公式(Apple)のドキュメントの変化について
はじめに
公式が提供しているドキュメントというのは重要です。
Androidであれば、次のようにいろいろとまとまったドキュメントが存在します。
iOSではどうでしょうか?
iOSエンジニアがチェックするドキュメントとしては、Apple Developer Documentationがあります。
日本語版もありますが、日本語版と英語版の差が激しいので英語版を見るのが良いでしょう。
この公式のドキュメントにはいろいろな情報(の参照)が載っています。
- APIの情報
- リリースノート
- Human Interface Guidelines
例えば、最新のXcodeがリリースされるタイミングであれば、下のようにどのような変更があったかをチェックしていることがしばしばあると思います(これも以前と比べて見やすくなりました)。
また、Xcodeのリリースノートも確認しているとも思います。
とはいえ、まだまだ公式が提供するドキュメントとしては情報が少ないと感じています。
以前あったいろいろな記事は次のようにarchives扱いになり、2018年に一部のドキュメントが更新されて以降は特に変化がありません。
Appleが提供するドキュメントたち
このようなAppleのドキュメントですが、最近今まで見かけなかったドキュメントがあるのを複数見つけました。
その中から「面白かったもの」「興味深かったもの」をいくつか次に紹介します。
Testing Your Xcode Project
ここでは、XCTestを用いた自動テストの話について書いています(しかしなぜこのドキュメントをXCTest以下でなくてXcode以下からのみ参照させるのか)。
テストピラミッドの話から、ユニットテストの箇所ではAAA(Arrange-Act-Assert)について説明しています。また、Integration TestやUI Testについても触れています。
AppleもWWDCでテストピラミッドに言及していましたが、Appleのドキュメントとして載っているのを見るのは初めてでした。
(追記)内容の詳細を次の記事に書きました。
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Defining Test Cases and Test Methods
こちらはテストケースについて言及していますが、tipsでテストケース名の重要性について述べています。
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Improving Your App's Performance
このドキュメントではアプリのパフォーマンスの改善方法について説明しています。
WWDC2019で発表され、Xcode11/iOS13から提供されたMetricKitについても説明しています(ということは、このドキュメント自体は最近追加されたのではないかなと思います)。
おわりに
Androidが提供するドキュメントに比べるとまだ不十分な箇所はあります。Androidは下記にアクセスするとわかりますが、テストについての話だけでいろいろとまとめています。
Appleにおいても、今後はこの手のドキュメントは増えていくことでしょう。
現在、AppleもGoogleも、テスト周りも含め開発環境に対して力を入れているように感じます。
より開発者が開発しやすいように。
このような開発のしやすさのためには、公式の情報を適切に提供するという行為は、開発のためのAPIやIDE(Xcode)を提供するのと同等かそれ以上に開発者にとって重要な意味を持つからです。
公式が提供する情報が多ければ、開発のための指針が一定できます。
それをベースにどのようにしていくかという議論の土台になります。
なにもない状況から比べるとその差は歴然です。
今後、いろいろと変化が出てくると思っています。
来年のWWDC2020での発表がいろいろと今から楽しみです。
最後に(蛇足)
現状のAppleが提供するドキュメントについての説明を次の記事あたりで説明できればなと思います。
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