(毎週ショートショートnote参加作品)バイリンガルギョウザ
曽祖父の頃から東京に住んでいる俺は生まれながらの江戸っ子として育てられた。
東京から一歩も出ることなく40年近く生きてきた俺は、窓ガラスに貼られたメニューに目を引かれた。
「バイリンガルギョウザあります」
新しいもの好きなのも江戸っ子の気質だ。俺は暖簾をくぐって店に入った。
店の中はこざっぱりとしていて、無駄なものはない。気に入った。
ずっとこの店の中だけで生きてきたような高齢の親父さんが厨房から出てくる。
「おとっつぁん、バイリンガルギョウザっての一つ!」
「うちのは