サイコロサイコ第二の出目をプレイしたあらすじと言うか感想基レビュー
第二の出目、才子(ローズマリー)
例によってネタバレ等あるので未プレイの方は要注意で。
出だしは大体どの出目も似たようなもの。今回は主人公はオタク君でラノベを読んで自分の世界に浸っている所を幼馴染の七七に邪魔され、そこに雪丸も加わりいつもの3人という図。ちなみにこの時主人公が読んでいるラノベの内容の元ネタはCHARON過去作品の「みっくすおれ」だろう。短編であっさり出来るので気になった方は是非DLしてプレイしよう！
今回のヒロインは主人公の学校、クラスへ教育実習生として赴任してきた先生と言うポジション。主人公は最初は相手が誰だか分らなかったが相手は自分の事を知っている様子。自習時間に先生に主人公だけこっそり話しかけられ、めたろーである事を確認される。そして昼休みに職員室へ呼び出される。そこで明かされる事実は、主人公が小さい頃によく一緒に遊んでくれた少し年上でお姉ちゃんみたいな存在。現在の大人びた姿と当時の姿と大きく変わっていた為気が付かないのも無理は無いだろう。大きな点と言えば眼鏡じゃなくなっているとか。そうしてお互いを思い出した後に、主人公は才子先生の家で招待される。久しぶりの再会に積もる話もあるだろう、教師と生徒と言う立場ではあるが二人は元々友人である。
放課後になり先生の家へ招待されるが高層タワマンに住んでるとか内装が凄いとか歳の割にはかなりお金持ってる感がある。そこで主人公に差し出される飲み物は桃のアイスティー。ピーチティーは特別な時に出す、恐らくCHARON最初の作品「みことにっき」が元ネタだろう。これも未プレイだったら是非プレイしよう！特にサイコロサイコ(グランドルート)を遊ぶ前にみことにっきをやっておいて良かったと心から思っている。(時系列的にみことにっきの後の話になるフルボッコようちえんも合わせてプレイするのを強くオススメします)
その後先生が手料理を振舞ってくれると言う事で待っていたのだが眠ってしまった主人公。夢に見たのは昔の自分と才子の会話シーン。才子は将来トウキョ(CHARONゲーでの地名)へ行って教師になって帰ってきてめたろーに勉強を教えてあげるんだと言っていた。だから覚えておいてねと言われた所で赤い選択肢登場。
BAD END1
絶対に忘れないよを選ぶ。起きるとそこには先生が、しかし様子が何か妙だ。突如として先生が手に持ったワイヤーで主人公の首を絞める。"勉強"以外の事も教えてあげるとはこの事だったのか！？
「先生は悪い女だから、先生が愛したもの全部私が奪ってあげる」等と意味深な事を聞きながら事切れる主人公。
人は変わるものだからを選ぶと先へ進む。
目が覚めると目の前には如何にも美味しそうな料理が並んでいる。しかし先生の前には食器がない。最初はこれは毒でも盛られてるのかと疑ったが特にそういう事は無かった。途中二人の会話の中で主人公の記憶とちょっと違うような内容もあったが、まあ子供の頃だし記憶違いや忘れているって事もあるだろうと軽く流す主人公。
サイコロサイコ出目1、メンヘラフレシアと続いてプレイしていたのでまあ普通のラブコメ展開等あるわけいし、絶対裏があるだろうなと疑ってかかってるので大よそこの時点で予想してたトリックは当たってました。まあ出目2をプレイする前に見たアニメ(2020年春アニメです)で人が成り代わるネタがあったってのも大きいけど。主人公の記憶違いや主人公と別れた後に突然出てくる女性の遺体発見の報道や"頭部"が切断されていたって辺りで何となく察しましたよ。流石に頭を切り取ってくっ付けるなんて展開はありませんでしたが。
そうして二人の関係が深まっていき、七七や雪丸の誘いも断って先生の家で通い詰める程。今日も今日とて先生の家へ、イチャコラしてると気が付けば時刻は22時、しかし今夜は返したくないって事でお泊りイベントktkr！ってテンション爆上げな主人公。そのままなんだかいい雰囲気になっていき先生がキスを求めてくる。
BAD END2
キスを拒むとかなり衝撃を受けた様子の先生、私じゃ相応しくない、やっぱり駄目なんだ等ぶつぶつ呟いている。ふと異様な臭いが漂っていることに気付く主人公、だが時すでに遅し。先生がガスの元栓を全開にしていたのだ。
一人で死ぬのは嫌だからと巻き込まれて主人公諸共お亡くなりに。
キスを受け入れると主人公は大人の階段を上る――
その晩また主人公が才子と昔の会話の内容を思い出す。朝目覚めると目の前には先生が、しかも一糸纏わぬ姿で。土日の二連休はずっと先生の家に泊まりっぱなしで時は月曜日、登校前にもう一回の誘惑を断ち切り先生の車で学校へ。ちなみにこの外泊、親にも連絡しておらず着信履歴には七七や雪丸からのが沢山。そりゃ心配されるよ。
先生と学校へ向かう途中、主人公が昔の話をするがここでも先生との記憶にちょっとしたズレが生じている。昔はメガネだったが今は違う、まあコンタクトにしたんだろうと思うが付け外ししている姿を見たことが無い。段々と怪しさが増してきている先生。しかし深く考えるのはよそうと主人公は考えるのを辞めた。
教室に着くと雪丸が怒りながら主人公に詰め寄ってくる。そりゃ誰にも連絡せずに二日間家に帰らなかったら皆心配するよ。友人の事を心配してくれているのに主人公は人の好意を無下にするような態度を取る。流石に堪忍袋の緒が切れた雪丸が手を出してしまう。更に主人公の胸倉を掴んで詰め寄る雪丸、これに対して主人公の対応で分岐する。
うるせえ！！！！と殴り返した場合。一発雪丸の顔にお見舞いする、更に追撃でもう一発。吹き飛び机にぶつかる雪丸、崩れる机、力なくだれて動かなくなる雪丸。雪丸に七七が駆け寄るが七七も急に倒れて動かなくなる。頭部より流れ出る鮮血、振り返るとそこには椅子を持った先生が。どうやら先生が椅子で七七の頭をガツンとやったようだ。そこで先生の口から「誰かに見られる前に早く始末しよう」とおぞましい言葉が。従うしかない主人公は二人の遺体を車に乗せて二人して山奥へ向かう。
到着すると手際よく後処理をする先生、近くにあった岩で遺体の顔を潰しだす。顔を跡形も無く潰して身元の確認をしづらくさせる為と説明するが、一連の手慣れた動作に躊躇いは無い。そうして主人公にも後始末をやるように要求してくる。
BAD END3
そんなことできないと拒否した場合。自分で殺した命の責任は自分で取るものだろうと言い放ち、諦めて一人で淡々と隠蔽工作を進めて行く。主人公はただ黙って眺めているだけ。普通の一般高校生なら間違いでも人一人やっちゃったってだけでもガクブルなのに、更に隠蔽工作で友人の顔をぐちゃぐちゃにしろだなんてそりゃ無理でしょ。
一連の作業を見たくは無いけど、目を背けてはいけないだとか考えていると頭に衝撃が。目の前にはシャベルを持った先生、ここで主人公を見逃したらいつ口を滑らすか分からないので始末するとのこと。確かに合理的ではある。最後に「見破れないあなたも悪い、彼女も浮かばれないでしょうね」と意味深な事を言って主人公に止めを刺す。
BAD END4
隠蔽工作に加担した場合。岩で雪丸の顔を潰す主人公、最初は謝りながら潰していたが途中から吹っ切れたのか先生と共に悪魔になる覚悟を決める。
隠蔽工作を終えたが体中血や泥で汚れてしまったので一旦先生の家へ行ってシャワーを浴びようと車で移動中。主人公は疑問に思う、なぜ先生はこんなに手際が良いのか？無慈悲にこんな事が出来るのか？そこで先生に聞いてしまう、返ってきた答えは「先生が人殺しだからよ」
ここでBAD ENDになりタイトルへ戻されるのだが、この後どうなったかは分からない。分かる事は先生が過去に人を殺した事があるという事だけ。HAPPY ENDまで辿り着くとこの辺のBAD END3,4の意味も分かってくる。と言うよりも殆どのBAD ENDはHAPPY ENDをクリアして漸く意味が分かるって感じがする。
まあ殴り返した場合は結局全てBAD ENDでしたって事。時は戻って教室で雪丸に胸倉を掴まれている場面へ、ここで抵抗するのもバカバカしいと相手にしない場合。才子先生が表れてひとまずは騒動は収めたものの、三人とも後で一人ずつ先生と面談することに。七七、雪丸、主人公と順番に行っていく。
七七の面談はごく普通の事情聴取と言った感じ、最後に一つだけ先生が質問した内容が気がかりではあるが...。
次は雪丸の面談、実は雪丸には先生との関係を主人公が話していたので、最初は何も知らない振りしてカマかけて実は全部分かってんだぞって感じの態度を取る雪丸。主人公との関係がバレていると知った先生、表情がちょっと変わって「それは、愉快ねえ」と言って面談終了。これは絶対何かする気だろうと思わずにはいられない、雪丸の命が危ない！
主人公の面談、二人きりの時の優しい口調で話す先生。そこで会話の内容関係なしに今日も行って良いですかと聞くが、今夜はやる事が出来たと断られる。絶対に怪しすぎる、間違いなくやる気だろうと思わずにいられない。
帰り道先生の家に行けなくて残念そうな主人公、でも教育実習生は色々忙しいんだろうなあと前向きに考える辺りピュアだなぁと思ってしまう。
この合間にまた主人公が小さい頃にした才子との会話の回想がある。しかし今回は最後に意味深な一文が。彼女は――重ならない。
面談を行った日から暫く経って主人公と先生はより親密に、もう大人の時間を過ごしまくり。男子高校生ならまあ仕方ないよね。
そして面談を行った日以降七七と雪丸が学校に来なくなった、先生に怒られたのが嫌になったんだろうとかって主人公軽く流してるけどどう見てもお亡くなりになってるんだと思うんですが。今の主人公は先生との関係以外もうどうでもいい状態になっているので、仮にも友人が急に学校に来なくなっても一切心配しないとは...
今日は夏祭りで先生とデートらしい、しかしちょっと元気なさそうな主人公。それを見て先生が七七と雪丸の事で悩んでるのなら大丈夫、二人の家に行ったが元気そうだったと言うが本当かな？先生の優しさに包まれ二人はホテルへ。
ホテルのベッドの上で会話する二人、ここで先生が妙な事を言い出す。
「本当の私を知ったら嫌いになっちゃうから...」ここで漸く主人公にもいやな予感が降り積もる。実はもっと前から気付いていたのかもしれない、けれどそれを認めてしまうのが怖かったのだろう。先生の正体について尋ねる主人公、素直に認める先生。全てを正直に話し出す先生。自分は才子を消して彼女自身に成り代わった存在であると。本物の才子に憧れており、成り代わる為に血のにじむような努力をしてきたと。努力の方向性が間違っている辺りサイコロサイコのヒロインだなぁって感じる。
先生には裏の顔が沢山あるし人に言えないような事だって平気でやってきた、それでも自分の事を好きでいてくれるかと問いかけてくる。
BAD END5
それでも先生を愛していると言った場合。仮に先生が偽者でも今抱いているこの愛情は本物だと先生を抱きしめて受け入れる主人公。そして時は過ぎて数年後、主人公との間に子供も生まれてHAPPY ENDな雰囲気。赤ん坊を抱きしめて幸せそうな顔の先生。ところが主人公が映っていないがどこへ？彼は今顔のない死体となってこの街の裏山のどこかに隠されている、お友達も一緒だと。その場所は先生のみぞ知る。やっぱりあの二人はお亡くなりに、そして主人公までお亡くなりになるとは。
ここで先生が意味深な事を言いながらBAD ENDになるが、HAPPY ENDクリア後にBAD ENDのタイトル含めて「あぁそういう事だったのか」と納得がいく。
HAPPY END
先生の気持ちには答えられないと告げた場合。そりゃあ主人公の大事な人を殺して成り代わって近づいてきた偽者だもの。先生は明日警察に自首しに行くと言い、これが二人で過ごす最後なんだなあと感じながら眠る主人公。
朝になり目覚める主人公、隣に先生の姿はない。最後に別れの言葉も無しに行ってしまっただろうか？と思っていると風呂場から水の滴る音が。嫌な予感がしつつも風呂場へ向かう主人公。そこには浴槽内で腕を切り自殺した先生の姿が、更に衝撃的なのが壁には「Welcome to the world of AIDS」と血で書かれた文字が。まさかエイズ・メアリーネタが出てくるとは思わなかった。でもエンディング後のストーリーを見るとこのネタを使った理由にも納得がいく。しかし最後の最後に主人公にとんでもない爆弾を仕掛けていきましたねえ。爆弾自体は大人の階段上った時点で仕掛けられてたけど、今明かされる衝撃の真実。
エンディング後、とある女性の回想が始まる。先生こと重音の回想である。彼女は大学で本物の才子と出会い、友人であると共にライバルでもあった。しかし才子は全てにおいて重音の上をいく。成績も性格も、生まれ育った環境さえも。劣等感を感じ続けて最初は二人で教師を目指そうと言っていたが重音は才子と道を分かれて水商売へ。(そりゃあエイズになってもおかしくはない)最初は金稼ぎの為だったが相手に感謝される、誰かに必要とされると思うことで自分の居場所を見つける。なんかこの辺出目1の斉子ちゃんとちょっと似てるかも。
そんな事を続けていたお陰か重音が妊娠する、本人は才子に唯一勝った点だと喜んでいる。だがそんな喜びも長くは続かず流産してしまい、それと同時に壊れる重音の心。
一方才子は教師となり教育実習で故郷へ帰ると順調な人生であった。今までの劣等感や嫉妬からだろうか、重音は才子の首をワイヤーで絞めて殺そうとする。才子を殺して代わりに自分が故郷へ行き、才子の好きな男つまりめたろーを奪ってやり妊娠させてもらって赤ちゃんを返してもらう等とぶっ飛んだ発想。タイトルに偽りなし、実にサイコサイコ。これでBAD END5の赤ん坊を抱いて満足そうにしている重音の姿に納得がいくわけだ。
才子も殺されながらも最後まで命乞いとかしないで強気な態度なのも凄い。自分より下の存在を見る事で自分はまだ大丈夫だなと安心するなんて言う辺り実は結構腹黒だったり？
最後に
これでサイコロサイコ二人目、持つ者と持たざる者の格差ってのはつらいものだ。本人は普通の事だと思っていても他人からしたら羨ましいと思えるような事って良くあると思う。それに人間誰しも嫉妬心ってのは持っていると思う。どんな聖人でも裏があるように。HAPPY ENDルートでは最後は自殺した重音だがめたろーと過ごした一時は幸せだったんだろうかね。それとも最後に才子の好きな男に爆弾残して一矢報いたとか思ってたりするのだろうか。出目1と出目2でここまで属性が異なるとは、出目2もなかなかに面白い内容でした。
てことで是非DLしてプレイ、しよう！