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「バンビィガール」 拝読しました

【あらすじ】
書類選考、カメラテスト、最終審査の読者投票を経て、晴れて奈良の情報誌「月刊バンビィ」のイメージモデルを一年間務めることになった紺野あおい。
情報誌ならではの体当たり取材、慣れない食レポ、動画撮影、連載記事……などなど、普通に生きていたら経験できないであろうお仕事に日々精進。
笑顔の裏には、苦しいこともあるけれど、それでもゆきますバンビィガール!
地元奈良への想いと、仕事で関わる人々。感謝の気持ちを忘れず過ごすアラサーモデルの一年間。一見華やかに見える「モデル」の苦悩と葛藤を描いた奮闘記。

夢は何度挑戦してもいい。
諦めない限り、夢は続いていくから。

バンビィガールより

主人公の紺野あおい(アオ)は大学生のときから一つの夢を持っており、それは奈良の地域密着型情報誌「バンビィ」イメージモデルになること。しかしそこに至る道は険しく、大学生の時は書類審査で落選してしまう。その後24歳でもチャレンジしたものの再び落選……そして「三度目の正直」と信じて、今までの反省をしつつ27歳で再度チャレンジするのでした。

そして見事に最終選考に進んだアオ。しかし、そこからは候補者によるコンペが始まります。写真撮影をしたりWeb用の動画を撮影したり……そして最終選考の方法はWeb上での読者投票。候補者の中には強力な(若い)ライバルがおり、日々の投票結果は接戦で、結果は最終日までもつれ込みます。仲間の協力を得て接戦を制したアオ。そう、彼女は念願の「バンビィガール」の地位を手に入れたのでした。

1年間のバンビィガール在任期間中、アオは様々な経験を積み重ねます。CATV番組への出演、イベントでの挨拶、金魚すくい大会や祭りでのダンス披露などなど。編集部の仲間やカメラマンのイケオジ男性に支えられながら、アオは確実に成長していくのでした。


とにかく主人公のアオが魅力的な女性で、少し頑固なところもあって頑張りすぎたりもするのですが、都度周りの人々に助けられ成長していきます。関西弁での会話も小気味よくて、話数が進むにつれて本当に彼女が存在しているかの様に錯覚し、応援したくなりました。

そして随所に登場する奈良ローカル(笑)な地名や駅名。私は関西在住で奈良(の吉野の方)に縁が有るのですが、残念ながら今回は南は神宮止まり。明日香や、吉野、更に南には世界遺産の熊野古道もありますので、次のバンビィガールさんには是非紹介して頂きたい(笑)。あと、柿の葉寿司とか和菓子、三輪素麺や吉野葛は昔からの名物で、最近はならまち周辺でかき氷やグルメなお店も増えておりますので、美味しいものだらけです🍧 バンビィ、読みたい!

頑張り屋さんのアオは、時に頑張りすぎて倒れてしまったりするのですが、随所でイケオジカメラマンの沢渡さんに助けられます。この方がもう、ホント(性格まで)イケメンで、ひょっとして二人は……なんて思ってしまいますし、続きがあればその可能性も!? アオの幼馴染の男女も色々とストーリーに絡んでくるので、人間関係も見どころの一つですね。

あと、アオのファッションやお化粧については非常に細部の描写があり、こういうのは男性の自分には書けないなあ、ととても参考になりました。モデルと言う職業ですから、ファンション等の描写がアオの元気な感じや美しさ、ひいては彼女の内面の変化を際立たせていると感じます。

全33話で多分10万字超えの文章ですが、最初から展開が絶妙で飽きさせず、最後まで一気に読めてしまいます。最後まで読み終えた時、きっとあなたもアオを応援するファンの一人になっていることでしょう。オススメ!


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