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"The LEPLI" ARCHIVE 129/ジュン-ヤワタナベ・コレクションの素晴らしさ。/「丸三角四角-ソニア- ドローネからポリーマグーへ、」

文責/ 平川武治:
初稿/ 2014年10月13日

『共感こそはあらゆる種類(、、、、、、)の模倣の第1の源泉である。』
G.タルド/ 参照:「模倣の法則」。

 「デザインする事」の根幹とは?/ 
 『関係性を求め得る次には、その関係性からの立ち居場所を見つけ、得る。
ここには”共感”と言うシンパシーが必然となる。
その為に、何をコミュニケーション*するか?』
 ここに“デザインする事”の根幹がある。

 *「社会生活を営む人間の間で行われる知覚・感情・思考の伝達。」
参照/ウィキペディア-コミュニケーション:
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B3%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%8B%E3%82%B1%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3

 「驚いた事が沢山だった。」/
 '15年S/Sパリコレクションで素晴らしい世界を見せた、JUNYA WATANABEブランド。
”ありがとうございました。”
 “It was so flesh,so bright & so happy."
この様な賛美が多く、コレクション後に立ち去る会場から聞こえてくる。
全くである、異議なし!!
 いい女性が、着たくなる上品で美しい服がデザインできる、
今では数少ないデザイナーがこの渡辺淳弥である。
 そして、展示会へ伺う。

 展示された実際のサンプルを見ると驚いた事が沢山だった。
僕が一番驚いたのは、この様な世界を縫製出来ると言う現実の凄さだった。
“丸三角四角”の世界によって面を構成しその面を使って、デザインされた服を
縫製すると言う事。
 ここには彼が優れたパターンメーカー自身である証でもあろう。
川久保玲もそうであるが、”絵”だけでデザイナーになった輩たちが殆どのこの実世界では、
優秀で実際にパターンナーが引ける人がデザインを行うブランドは極少ない。

 上質な美意識から生まれたデザインが工業化される。
そして、商品になる。そして使われる。
これがデザインされたモノの健全で誠実な立ち居場所。

 決して、自己満な”アート症候群”ではないこのデザイナーは
彼が持ちえた関係性から見つけ出した彼自心、その者の立ち居場所からのモノ作りである。
結果、変わらぬ立派な、実際現実を生み出す”仕事”である。
コンテンツ、スキルそして技術が”淳弥スキル”でハイクオリティにまとめあげられ、
何よりも自分世界で”いい服”を作るという、
彼のこゝろの有り様が素晴らしい今シーズンの世界を見せてくれた。

 ”コレクションの新しさ”を久し振りで感じたショーであった。
使われた、”ヘヤーギヤー”もいい、感情に溺れない気骨でデザインされた世界。
これで余計に世界観が新しくまとまった。
 先シーズンから変わったこのヘヤー担当者は時代をいっぱいに感じた多感な人であろう。

文責/ 平川武治。
初稿/ 2014年10月13日。


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