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"The LE PLI"ARCHIVES-34/ ”東京コレクション”をみて想うこと、

文責/平川武治:
初稿/2010年05月10日:

 今日のインデックス/
1)2010年秋冬コレクション記/
2)’10/'11-A/W /『例えば、”Anrealage”はおもろい!』を例に、/
3)「モード コンセプト」における”新しさとは?”/
4)「共棲社会」で生きてゆくと言う時代観の”モードの役割”を考えよう/

 1)2010年秋冬コレクション記/

『文明を謳い、文化をデザインして欲しい。
”東コレ”を見て、時間が経つたびに思うことである。

生を与えられ、生かされているあなた。
あなた自らの価値観の元に築き上げる自分の世界観を拠り所に、
あなたが、あなたらしく生かされる事に必要な世界のために、
社会のためにそして、
人のために、
堂々と、文明を謳い、文化をデザインして欲しい。
それが服であっても、 』
/平成二十二年四月二十九日/平川武治:

2)’10/'11-A/W /『例えば、”Anrealage”はおもろい!』を例に、/
  "Anrealageはおもろい、ちょっと、他のデザイナーと違って頭を使って、
商売上手な展開をしているデザイナーというレベル。"
 彼の”何かやりたい、脅かせたい、有名になりたい”の好奇心強気のデザインが今の東京では稀なので貴重だった事。だから、「おもろかった!!」のレベル。
 しかし、もうそろそろ、それだけのデザインから”内側”を考えた、即ち、本質を見極めるためのデザインへレベルアップして欲しい。きつい事を言えば、やはり、"表層のザッピング デザイン"。
 思い起すと彼の数シーズンの服つくりのアイディアはかなり、表層的な形態論的でしかない。彼にとってのファッションとは、或は服を作るとは、なんなのだろうか?が究極の疑問とその浅さと古さしか感じられない。
 所詮は、変わり種の"WRAPPING"コンセプトでしかない。今の時代の新しさである、"PROTECTION"でもなく"CARE/CURE"にも届かない古さでがんばったもの。このデザイナーのデザインの発端はやはり、”パクリ!”+”変わり種”によるからであり所詮、”今様東京コレクションのデザイナーたち”
の"Big Mouth!"と"Presuming fellow!!”そして、”自己マン”レベルの変わり種デザイナーであり、デザイナー自身が”ヤンキー気取り”であり、彼のあの好奇心溢れる”二枚舌”(売るモノと見せるモノという、)エネルギィーは今の東京では面白いのだろう。

 もし、彼の作った服に興味を持ったのなら或いは、感動した(?)のなら、会場で彼の展示物としてのサンプル服を1点でも着てみましたか?
 「服は着て見せるもの、見てもらうものそして、着て生活行為をしてもらうものですよね!!」

 3)「モード コンセプト」における”新しさとは?”/
 そう、20世紀の始りに”FAMME OBJECTS" から始まり、’80年代に来てやっと、“HOMME OBJECTS"が加わり,それらのための“WRAPPING"が「モードの本質」であり根拠性であった。これは現在も継続している”モードとは?”の本質です。
 しかし、”身体の進化”における限界、不変な形態構造によってその
”変わらぬ身体つき”を"WRAPPING"すること自体が、”新しさ”の造形的創造に限界の翳りが見え出した。
 ’97年以降はその"WRAPPING"というグランドコンセプトから当時の
”第3次世界戦争”的なる中東紛争による時代観や社会状況そして、生活環境の変化によっての虚無感、絶望感、不安感から、モードの世界もただの
"WRAPPING"だけでは物足らなくなりはじめ、新たなコンセプトとして登場したのが、"PROTECT/PROTECTION"というコンセプトである。
 「時にはハードに、時にはソフトに、身体をこゝろをそして性をプロテクトする迄のコンセプト」がモードの新たな役割となり現在迄、引き継がれているのが現実である。これはファッション業界が発表する各シーズントレンドの中にもこれらが顕著に読める。

 同じ時期に、服以外でも世界の多くの若者たちは身体の変わらぬ形態構造を自らが”身体改造”と”身体装飾”へと進化し始めた。”エステ、筋トレ、整形、プチ整形それに、Tattoo, Bolt,ピアスからヘヤーやネイル迄に積極的なる身体改造と装飾の行動が始まった。

 そして、もう一方では変わらぬ"WRAPPING"をコンセプトにするデザイナーたちはせめてもの表層として、"Wrapping Paper"よろしく、使う素材へ趣きを置き換える。そして、ハイヒールを履かせて(これも一種の身体改造である。)着丈、全体のバランス観の組み替えを行っているのだ。
 前出の、"Anrealage”はこの古さのレベルでしかない。

 豊かさの中で生まれ、育って来た連中たちの若者たちの中でも感受性豊かな自然体で生活している人たちはもうすでに、この"PROTECT/PROTECTION"に閉塞感を感じ、結局は自分自身を狭義な世界観に拘束しておく事だけだという”不自由さ”に気付きはじめる。

 4)「共棲社会」で生きてゆくと言う時代観の”モードの役割”を考えよう/
 自分一人では生きて行けない。“分かち合い”が必要。助け合って行く事が大切、想い合って生きて行く事が必要。そのために自分が出来る事で、自分以外の他者へ、"MAY I HELP YOU?"
 地球を、自然を、水をそして、時間とモノを慈しみはじめ、家族を、友を想う時代へ。

 ここに気が付き始めた若い人たちのモードは"CARE/CURE"が新たなコンセプトになる。”身体とこゝろと性”をどのように着る服で"CARE/CURE"
出来るか迄の想いと心ある自分の手による服作りが新しい時代が来る。

 しばらくは、このような服作りへの考えと想いが、新らたな情熱として、魅力としてそして、感情として今後の、若い人たちの創作意欲をかき立てるであろう事を望んでいる。

 また、この"CARE/CURE"というコンセプトは人間味ある好奇心として
新たな関係性を生み出すまでのアヴァンギャルドであろう。

 もしかしたら、この眼差しがアートとの接点となるエッジ!であろう。

文責/平川武治:
初稿/2010年05月10日:

#東コレ  辛口評論#CARE/CURE 新モード#TAKEHARU HIRAKAWA#taque#LEPLI

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