見出し画像

写真家の友だちの日



8.19

13年住んでる土地の唯一の友だちに付き合ってもらって、有機生活と歯医者までの車の練習をお願いする。
有機生活で買い物をしたあと、広い駐車場に咲いていた花を見つけた友だちがしゃがんで花を摘んで車に乗り込んだら、謎の虫が尋常じゃなくたくさんくっついていて、振り払ってもぜんぜんついているので、持ち帰るのを泣く泣く諦める。
摘んだ花に悪いことをしたと落ち込んでいるので、きっと転生してまた同じ花に生まれてくるよと慰める。
車の中にはチラホラと謎の虫が残されていたので、拾ってポイポイと窓の外に投げる。

そのまま今度は歯医者まで道順の練習。
運転しながら、私は文章を書くときに伝えたいことがないということなどについて話を聞いてもらう。
友だちは写真家なのでそのへん彼女自身はどうなのか聞いてみたかったのだけど、やっぱり彼女も伝えたいことがあって撮っているのではないと言っていて、じゃあ私たちには何があってそれぞれ文を書いたり写真を撮っているのかね、など話すがお互いわからず。
小説は話を考えてから書くのかと聞かれたので、とりあえず書き出して流れで書いていくと言ったけど、私は小説なんて書けない、変な物語しか書けない。
でもそれを読んでくれた友だちは昨日、あれを縦書きの本にしな、とメールをくれた。
ホッチキス止め手伝うからと。
『自分を切り開いて書いてる言葉が物語のなかにはいってる』
友だちがくれたこの言葉がどれほどの強烈な力強さで私を救ったか、きっと友だちは知らない。
私もそんな言葉をまっすぐ意図なく人に伝えられる人になりたい。

ここから先は

1,598字

チャミ山商店

¥300 / 月 初月無料

これまで更新されてきた彼方からの手紙シリーズ、その他日記エッセイ、散文など、その時々のことを書いています。

より良い表現ができるように励みます。ありがとうございます🌷