たらばがに

現在28歳。元々、本を全く読まない人でした。25歳の頃、ある人から「小説を読むと人の気…

たらばがに

現在28歳。元々、本を全く読まない人でした。25歳の頃、ある人から「小説を読むと人の気持ちや行動が分かるのでは無いか?」というアドバイスを頂いて以来、絵本から古典まで色んなジャンルの本を読むようになりました。特に光文社古典新訳文庫の本を読むのが好きで、いつも鞄に入ってます。

最近の記事

バルザック 「ことづて」を読んで

みなさん、こんにちは。バルザックの「グランド・ブルテーシュ奇譚」の中に書かれている「ことづて」の感想を書いていきます。 あらすじです ※ネタバレを含みます  私(男主人公)は旅をしており、馬車に乗ろうとしていました。しかし、お金に余裕がなかったので、風がよく当たる屋上の席に座ることに。すると、主人公より少しお金を持ってそうな青年が主人公の座っている、隣の席に腰かけました。青年は初対面にもかかわらず、主人公の話を笑顔で聞いてくれました。青年と話をしていると、お互いの価値観が似

    • 魯迅 故郷を読んで

      みなさん、こんにちは。今日は「故郷 阿Q正伝」の中に書かれている「故郷」についての感想を書いていきます。 あらすじです  僕という主人公は、20年以来に二千里も遠い故郷に帰ることになりました。というのも、かつて僕の一族の集まって住んでいた家は他人に譲ることになっており、母と甥の宏児を連れて、僕が住んでいる家へ引っ越しをするために帰ってきました。母と引っ越しの話をした後「ルントウがやってきた」という話題になり、僕は子供時代を思い出します。ルントウは僕と年齢が近く、日焼けした

      • 花桜折る中将 堤中納言物語から

        みなさん、こんにちは。堤中納言物語の中にある「花桜折る中将」についての感想を書いていきます。 あらすじです中将が気になっている女性が、明日に帝のもとへ嫁にいくとのこと。それを聞いた中将は仲間の男と男の恋人の協力のもと、女性が寝ている部屋に忍びこむ。部屋の中は暗く、中将は足音を静かにしながら女性の寝ているところへ近づいていく。中将は女性をさっと抱きかかえ、自分が乗っていた牛車にのせると、大急ぎで牛車を出発させた。女性を牛車にのせることに成功した中将だが、よく見ると、その女性の

        • 魯迅「薬」を読んで

          みなさん、こんにちは。光文社古典新訳文庫の「故郷 阿Q正伝」に書かれている「薬」を読んだ感想を書いていきます。 簡単なあらすじです。 肺炎で苦しむ息子に薬(饅頭)を与えて、治そうとする父親の物語。黒ずくめの男から金とその饅頭を取引する。饅頭の見た目は血のように赤く、父親はその饅頭を両手で抱えたまま、息子の待つ家まで持って帰る。父親は家に着き、妻と饅頭を調理していく。息子はその饅頭を食べるが、後日亡くなってしまう。 感想です。 怪しいもの、迷信じみたものには、気を付けた

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          鴨長明

          みなさん、こんにちは。鴨長明の生涯について感じたことを述べていこうと思います。時代は今から約900年前、長明は下鴨神社を管理している父親の鴨長継の次男として生まれました。当時の下鴨神社は、今でいう大企業のようなものだったので、長明はとても裕福な子として過ごしており、将来は父親の跡を継いで、安泰した生活ができることを夢見ていました。そんな長明ですが、ある事件が起きます。それは父親の長継の死です。長継が亡くなり、長明を跡継ぎとして決めようとしていましたが、親族たちは言いました。

          ドストエフスキー 地下室の手記を読んで

          みなさん、こんにちは。ドストエフスキーの地下室の手記について、私が感じたことを述べようと思います。この作品は第一部と第二部に分かれており、第一部は主人公の独白、第二部は主人公の過去について、まとめられています。第一部が難解であり、陰鬱な文章が続くことから、途中で読むのを諦めてしまう人が多くいるかと思います。なので、第一部を中心に説明していきます。 主人公は40代の元役人で、20年以上の引きこもり生活をしています。自意識過剰、臆病、自尊心が高く、考え過ぎて行動出来ず、周りの人

          ドストエフスキー 地下室の手記を読んで