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年齢いじり、私はやらない。その理由。

アイドルのライブ配信チャットや握手会で見受けられる年齢いじりについてのnoteです。

仕事上、「メディア特性」というものを考える癖があり、その目線で語ると「テレビが主戦場なら一定こういうことは起こるよなぁ」という感覚もあります。メディアとしての凋落を伝える記事も散見されますが、「テレビが持ついろんな属性の人にリーチできる力」はやはり健在、というかむしろ絶大。対抗馬とされるネット広告に携わる人ほど、逆にその力のすごさを知っているのではないか、というくらい。

回りくどい言い方になりましたが、要は「いじりチャットを投げる人の中にもきっと様々な人がいるだろう」という話です。単に想像力が欠けている人もいれば、ごく少数の人が複数アカウントを使って繰り返し実施しているかもしれません。もしかしたら先天的に相手の心情を考えるのが難しいという人も含まれているかも。

自分の感情だけでタイトルを付けるなら「年齢いじり、流石にやめろ。推しにいつまでも甘えるな。」となりますが、書いてきたような諦観や客観視を織り混ぜていった結果、「私がいじりをやらない理由」を淡々と書いていこうという着地になりました。

推しに負担を強いるから、やらない

「会話はキャッチボール」という言い回しがあります。もしかしたら一般的すぎて陳腐化しているかもしれませんが、ここまで年月を経ても淘汰されずに、言い回しとして残っているということは、それだけ普遍性を帯びた真理であるということ。個人的には「人間関係の基本のキ」「円滑なコミュニケーションのための一丁目一番地」という位置付けです。

キャッチボールに例えてみると「雑な年齢いじり」はボールをぶつけて反応を楽しもうとするドッヂボールだなと感じます。投げ方とか球の速さのレベルではなく、そもそもキャッチボールになっていない別の遊びです。もっと言うなら、ドッヂボールならまだいい方かもしれません。チャットや握手会で投げかけるいじりは素性も明かさず、向こうが反撃がしづらいこともわかっている、不均衡な環境です。

推しはひとりだがファンは多数だから、やらない

自分にとっては1度目の質問だとしても、推しにとっては繰り返し繰り返し投げかけられているはずです。仮に推しに認知されている存在だとしても、1:nの構図自体が変わるわけでもありません。もしかしたら「何度でも応えるのがプロである」というお考えの方もいるかもしれません。キャッチボールならそうかもしれませんが、ドッヂボールだとどうでしょう?もっと言えばドッヂボールですらない一方的にボールを当てる投げる構造だとしたら?

会話の選択肢は他にもあるから、やらない

非常にシンプルな話ですが、会話の選択肢は無限です。「おはよう!」でも「この前出演してた○○おもしろかったよ」でも「この前と雰囲気が違う気がするけど何かあった?」でもなんでも会話の要件は満たせるわけで、その中で何を選び取っているかが逆に問われるということです。もっと言えば沈黙だって選択肢のひとつです。なぜわざわざ「年齢いじり」という選択肢を取るのでしょうか?認知を得たいがために、推しに負担を押し付けてしまう自分本位な言葉選びになってはいないでしょうか?

いじりといじめの境目が曖昧だから、やらない

番組のテロップはいじりかいじめか。MCならなぜOKだと言い切れるのか。境目は正直曖昧だと思います。ただ曖昧だったらやっていいとはなりません。むしろ「曖昧ならやらない」という判断の方が圧倒的に妥当です。一度口にした言葉はかえらないし、後から謝る機会がある距離感というわけでもない。いじめに転じうるなら論外だし、「いじりならやっていい」というわけでもない。前述の通り、会話の選択肢は無限です。そんな中「いじめに転じうるいじりの言葉をわざわざ選択する」のはなぜでしょうか?

嫌ならライブ配信も握手会もやるな?

極端な意見でありますが「有名税」という言葉のニュアンスにはこういった選択肢も含まれてくるのではないかと思います。「やらなければ起きない」は確かに一理あります。ですが百理ありません。アイドルというものはファンを喜ばせる存在で、握手会やSHOWROOMはその手段。ファンとの交流を通して「ファンがどう喜んでくれているかを確かめられる場所に、ボールをぶつけるだけの人が入ってきてしまっている」という構図に見えます。嫌な思いを避けるために楽しいことが制限される。これでは本末転倒ですね。。

まとめ

・会話として推しに負担が多いから
・あなたにとって推しは一人だが、推しからするとファンは無数だから
・いじり以外の会話を選択できる自由があるから
・いじめはもちろんいじりすらやる権利はないから

以上です。いじりをゼロにする力なんて当然ありませんが、自分の考えは示せるなぁということで書いてみました。「減るといいな」と願っています。

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