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ミスドの話 ~懐古編~

ミスドが好き。
思い出込みで好き。
幼い頃、伊勢のララパークというショッピングセンターにあったミスドが人生のベストミスドだ。
今もララパークはあり、ミスドもある。
しかし、今は改装してララパークとの店舗一体型となっているが、昔はララパークの離れといった感じの独立した店舗だった。

店内に入るとショーケースには数多くの種類のドーナツが並んでいる。
当時、僕はきな粉がかかっていてぱふぱふした食感で、卵みたいな形状のドーナツが好きだった。5個くらい入っていて、付いている串で刺すと中が空洞だからめちゃくちゃ軽かった。今は販売していないが、きな粉好きのガキだったので毎回これを食べていた。
(ネットで「ミスド きな粉 ぱふぱふ」で検索したところ、「プチぱふ きなこ」という名前らしい)

ショーケースからイートイン用とテイクアウト用のドーナツを選ぶ。テイクアウト用は数が少ないとパッケージが紙袋になるが、多いと紙箱になる。紙箱だとテンションが上がる。
そしてイートインのため席に向かうと、この頃のミスドはテーブルとイスが濃い黄色と紫色(おぼろげな記憶)の2色で、どっちの色に座るのか考えるのも楽しかった。

また最近あまり見かけないのだが、当時そのミスドには飲茶があった。特徴のないスープが特徴の汁そばとか、肉まんや焼売などの点心がとても美味しく、普段触れる機会のない「飲茶」というものが食べられてワクワクした思いがある。特にセイロで蒸された点心のエビ蒸し餃子を酢醬油とカラシに付けて食べるのが、何とも異国情緒を感じられた。

そしてミスドと言ったら忘れてはいけないのがスクラッチで出たポイントを貯めて貰える景品だ。いくらで何枚か忘れたがドーナツを買うとスクラッチカードが貰え、原田治のイラストがオシャレなお皿とか手帳、トートバッグが貰えた。ポイントが足らず、ガキの僕がごねていると隣りの席の優しい老夫婦がカードを譲ってくれたりした。当時のミスドにはそんなアメリカの片田舎のような牧歌的な空気が流れていた。

家族で買い物に行き、昼ご飯を食べるということだけでも十分楽しいのだけど、ミスドに行くということになれば勝ち確定、それは勝ち確の回なのである。
あと先程述べたことからも感じられるようにミスドはいちいちオシャレで、またCMの所ジョージもオシャレで、店内BGMの山下達郎もオシャレで、子どもにも分かる程の隙の無いオシャレ空間で楽しい思い出しかない。

その思い出が今も強く残っている為、原田治のイラスト・デザインは今も好きで、数年前に世田谷文学館でやっていた原田治展にも行ったし、LINEの着せかえも原田治仕様にしている!
(と強めの大きめの声で主張しておく)

あとやっぱりショッピングセンターの中ではなく、独立した店舗型のミスドを見ると興奮する。旅行して県外とかでそういったミスドを見つけると意味もなく、不動産屋のサイトで最寄りのアパートを調べてしまう。決して引っ越すわけではないが、徒歩圏内にミスドのある生活を想像したくなる。現状、僕の最寄りのミスドはあのララパークであるが、冒頭お伝えしたように店舗一体型である。最近ミスドが減っていると聞くが、店舗独立型も含めもっと逆に増えてほしい。
ミスド最高。

おわり


イラスト ハナイナホ
https://note.com/87174

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