12/20「冬の大三角」
さあ空を見上げてみよう、星を語るのはそれからだ。この季節、南東の空に見えるのはオリオン座。一等星であるおおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンと冬の大三角形を作る星座だ。冬の代表格と言っても良い。特に明るい星なので街灯のある街でも見つけることが出来る。寒さが厳しくなるにつれて空高く昇り、冬のキンと張り詰めた空気の中存在感を露わにしていく。大三角形の一点を担うオリオン座のベテルギウスはもうすぐ死に逝く星だそうじゃないか。六四○光年という果てしない時を超えて地球にたどり着く光。これだけ離れていても最期の力を振り絞って強烈に輝く星は間近で見たらどれほどの熱量なのだろうか。もしかしたら、もうベテルギウスは寿命を迎え、光だけが届いているのかもしれないね。そうするとどうなるのだろうか。いつかはオリオン座の形が変化し、冬の代表である三角形も消えゆくこととなる。今語っている言葉もまた物語となるのだろう。どうだい、こんな風に星語りをしながら見る夜空も良い物だろう。難しいことはない語り部には誰だってなれる。今度誰かと星を見上げる時には是非とも語り部になってみたら良い。きっと忘れられない特別な夜になるだろう。
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