【プロへの第一歩】キッズドアから学ぶ連続財務分析

キッズドア絡みの議論がまだまだ噴出しております。
ぶっちゃけ、活動報告書なるものは間違いもありそうで、あまり信用できません。手入力でしょうし。
改めて、重い腰を上げて決算書を分析しなおすことにしました。

B/S、P/Lがわからない人は、
前の記事 キッズドアから学ぶ決算書の読み方|タンヤオチャンタ (note.com)

こちらを学習の上、下記に進んでください。

今回の分析にあたり、比率と増減が大事だと前回の記事で述べました。
短期的にみても、トレンドはわかりません。
本気で分析するなら5期くらいは並べたほうが良いです。ということで主要数値を抜粋した連続B/S・P/Lを作成しました。
単位はMです、ミリオンですよ。「万」の略じゃないですよ。

B/Sの主要項目を5期連続で並べたもの


P/Lの5期連

まずはB/Sから分析しましょう


①現預金 
中間助成事業を開始して翌期分の助成金を前受けしていることから、2024/3期に316Mの大幅増加。これ自体は助成先さえまともなら、別におかしくはないそうです。
なぜなら専用口座を開設し、そこで管理して他に流用できないようになっているそうです。対応する前受金は287M増加でほぼ見合っている。

①-②が当期増加分

②未収金
これは後払いで受け取るであろう、塾代ですね。

2023/3期から一気に増えております。本業の人件費も増加傾向にあり、本業拡大が見て取れます。

③ノーチラス基金(N基金)
よくわからん双極性障害?の基金積み立て。書いていて気づきましたが、2023/3期は、これの放出115Mにより、▲189Mの大赤字です。(他は人件費増加?)これは時間ある人が掘ったほうがいいんじゃないですか?
ぶっちゃけよくわかりませんし。

※追記

よくよくみたら、P/Lを通ってないため、単に取り崩して赤字補填と借地権等に使った可能性が高いです。ごめんなさい。


これが何を原資に、いつから積み立てられてて、なぜこの金額放出したかは説明してもらわないとわかりませんわ。
でもヨソに流出した資金と言うのはわかりましたね。まだ55M残っているので、今後も取り崩すか本当に寄付か助成に使うかは見ていく必要があります。

④借地権
土地を買わずに長期で借りて、その上に建物を建てたようです。
2023/3期から建設仮勘定(建設中の建物の出費)がありましたし。直近は2024/3期に建物も57M増加しています。
減価償却がありますから、借地と新築費用で120Mくらい消費したのでは?
たぶんラーニングラボすみだとかいう英語学習とかできるような施設のことです。ここの利用内容が変でなければ、おかしな支出ではないです。

⑤未払金
ここからは負債勘定です。
事業拡大で人件費増加や外注費が増加し未払金も増加傾向にあります。
単に翌月払う分なので、支払遅延はないのでご安心を。

⑥前受金
以前から言及している中間助成のための資金です。助成先のこども食堂が黒塗りで開示されていないので、ここはもしかしたらチューチュー余地があるのかも?でも見てみないとわかりません。
全団体調べるなんて、途方もない。私はそこまで熱心ではないので他の方にお任せします。

⑦短期借入金
なんかよくわからん公益財団法人から10M借りてますな。いらんやろ、これ。金利何%やねん。借りてくれって頼まれたんちゃうか?さっさと返せ。

さて、B/Sの5期連をご覧になっていかがですか?増減からトレンドや要因をあぶりだせるでしょう。本当の財務分析はまずはここからやで。


次にP/Lも分析しましょう

P/Lも、途中から会計ソフト変えたの?って感じで決算書の表記が変わってますね。新しく使っている勘定科目なんかも増えていて、最新のほうがわかりやすいです。まずは上の売上項目から。

①寄付金
2022/3くらいから100M以上大幅増加してますね。内訳は昔のはわからないのですが、内訳見る限りたぶん大手企業からか?※下記でたぶん判明します

②助成金
国庫助成金が2022/3からどんどん増加し、中間助成のために直近期で爆増。
これは公金なので、支出先や管理費(MAX15%までキッズドアが抜けるらしい)の確認はしたほうがよいです。どうせ黒塗りですけど。

民間の助成も大幅増加してますね。まるで、これを見越していたかのように先行して事業が急拡大してますね。なんでやねん。詳細はわかりません、あくまでそう見えただけです。
どうやってこんな助成先に選ばれたんですかね。

ここからは経費項目です。
③事業人件費
よくみたら2022/3期までは事業人件費は完全に事業収益でまかなえて黒字ですね。毎年急激に増加し続ける事業人件費を、2023/3期から事業収益で吸収できなくなっています。
ハコモノを増やして人も増やした結果、生徒の集客が追いついていない?その結果、東京都の各区からの委託費が足りていないのでは?これは仮説です。検証は例によってみなさまでどうぞ。

④業務委託費
これもハコの拡大で人が足りずに外注しているのか?もしくは食品宅配事業のせいか?内訳をみないとわかりません。

⑤支払助成金
まんまです。何度も言及しているので割愛します。

⑥地代家賃(事業分)
5年前から見ると23M増加、現在46Mでちょうど倍です。これは借地権で利用できる土地の地代でしょうね。借地権と地代は別物なので。数年で結構な支出につながりますよ。
せっかく建てたなら有効活用してくださいよ、ホント。

⑦消耗品費・支援費
2022/3期は消耗品費100M以上という大企業のような使い方をしております。と思ったら2023/3期から支援費という勘定科目が新設されています。
たぶん、食品配達分です。
はい、ここで寄付金の推移を思い出して見ましょう。

2022/3期は269Mと、前期から101M大幅に増えてます。
これ、宅配事業のクラファンじゃね?寄付で食材費賄えているんじゃないの。増減だけで判断すれば、特に流用もしてなさそうなんだが。
なーんだ、寄付金チューチューはなかったのか!(棒読み
内訳ないとわかりませんがね。運用と調達は見合ってますよ。

⑧管理人件費
これは2023/3期から、37M⇒80Mと倍増以上です。本部にそんなに人を増やしたのか?まさか役員報酬を給与にしてごまかしてるんじゃないだろうな・・・
これはよくわかりません。内訳必須です。「個人情報ガー!!」って騒いで内訳くれないなら、所属部署別の人数の増減の推移だけでも教えてもらえば解明できそうです。だれか開示請求してください笑

とまあ、細かく見ればもっとありそうですが主要項目はこんな感じ。

まとめ

・連続で見れば今までわからなかったことがわかる。5期のうち1期大赤字ですがこれはノーチラス基金の流出分と事業拡大によるもので、ノーチラス基金を取り崩して赤字補填と借地権、建物新築に使ってます。

・新しく建てたラボ?の稼動状況や内容は要注意。

・食品配達事業は本業と切り分けて寄付で運営している模様。寄付者が納得してるなら、まあいいのでは。公金投入されてなさそうですし。
ただ「クーラーもつけれない子がいる」「昼食が10円の子がいる」とか言うなら、100万くらいキッズドアやフローレンスから寄付してやれよ苦笑

・家賃増加が著しい。本部と事業所で30M/年くらい増えている?3年で1億くらいになるから無駄な設備でなければいいんだが。

・管理人件費増えすぎ問題。これは調査いるでしょう。

こんな感じで新たな疑問点等も出てまいりました。全てはこれらの内訳があれば良いも悪いも判断できますけどね。

結構めんどかったです。誰かかわいそうな私に日当を投げ銭してやってください。これのせいで麻雀に行けなかったんです。

おわり




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?