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5月に読んだ本

年度末の消耗が激しかったので、月に2回リフレッシュ兼ねて本屋に籠る時間を作ることにした。
その時読んだ本。備忘録。


店舗DX2022

どこで離脱してもCJを再開できる状態を目指す 
生協とオーケーの個配
店舗DX2022


DX大全2022

デジタル権威主義とデジタル民主主義。
前者は国家に対して市民が透明にされる。後者は国民のために国家の透明性を高めることを助ける。後者は相互信頼が土台。信頼とは相互事業である。相手を信頼しない⇄相手からも信頼を得られない。
ビジネスモデルはすぐに陳腐化する。 
MTP(野心的な変革目標)が重要になる。 MTPを持つメリットは、「共通の価値観に裏打ちされた仲間意識を創出できる」こと 
DX大全2022

有識者の「社会を作る」っていう発言、個人的に違和感があるんだよね。
確かに3人集まればそれはコミュニティとして成立し得るので社会は「作れる」のかもしれないけど。
自覚的な社会はそれはもう社会ではなく組織ではないかな…?



WIRED Vol.42

コモンズは誰のもの? 
人類は所有権を確立し、本来なら誰にも帰属しない「自然」も所有してきた。だが、所有権を超えて当事者と「共有」するプロセスは充分に確立できていない。 「誰と」「何のために」「いかに議論し」「管理するか」という本質的な問い。

今や単一のネットワークというものは存在しない。今後もネットワークがひとつに収斂することはない。1つか2つ、あるいは3つの独占企業が存在することになるだろう。 
ミラーワールドという「コモンズ」 コモンズに参加する人たちは、新参者が加わると利益を得てら新参者自身も利益を得る。
さらにはコモンズ自体の価値も上がる。だからこそ、コモンズは成長を好む。 
コモンズの喜劇:コモンズへの参加者が増えることで「規模の利益」が働き全体の価値が上がる。
コモンズの悲劇:資源の共同管理が失敗する。独占企業はそもそも短命。人々は数年でひとつのプラットフォームから去っていく。
未来の世代のために、解決策を押し付けるのではなく、より多くのツールや知識を受け渡す。
将来の問題のほとんどは、今日私たちが作っている解決策から生まれることになる。だから、今手にしている解決策に対して謙虚でなければならない。
WIRED Vol.42

共有と管理って言葉が内包する意味は矛盾する気がしたけどな…

コモンズ22の変奏曲
01茶の湯:フィクションを捨て新しいフィクションを楽しむ
02ボートハウス:小さなコミュニティの課題共有が大きなコモンズの課題解決につながる
04ぬか床:米糠という共通資源からローカリティごとに固有の多様性が生まれる
07拡張家族:相手の人生を「自分ごと」として向き合う日常
08子育て:ファミリーサポートという支援活動
09失敗:ポジティブに失敗できる社会
10アート:場所そのものは変わらないのに、アートが触媒になってコモンズが活性化する
12手間換え:自分が借りた手間は相手が助けを必要とするときに手間で返す 
14わたし:個人が気分良く生きられる集団に属すための最適化、「わたし」がコモンズになっているかもしれない
15荒涼とした静寂:コモンに侘しさを感じとる
16場所×リズム:場所にはリズムがある
17DAO国家:DAO(分散型自立組織)、劣化した社会システムからの分散ドロップアウト 
19あだ名のつく場所:第三者から与えられたキャッチーな名称が有効に働くときがある
20かつての巨大建造物:人々の幸せを願い作られた巨大建造物と老朽インフラを、いかに安全かつ創造的に次の道筋へと誘うか 
WIRED Vol.42
行政が持っている情報は膨大なので、市民との間には情報の非対称性が起きてしまう。
意思決定はブラックボックス化せず、過程を含めて情報公開していく。
自由と幸福のどちらを第一とするか。 干渉されないことか、それとも幸福の最大化か。 
合意形成を疑う。
統治の仕組みを考えるときには、「暗黙知」の存在も視野に入れたほうが良い 、「関係的自律」という概念。
ここでは意思決定や自己同一性が様々な関係性の中で生じることを踏まえ、自他を共に尊重する。
関係性の構築やそれを可能にする法制度の設計が重視されている。
人と人、人と環境の「あわい」の領域に働きかける。
人の不完全性や多様性、表出されない暗黙知や慣習にも目を向けた上で「良い関係性」の構築を可能にする法制度 α世代(9〜12歳?)のスタンダード、どこにアテンションと信頼があるか。
コモンズに基づく共同体が成立する最初の条件は、そこに参加するメンバーが共通ルールを守ること、精神的なコモンズ ウェルビーイングや心理的な安全がメタフィジカルなコモンズだと認識する。
WIRED Vol.42
3つの原則
●お互いが尊重されるルールが然るべきタイミングで執行されること
●そのルールそのものが議論の対象になったり更新される余地が残されていること 
●そこから退出したり別のコミュニティを作る自由を認められていること

数値化できない心理的な次元(フェアネスやリスペクト) ウェルビーイングや人間心理をひとつの社会的なコモンズとして捉え、それらが摩耗、枯渇しないようにするにはどうすべきかを考えるフェーズにきている
アバターを通じて自分を知る
アバターと距離を置くためのシステム

自家製共生 ゴミを出さないマラソン、ボトル所持が参加の条件
WIRED Vol.42

WIRED Vol.43

「湖に浮かべたボートを漕ぐように、人は後ろ向きに未来へ入っていく」
他者への共感を軸にした技術開発が進む
目的に特化したキュレーション型のコミュニティ プラットフォームを利用するリスク
多様性や包摂性という錯覚
「誰」の声を「どのように」反映しているのか
自己需要感覚
無意識の第六感、意識の背後で作用する、空間内における身体状況の知覚。 自己需要感覚を訓練するために、与える刺激のバランスを慎重に調整する必要がある。
WIRED Vol.43


WIRED Vol.44

web3、あるいは所有と信頼のゆくえ
いまや創造力やコミュニティへの帰属と貢献のすべてに値札がつけられ、 中心なき組織がもたらすもの、ありとあらゆるレイヤーで浸透していくDAO(分散型自律組織) 
管理者も中心もない組織、合意形成や意思決定のあり方を根本から変えていく
国家は国民を顧客とするサービス業へ
あらゆる行動がお金につながる。
「労働」の概念を書き換える、新たなるルネサンス
作品の所有はクリエイターに戻る
web1.0分散型オープンプロトコル→web2.0中央集権型プラットフォーム→web3分散型オンラインエコシステム
「信頼は控えめに」
ここでいう信頼は信仰のこと。確かな証拠や合理的な根拠もなしに、何かが起こるとか世界がある方向に動くはずだと信じ込むこと。

「もっと真実を」
そういうものは控えて、自分たちの期待に応えてくれると信じるに足るより確かな根拠がほしい。
「信頼そのものが全面的に良くないものだ」 
信頼は他人や組織に何らかの権威を与え、与えられた側はそれを恣意的に行使できるようになることを暗示する 確かな信頼になった途端、それは信頼ではなくなる
WIRED Vol.44

最後の信頼についての見解がすごく好きだ。納得。

たとえばヴァーチャルの花を贈れるアプリで、どれだけお金を積んでも、1日にひとつしか花束を贈れないとする。だから、毎日同じ相手に花束を贈ることは、それだけその人のことを想っているかの合図になる。この合図にごまかしはきかない。 
偽名を使うことでアイデンティティは固定化されず、よりコンテクスチャある(文脈的)になる
WIRED Vol.44
 キーワードforウェルビーイング×web3
 1モチベーション:日々の仕事が自分ごとになる。内発的な動機と外発的な動機の均衡 
2レピュテーション:評判の個人管理(所有・運用) 
3学んで稼ぐ 
4主観的価値:一緒に作り上げなければ育たない価値
5長期的価値 
6パーソナライゼーション:主観的なウェルビーイング向上のために、個人が長年積み上げてきた身体、精神、金銭、人間関係、キャリアといった資産が必須。パーソナライゼーションがマーケティング用語でしかなかった時代との決別。 
そのサービスや製品が特定のコミュニティの幸福度を高めることにどれだけ貢献しているか 測定の観点から、お金以外の価値測定がはるかに多くなる
WIRED Vol.44

仕事選びのアートとサイエンス

初版2019年3月
計画に価値はない
未来がここまで不確実になってしまった現在、あらゆる領域において計画の持つ価値はどんどん目減りしている
勝ちパターンが明確に存在した時代こそ異常、負けパターンもまた明確に存在した
コナトゥス(本来の自分らしい自分であろうとする力) 
良い悪いを世間一般の判断に基づいて同定することはできない。 
天職とは本来、自己を内省的に振り返ることで見出すものではなく、人生のあるときに思いもかけぬ形で他者から与えられるものではないか
自分は世界に何を求めているのか、ではなく、世界は自分に何を求めているのか、に問いを切り替える
予測というのは、外れるのが当たり前だ
正解を外に探すのではなく、中に探すアプローチ 好きと憧れの混同
自分が何かの意思決定をしようとしているとき、その選択は本当に内発的な動機なのかを再考する
ハプンスタンスセオリーの実践における「好奇心」というファクターの重要性
いい偶然=人脈の広さ×信用の深さ、これは足し算ではなく掛け算である
弱い絆が大事(強い絆から得られる情報は自分で知っている情報とあまり代わり映えしない)
「同僚」という関係性は、信用を醸成しやすい人間として落ちぶれない美意識や規範を持っている、ということ。 
互恵性の維持
「ああ、馬鹿ですか。馬鹿にもいろいろなのがあって、利口っていうやつは馬鹿のうちのあまり感心しない一種のようですね」トーマス・マン『魔の山』 
平均への回帰 
「それ、半年待てない?」

自由になろうと思ったら、どこかで不自由を我慢しなければならない。 何を得るのかではなく、何を失うのかをちゃんと考える。
雑用の効用、正統的周辺参加
仕事選びのアートとサイエンス 

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?

初版2017年7月
社会人向けギャラリートークのプログラム:キュレーターがギャラリーと一緒にアートを干渉しながら、作品の美術史上の意味合いや見どころ、制作にまつわる逸話などを参加者に解説してくれる教育プログラム
差別化の消失
正解のコモディティ化
分析的論理的な情報処理スキルの方法論としての限界
VUCA(不安定、不確実、複雑、曖昧) 自己実現的消費 
 内在的に「真・善・美」を判断するための美意識
ビジョンの美意識
行動規範の美意識 経営戦略の美意識、表現の美意識  
測定できないもの、必ずしも論理で白黒つかないものについて、リーダーの美意識が問われる。 
美とは何らかの対象の合目的性の形式であるが、それは当の合目的性が目的の表象を欠きながら、その対象について知覚されるかぎりのことである。 
経営における意思決定のクオリティはアート、サイエンス、クラフトの3つの要素のバランスと組み合わせ方によって大きく変わる 。但し、サイエンスとクラフトは非常にわかりやすいアカウンタビリティを持つが、アートはそうではない。
天才は言語化できず、ゆえに再現性をもたない。
アートが主導し、サイエンスとクラフトが脇を固める
PDCAにおいて、Pをアート、Dをクラフト、Cをサイエンス型が担う
デザインと経営には本質的な共通点がある
選択と捨象(選択したら、後は捨てる) 
優れた意思決定の本質は、選択することではなくまとめて思い切って捨てることにこそある
経営陣の最も重要な仕事は、経営というゲームの戦略を考える、あるいはゲームのルールを変えるということ 
デザインとテクノロジーはコピーできる
ストーリーや世界観はコピーできない


ジョンソンエンドジョンソン『我が信条』
各ステークホルダーとその優先順位、それらに対して社が担う責任と役務。システムが変化したとしても、判断の立脚点は変わらない「時代の変遷や社会の変化に伴って、内容は改変しても構わない。但し、この優先順位だけは絶対に変えてはならない」 

恥の文化日本と、罪の文化米国 
罪は救済できるが恥は救済できない

美意識の欠如と極端なシステム志向

ハンナ・アーレント「悪の陳腐さについての報告」 
悪とは、システムを無批判に受け入れること。
受け入れたことで結果的に悪を犯すことになった。 
では悪に手を染めないためにらどうすればいいのか? 
「システムを相対化すること」 
自分なりの美意識を持ち、その美意識に照らしてシステムを批判的に見る
システムを批判的に対象化する≠システムを全否定する
その企業が対象としている市場の欲望の水準をいかに高水準に保つか 
主観的な内部のものさし、より高品質の意思決定を行うためのより主観的な内部のものさし。
コンテンツからの学び:哲学者が主張した内容そのもの
プロセスからの学び:そのコンテンツを生み出すに至った気づきと思考の過程 
モードからの学び:その哲学者自身の世界や社会への向き合い方や姿勢
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 

過ぎ去りつつあったり現在進行形で加速してたり、って感じな描写の部分もある気はしたけど、それでも確認込みで読むには面白かった。初版の時期考えるとすごく先進的なんじゃないかなあ。

ビジョンとともに働くということ

初版R4年5月 
長く評価されてきた「正解を出せる人」 
問題とは差分である 
モチベーションは可変量関数 
ビジョンはビジネスと社会課題の解決をつなぐ 
役に立つ、より、意味がある 
マーケットインではなくビジョンアウト
「どんなものが好きですか」と事業を重ねる

ライフスタンス(人の価値観の根っこになる生活文化の在り方、生き様)≠ライフスタイル(生活様式)

ビジョンは時代や社会への違和感から生まれる 
 ビジョンは「危ない」 ビジョンを掲げるのではなく、「社会に貢献したい価値」だけを明確にすればいいのでは?
ビジョンは「背負えるギリギリの大きさ」にする 
will,can,mustの重なるところにビジョンがある 
問題解決と問題設定は求められる能力が違う  
ビジョンはコンパスであり、自分を守る武器になる 地図がなくてもコンパスがあれば前進できる 
組織のビジョンから、個人のビジョンが派生する
自分は何に熱くなる人間なのか
ビジョンとともに働くということ

数値化の鬼

初版2022年3月 
いったん「数字」で考える 
他人に対する数字の鬼ではなく、自分に対する数値化の鬼になる 
安心のための数値化ではない、数字は不足を見るためのもの 
数値化のメリット:コミュニケーションコストを減らす 
数値化が出来る人は失敗が当たり前になる、失敗を認められる
連続性を評価する
評価にゼロはない、プラスかマイナスか 
平均は机上の空論の数字 
集団を自然状態にしておくと「2:6:2」になる 
組織マネジメントとは、「2:6:2」を「10:0:0」に近づけていくこと 
変えられるものと変えられないものを見分ける

工程を分けて、数字を数えて、なぜ?を繰り返す
「やった気になること」排除する 、「やったことに意味を後付けをする」をしない。
明らかに結果や成果につながったことを見つけ出す。 
他人の成功論は仮説。仮説という前提でシェアをする。
知識のブラックボックス化を許さない 
変数は放っておくと増える
「やらないこと」を先に決める
やりたいことを10個書く、そのうち上位3つを今すぐやるべきこと、7つをやらないことにする。 大事なのは、やりたいことのうちの7つを捨てること
何が変数なのかを探し続ける 。変数が多すぎるとマネジメントの難易度が上がる。その中から「1つ」に絞り込むことを忘れない。社内の偏り、人のバラツキ。
環境のせいにする経営者は経営者失格 
コントロールできるもの、できないもの。長期的に見ると数字は一定ではない。人間の脳は短期的な利益をあまりに優先させてしまう。まずは短期的に見て、長期的に見て、逆算する。やりがい、達成感は最後の楽しみに。
数値化の鬼


こんな感じ。
実入りは多かった。

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