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Photo by
yzengo
瓶に入るハニィ
(こちら内輪受けが多分に含まれている劇薬です。何が何だか分からない方はこちらを)
「このハニィを瓶に入れると、コンテストが出てくるんだよ」
友人はそう言うと、黄と白の少年っぽさの残る可愛い蜂を瓶に入れた。更に野いちごや杏も入れて蓋をした。
ポコポコ、ポコポコ……。
常温でしばらく蜂を放置すると、発酵が進んで瓶の中に公募が浮き出てくる。
「なにこれ?」
「だからコンテストだって。あ、温度が重要なんだ。熱くなると、公募だらけになりやすいから」
「ふーん、不思議な蜂だねぇ」
友人は熱心に瓶を見つめて、瓶の蓋を少しだけ緩めた。
「公募は閉めきったら意味がなくなるんだ」
「けっこう作り方が難しいんだね」
心なしか少年蜂が微笑んでいる気がする。
「ここからが大事」
友人は蓋を開けた瓶に大量の冷たい水を注いだ。当然、瓶から中身が溢れてリビングに蜂と公募が散乱した。
「これが差し水」
それは明らかに違う料理の手法だし、そもそも瓶の中に入っていた犬らしき物体はいったいなんだと聞こうと思ったが、話に水を差すようで止めた。
(完)
この物語はフィクションです。
実在の人物や団体やかわいい少年蜂キャラや餃子犬とは一切関係がありません。あと臼と蜂と栗は蟹の仲間だというのもフィクションだと昨日知りました。
ご了承ください。
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