわりくどい表現をしたけれど、つまりはそれだけのことである。めんどくさい奴だと見切りをつけずに、最後まで読んでくれ。


まずはコンビニに入店する。「うぃん」という音とクーラーの効いた冷たい空気に迎えられた私は、まず雑誌コーナーのあたりを歩く。週刊誌の最新号が発売されているかどうかを確認する為だ。

昨日も、一昨日も見たはずだから既に知っているはずなのに、なんとなくそのあたりをふらっと眺めたくなる。試験勉強中、なんとなく気になって掃除を始めてしまうアレと同じ感覚だ。

一昔前までは、このあたりにエロ本が売ってたんだよな。
よくよく考えてみたら、エロ本がコンビニで買えるのって不自然だよな。
このスマホ全盛の時代に、悪ふざけ以外で需要があるのだろうか。
なんて壮大なテーマと向き合いながらも、雑誌コーナーをスルー。

次に向かうのはお菓子コーナー。

糖分・カロリーの高いお菓子は健康の敵だ。糖質を摂り過ぎると、食後の血糖値が急激に上がるため太りやすくなる。 これは血糖値が急激に上昇すると、体の中でインスリンが大量に分泌されるためである。 血糖値を下げる役割を持つインスリンには、エネルギーとして利用されなかったブドウ糖を中性脂肪をなんfdafawあsdfえef

健康に気を遣いつつ、チョコレートを一袋手に持って、レジに並ぶ。
ふと横に目をやる。

レジの横には、必ず”奴”がいる。
そう、セブンカフェオレである。

カフェインは人間の理性を奪う。
正常な判断を出来ない人間は、とんでもない過ちを犯す。

お酒や薬物が取り締まられるように、カフェインもいつか制限の対象になってもおかしくないと思う。

俺はそっとカフェオレに手を伸ばす。
「450円です」
「Suicaで」

この瞬間、俺の敗北が確定した。

♪450円で何が出来る〜?
陽気な音楽が頭を巡る。

きっと、少しリッチなランチが食べられる。
うまい棒が45本買える。
1円玉サイズのアルミが450個手に入る。
型落ちした任天堂スイッチのソフトが買えるかもしれない。中古で。

俺はこの瞬間、それらの可能性を捨て去ったのである。

Suicaを読み取るピッという音を聞きながらも、意識はコーヒーマシンに向いている。もし店員におつりを横領されても、この時の俺は気づかないだろう。

カフェオレ容器の頭部分に貼ってあるビニールの蓋を「べりべり。」と剥がす。俺を祝福するファンファーレ。何度だってこの音が、俺を蘇らせる。

「ピッ。」
「ごぼごぼごぼっ…ごぼごぼごぼごぼ…」
「カチッ」

マドラーで優しく中身をかき混ぜる。
沈澱したミルクをしっかりと上部に絡める。
そしてプラスチック製の蓋を被せ。意気揚々とコンビニを退店する。


やめられないとまらない。かっぱえびせん。
恐ろしいキャッチコピーだ。人間をダメにするお菓子である。

かっぱえびせんは食べるごとに満腹感と罪悪感を感じる。しかし、カフェオレは飲み物だ。「カフェラテは飲み物。怖くない」のである。膀胱がSTOPをかけない限り、いくらだって飲み続けることができる。

筆者のカフェイン生活はごく一般的なものだった。
学生時代に初めて飲んだMAX COFFEEを机に置いて、受験勉強に取り組む日々。それだけで大人になれた気がしたし、なんとなくドヤっとした気分になれた。

今の私は、カフェオレSサイズでは物足りない。
Lサイズでなきゃ満足できない体になってしまった。

糖分で誤魔化された甘々カフェオレではない。
俺様はカフェインが摂取したい。あぁ…カフェイン。あのコーヒーマシン、うちに譲ってくれないかな。金は出す。

セブンイレブンは、コーヒーを通じて世界征服を目論んでいるのかもしれない。コーヒーで私の精神が侵されてしまうのであれば、それはおおいに結構。カフェインに溺れた人生も悪くないだろう。


と、この記事を書きながらも、私の左手には「カフェオレLサイズ」が何食わぬ顔で佇んでいる。
全く、こいつは。仕方のない奴だな。
こうして今日も着々と、カフェインに体を蝕まれていくのであった。

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