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東洋の哲学まとめ

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東洋の哲学(主に仏教、禅、儒家、老荘、神道)について書いた記事が増えて来たのでまとめました。哲学以外のも混じってるかも。
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#歴史

漫画『キングダム』のその後

大ヒット漫画「キングダム」の実写版映画が先月より上映されましたね。 評判はそれほど悪くないようですが、漫画が原作のものを実写化すると、どうしても原作のファンには受け入れられない部分が出てきてしまいますね。 (私はハリウッド版ドラゴンボールという苦い思い出があります) ちなみに私は漫画は読んでいませんが、Netflixでアニメシリーズは全て観ています。機会があれば実写版も観ようと思いますが、、、 さて、今回はこのキングダムにまつわるお話です。先に結論から言ってしまうと、あれ

史記③ 司馬遷の生きざま

前回のポストで、紀伝体という歴史書のスタイルの発祥は史記にあり、紀伝体を生み出したのが、史記の作者である司馬遷であると説明しました。 司馬遷は、どうやって紀伝体というスタイルを産み出したのでしょうか? 超エリート家系に生まれた俊才司馬遷は紀元前145年頃、漢の時代に生まれました。父親の司馬談は学者で、国の祭祀を司る神官のような職業(太史公)に就いていました。漢王朝において司馬家は、代々のエリート一家だったようです。そんなエリートな父・司馬談の英才教育の元で幼い頃から高名な先

史記② 紀伝体というイノベーション

前回のポストで、 「史記」の特徴は、「編年体」ではなく「紀伝体」というスタイルにある と書きました。ということで今回は、史記を史記たらしめる「紀伝体」について触れてみます。 一般に、歴史書と言われる書物のスタイルは大きく以下の2つがあります。 【編年体(へんねんたい)】過去から未来へと、時系列に沿って起きた出来事を記録していくスタイル。歴史の教科書に出てくる「歴史年表」をイメージするとわかりやすいかも。 「xxx年、○○○が▲▲▲した。その結果、●●●が□□□となった

史記① 史記はじめました

最近、横山光輝さんが描いたマンガ版の「史記」を読んでいます。まだ読み始めたばかりですが。 きっかけは、単に通っている中国古典の講座で「史記」の回があり、いきなり漢文を読むのはキツイので読みやすいマンガから入ったわけです。 で、この「史記」読んでみるととても面白い。何が面白いって、 登場人物がめっちゃ死にます。 いや、もちろん紀元前の中国の戦国時代の話なので、平和な現代と比べれば人が死ぬ確率はそもそもが高いわけですが、史記に名前が出てくる人物というのは、一国の君主であったり