キッズドアから学ぶ決算書の読み方

はじめに

本記事は、なるべく決算書を初めて読む方でも分析方法を学べるように構成しております。よって、例外的な事柄や、専門用語はなるべく排して記載しますので、詳しい方には物足りないかもしれません。
またあえて表現を変えている場合もあるかもしれませんので、大目に見てやってください。応用すれば、就職・転職活動でも大いに役立ちます。

読めると何ができる?

決算書はあくまで決算時点の過去の数字です。これだけで全てを語ることはできませんが、まずは企業を知る上での基本となります。数字のみなので「定量面」の分析と呼ばれます。
本当に企業のことを知りたいなら「ビジネスモデル」や「経営者・従業員の能力、人柄」であったり「法人をとりまく外部環境」まで検証する必要があります。これらは「定性面」とよばれます。数値、性質を全てを勘案し、企業の今までやこれからを分析するのです。

※注意:金額の記載は通常、千円単位もしくは百万円単位です。そして百万円単位は金融機関では「M」とも記されます。ミリオンの略です。30Mなら3千万円ということです。100Mは1億円ですね。基本的にMで記載します。

決算書とは?

法人(企業)が年1回作成する会計の記録

企業は日々、色々な活動をしております。商品を売ったり、人件費を払ったり。これらをきちんと記録し、最終的には税務署へ提出、税金を納めるのです。毎年やっているので、いつのものか特定するために、2024/3期のような書き方をします。これは2023/4/1~2024/3/31までの1年分を指します。

どんな書類がある?

主に貸借対照表(B/S)、損益計算書(P/L)、勘定科目内訳(財産目録)、税務申告書別表等で構成されます。
B/Sはストック、過去からの資産負債の累積です。P/Lはフロー、一定期間にお金が流れた量です。1年分の売り上げとか利益ね。
科目内訳はB/Sに載っている各資産等の明細です。例えば預金なら合計30Mのうち○○銀行に20M、といった形ですね。
税務申告書別表は、税務の部分の修正が記された資料です。法人税の申告は「P/Lの利益×税率」ではなく、P/Lの利益を税務的に修正します。
要は、P/Lは本当に収支だけが記載されていますが、これは経費にしてもいい、これは本業に関係ないからダメだよ、と税金の申告上は判定し直すのです。
ですからP/Lは赤字なのに、税務上は黒字だから納税義務が発生するといった差異が発生します。会計と税務は別基準なんです。似てますけどね。
以下、重要な順に書類のサマリーを記載します。


【B/S】

決算時点で資産・負債・純資産が計上されている書類。これが一番重要です。何がわかるかというと、企業の健康状態、資金繰り(お金がうまく回っているか)が読み取れます。
また、前期対比で何が増えて何が減ったかを見ることで、「法人がその期に何をやったのか?」がわかることがあります。
例えば土地が50M増えて借入が40M増えて現金が10M減っていたら、借入と一部自己資金で土地を買ったんだな、ということがわかるのです。
よく決算書を見るときにP/Lだけみている人がいますが、P/Lは単なる1年分の成績。B/Sは創業当初から決算時点に至るまでの全ての資金の出入りの最終結果の記録です。
どちらが重要かは一目瞭然ですね。

【P/L】

1年間の成績表。キッズドアでは「活動計算書」のこと。上から順に、

売上・・・本業で稼いだ金額。持っていた事業用不動産の売却益等は含まれない。一般企業でないキッズドアでは「経常収益」というのが売上に当てはまりますので、読み替えてください。後半に出てくる経常利益等とは別物です。

販管費・・・販売管理費の略。人件費のような事業にかかる経費。代金支払いの振込手数料といったものや、法人用の保険もこちら。減価償却費のような非現金支出もある。キッズドアでは「経常費用」

営業利益・・・売上から販管費を引いた、本業の利益。ここが赤字だと事業としてうまく回っていない可能性が高い。一時的なら問題ない。キッズドアでは「当期経常増減額」

営業外損益・・・金利のような金融収支等。毎期発生するものを指す。事業不動産の売却のような一時的なものは含まれない。

経常利益・・・営業利益に営業外損益を加味した損益。要は、本業プラス副業、金融収支の結果。例えば営業利益が黒字なのに、金融収支である為替で大損したら、営業黒字ながら経常赤字といった現象が発生する。

特別損益・・・その期限りで発生する損益。事業不動産の売却益(損)は、ここに入ります。事業で使っていた機械が陳腐化して使えなくなって廃棄損失が出たときも固定資産除却損といった形で計上します。

税引前当期純利益・・・税金を払う前の最終利益。ここから納税分を差し引いた分が、「B/Sの純資産に加減算される」。つまり、B/SとP/Lはちゃんとつながっているのです。キッズドアでは「税引前当期正味財産増減額」。

これらを踏まえて、何を見る?

まずは3期分、手元に用意しよう

なぜ3期分かというとトレンドを見る必要があるからです。
点ではなく、数値は面で見るのです。3期分あれば科目別では推移がわかりますよね。これは線で見えるということです。なお、めんどいので本記事では全部はやりません笑
その上で、全体のバランスがどうなっているのかも見ます。これが面で見るということです。
何かを抜き出した単発の数値の意味は薄いのです。突発的かも大きいかも小さいかも、時系列と全体のサイズから比較しないとわからないのです。
100万円はあなたたちにとっては大金ですよね。でも上場企業からしたら、決算書は百万円単位で記すので、誤差の範囲くらいなのですよ。そういうことです。なるべく自分の感想を排して比率等でみます。

<決算書>
 https://kidsdoor.net/data/media/kidsdoor/page/about/outline/statement2023.pdf   ←2023が直近2024/3期。URLの最後の数字を2022にすればその前、2021で更に前のが見れます。

何から見たらいい?【B/S ⇒ P/Lで見る!】


まずは直近B/Sから見ます。過去の数字ほど重要度は下がるので、直近からです。私の順番は、

①純資産


NPOのB/Sでは、正味財産合計という部分。317Mありますね、これは今までに貯めた真水の資産がこれだけありますよ、ということです。資産は現金だけとは限りません。不動産等のほかの資産も含みます。
たまたま当期の増減額も親切に書いてあり、いくらこの1年で増えたかわかりますね。よく聞くと思うんですが、自己資本ってヤツです。総資産額に対していくら純資産があるかの比率が自己資本比率
会社全体の資産のうち、何%完全に自社のものと言えるかの指標です。これが低いと負債が多いと言う結論になります。(倒産可能性があがる)
なお、業種により平均にばらつきがある数値なので、サービス業全体の平均と比較しましょう。(NPO全体との比較もいいかも)
キッズドアは317M/779M×100=40(%)です。ぱっとググった限りでは45%が平均なので、まあ普通です。
純資産が多すぎるわけでも少なすぎるわけでもない。なお古いデータかもですが、NPOのうち6割は自己資本比率50%以上らしいので、もしかしたらキッズドアは少し低目かもしれません。

②次はB/Sの科目の中でもっとも値が大きいものと、それに見合うものをみる


値が大きいものはその会社の中身を大きく占めているもの、つまり比率が高いということ。
見合うというのは、簿記の性質上、何かが増える(減る)ということは原因となる科目がある、ということです。しかも1科目とは限りません。

例)資産の部で現金が50M増えた、なんで増えた?⇒借入金が30M増えて純資産も20M増えている。これが要因だ。

数字に色はありません。このように、何に見合うかを見つけ出して、それが事業を行う上でおかしなものではないか?を検証するのです。
資産合計が779Mあり、そのうち大半が流動資産607Mです。これは現金や在庫のように、1年以内にコロコロ増減する資産を指します。
流動資産の中身をさらに見てみましょう。

うん、わかりやすいくらい現金預金が454M貯まっていますね。
しかも未収金97Mは内訳見るとほとんどが東京都からの学習支援の委託費でまだ受け取っていないだけのもの。そのうち現金預金に加算され、この時点の未収金勘定はほぼ消えます。たぶん翌月とかそれくらいです。
だからこの時点では大変な金余りの法人です。総資産779Mのうち70%も占めるのは現金551Mですからね。

問題は、ここから。なんでこんなに現金を持っている?今までの貯金(純資産)は317Mしかないぞ。ということは、純資産ではない何かでこの現金をカバーしているのです。負債の部を見てみましょう。
はい、簡単に見つかりましたね笑 そう、前受金の341Mです。

ということは、現預金+未収金551Mは、事業で貯めてきた純資産317M+前受金341Mの658Mでカバーしているということです。差額はほぼ有形固定資産(事業用不動産、オフィスとか)である87Mで見合います。

このように、資産に見合う負債もしくは純資産はなんなのか?というのを検証するのがB/Sの分析です。キッズドアはわかりやすくて教材としてはいいですね。
「でも、前受金て負債だろ!?借金か!?」と思う人、いい着眼点です。一般企業でよく発生している前受金はその可能性があります。
商品を売る契約をしたが、金だけ先にもらって、まだ商品を引き渡していない場合なんかに発生していることがあります。
名前のとおり「何かの対価に先にもらった現金」ですから。よって、何の対価か?を見る必要があります。これは科目内訳(財産目録)を見ないとわかりません。

はい、前受金はぜーんぶ来期分の助成金です笑。来期に売上に計上され、純資産に加算されます。

しいて言うなら、本来であれば助成金は資金使途(使う目的)を明確にして、必要十分額を公平に入札等で得たほうがいい気がする(詳しくないし興味もない)ので、翌期分を前払いで341Mもくれるなんて、気前のいい相手先だなあと思うのです。

B/S分析の結論は、キッズドアは純資産は平均的(貯めすぎではない)とそれなりにあるので、すぐに破産するような法人でもない。処分が難しい固定資産も少ないので、身軽な法人だ。
更に、良いかどうかはおいといて来年の運転資金も前受金でもらっているので、資金繰りも困らない(助成金が後払いだと、手許資金がないと事業ができない)ということで、一般営利企業であれば「財務内容良好」と言えます笑

問題は、これを踏まえて、この大量の助成金は何に使うのか?を検証するということなのです。
数字を分解しましたが、ここからは定性面も含めた話です。私の友人が、「キッズドアは中間助成団体としての活動を2023/3期に始めた」と教えてくれました。
https://kidsdoor.net/data/media/kidsdoor/page/about/outline/annual2022.pdf  ※重いので注意。最新分リリースはもう少し先か?

もしかして、中間助成に使うのか?支払う金ならP/Lに経費として計上されるはずです、前期から助成しているなら、直近決算にも反映されているはずだ。次はP/Lも分析してみましょう。

この1年の収支はどうだ? P/L編

P/Lで重視すべきは、結局その法人は、きちんと本業で現金を獲得できているか?という点です。業界では「キャッシュフロー」と呼ばれます。通称CF。
どれだけ純資産が厚くても、黒字でも、現金が減り続けると倒産します。
なぜって、取引先や従業員に払わないといけないお金=債務を払えないと、「債権者による破産申立」、要は相手から訴えられて強制的に破産させられ、持っている資産が全て処分されるからです。

現金の確保は法人の至上命題です。どれだけ表面赤字でも、CFさえあればとりあえず倒産はしませんから。だからNPOと言えど、現金の獲得ができないと、ダメなのです。
これを批判するのであれば、そのNPOがやっている事業が国にとって意義がない、もしくは著しく非効率(高額な人件費等)であることを証明しなくてはなりません。骨が折れますね。

ちなみに利益と現金の獲得は必ずしもマッチしません。あくまで現金(CF)が獲得できているか、持続性はあるか、が論点です。
借入で現金を獲得しても、無限に借り続けられるわけではないので、いつか終わりがきますよね。一時的なら問題ないですが。

それではキッズドアのP/Lを分析しましょう。

思ったよりまじめに内訳書いてあるんですよね。一般企業でいう、売上は最後の「経常収益計1,372M」です。こんな事業で 約14億も年間の売上があるんです。
意外でした。ちなみに売上1億円超のNPOは全体の7%らしいです。かなり上位ですかね。
この中で、商売としての売上に該当するのは4.事業収益488Mです。構成比で言えば35%です。一番大きいのは3.助成金582Mで42%もあります。
つまり、収益構造で言えば、事業の売上と助成金で総売上の77%を占めると言うことです。
ちなみに前期は事業収益は467Mでほぼ同じ。前期助成金は94Mでしたから488Mも爆増してます。事業の売上と同額分、爆増ってどういうこっちゃ。

もしこの助成金が怪しい!と思われるなら、どこの助成団体かといった内訳だけでなく、何の目的なら使っていい助成金なのかを全部検証する必要があります。ええ、めんどいです。これは暇な人たちで勝手に調べてください笑

とりあえず、キッズドアがどうやってお金を得ているかはわかりましたね。これを国や基金から受け取れる意義は別の話です。意義がないなら、助成は打ち切られるべきであり、倒産まっしぐらでしょう。

なお委託事業は塾であり、これに関してだけは、貧しい家庭の子たちが進学できる一助をある程度は担っていると、私個人は判断しました。そこについて批判されるなら、ちゃんと費用対効果を進学人口と世帯年収の相関データまで読んで、批判してくださいね。

データを出してくださったら私は過ちを認めますよ。自分で調べる気はないです、そもそも福祉なんか興味ないので笑

次に、経費の構成について読み取ります。基本的には売上ー経費=利益という当たり前の構造なので、売上より経費が少なければ黒字です。
なお、助成金等の資金使途は、まさにこの経費の部分です。目的外費消されていないか、ここをみます。

経常費用計が、いわゆる販管費です。あれ、1,299Mも使ってる。一応、営業利益に相当する当期経常増減額は黒字72Mだが・・・
何に一番使われているか、見てみましょう。費用構成は、

1.事業費・・・要は、塾とかの事業の経費です。一般従業員の給料もこちらです。

2.管理費・・・人事部のような事業セクションでないところの経費です。ここも人件費がありますね。

3.その他経費・・・文字通りです。内訳がないと、本当に何かわかりません。

事業費だけで1,299Mの総経費の内、1,125Mも占めています。ということはほぼ本業の経費と言えますね。本部の人件費84Mも足したら86%は事業系の経費です。この中で一番大きなものは?はい、人件費516M+84Mで600Mです。

「こんなNPOに人件費を600Mも払っている!公金チューチューだ!!」
・・・ホントにぃ?笑 何人働いてて平均年収いくらなの?業界平均と比べて経費率はどうなの?高すぎるの?えっ、みてないの!?

https://www.janpia.or.jp/koubo/2022/download/syorui/normal/1001/syorui22_1001_6.pdf

少し古いですが役員22名、正社員96名、非常勤(給与あり)166名ですって。非常勤の度合いがどれくらい非常勤かわかりませんので、控えめに1/3くらいで正社員換算して単純計算しますね。
なお、Yahooの記事で身内(理事関係者)に対する給与の内訳が非公開だと批判がありました。・・・34万円ですって。年間。
決算書の中の「財務諸表の注記」という資料に記載ありますが。
あと、そこに役員22人に払っている報酬の内訳もありました。810万ですって。22人で。私1人の年収より全然下ですね。

本題の人件費平均に戻りましょう。

うわあ!一人当たり、年350万もらってやがる!
カンボジアとかなら高給取りだぞ、みんな、許せねえよなぁ!!(よーしらんけど)

はい、これだけで結論が出てしまいました。1人あたりは高くない、むしろ社会全体の平均より低い給料です。
一応業界平均とも経費率を比べてみますか。経費のうち、人件費は46%です。キッズドアはもろにサービス業、人により支えられている法人です。
ほかのサービス業の人件費率を、皆様がその手に持っている目の前の機械で調べてみてください。
平均くらいっすよね。なんか問題があるならご教示ください。

まぁ騒いでる人の中には、この給料すら文句言う人もおられるかもしれませんね。私はその3倍以上貰ってますから、そんなことはないと思いますが。
給料ゼロで働ける人は、ほぼ存在しませんよね?金持ちなんか貧しい家庭に興味がないことがほとんどなんですから、有償で人を集める以外は無理でしょう。

しかもですね。この人件費は本業の事業収入488Mでほとんど賄えているんですよね。
そらサービスを受ける相手からほとんどお金がもらえない中で、国等から塾代をなんとかもらって、それで経費の中で割合が大きい人件費を80%もカバーしてるんですから、たいしたもんですわ。
これで塾の進学率が悪いとクソですけど、そもそも貧しい家の子が普通以上の家庭の子より賢い確率は低いです。余裕がないんですから。
そんな子が国立医学部とかに合格してるのを否定するなら、自力で国立医学部医学科に合格してみてください、ほとんどの人はそもそも地方国立の一般学部すら卒業してないでしょ。高卒&私立大卒の方が世の中多いのよ。

わけわかんねーこと言ってねえで、働け笑

最後の謎・支払助成金と業務委託費

P/Lの事業費のところに業務委託費102Mと支払助成金238Mがありますね。合計340Mもあるので、むしろ騒ぐならここを確認してからでしょう。
私の友人の指摘どおり、確かに助成金をどこかに支払っています。また、業務委託費は本業の手が回らず外注しているものですから、どこかのNPOに手伝わせてるんですかね。
これは内訳がないので、後述のとおり本当に疑義が残る箇所です。掘るならここなんですよ。ここを開示請求するなりして妥当か確認してください。私は興味がないのでここまでですが。

なぜ批判するなら掘る必要があるかというと、何度も申し上げた助成金の使途として正しいか、外注先を使ってチューチューしてないか、です。これって内訳ないと批判も肯定もできなくないですか?
「うるさい!NPOはあやしいんだぁぁぁぁぁ!」ってなってるならご自分でここを調べてどうぞ。

君たちのキッズドアに関する予想は全部外れてるけど、大丈夫ですか。
いい大人ならきちんと根拠を持って批判するなり賛同するなりしてください。

公金チューチューはされているか?

公金チューチューをきちんと定義する必要がありますが、概ね皆様は以下のことが言いたいのでしょう。
【公金を使って、団体関係者が私利私欲を満たしてる】
その条件を元に、遵法・違法問わず以下のような方法がございます。
前提として、NPOは配当や、会社清算による分配が禁止されております。
どういうことかというと、よく株主配当ってありますよね?あれは、会社の純資産から株主にお金を分けてあげますよ、というもの。
NPOはできません。というか、株にあたる「持分」が存在しないのでそもそも分配される相手がおりません笑
あと、会社は純資産が黒字の状態で経営を辞めて解散すると、株式会社等であればあまった資産(純資産程度)を権利者に分配できます。
先述のとおり、持分はないのでもちろん分配などできません笑

それでは物理的にチューチューする方法を記載します。

①理事報酬でがっぽり!

個人にお金を渡すには、報酬(給料)を上げるしかありません。もしくはフェイクのために子供や配偶者を役員等にもぐりこませ、その人たちに払うと。
キッズドア、それやってましたっけ~?前の項目を読み返してね。
某子ども系の団体は確か一人で30Mくらいとってるヤツがいたはずなので、そいつはどうでしょう?皆様のご判断にお任せします。

②退職金でがっぽり!

給料で取れない以上は、辞めるときの退職金でいっぱいとったらいいのでは?確かにそのとおりです。ただ、退職金は基礎報酬額(退職直前の理事報酬)×勤続年数で支給されることがほとんどです。
やめる数年前に報酬を上げ始めたら、それも可能性はあります。ただ、現時点やってないし今は報酬激安(代表は120万/年しかない)なんだから、このままだとたいした金額はとれませんよ。

③経費の私的利用や横領!

寄付を現金で受け取って会社の口座に入金せずにポッケないないしたり、雑費で処理して自分の私物を購入したり。現金寄付だと正直本人以外わからないです。
また私物の購入も、少額なら正直わかりません。でもB/Sに変な勘定科目はいまのところないです。よくあるのは自分が乗る車を会社名義で買ったりとかですが、ここ車持ってないですもん笑
こんなの外からじゃ誰も証明できません。少なくとも決算書に歪な点はない。(不明瞭はある)

④会社を畳むときにヨソに金を流す!

NPOは会社清算をするときに、個人にはお金を流せないと説明しましたね。
他のNPOや、国には流せるんですよ。事前に定めておけば。だからこの法人を清算するときにどこにお金が流れるか?それは見ておかないといけません。おそらく、会社の定款(事業に関する決め事)に書いてあるはずなので、気になる人はそこを開示して見てください。
変なNPOに流れるように仕組まれてたら精査が必要です。

はい、現時点で公金チューチューしてますか?してませんね。だってお金余ってて法人に滞留してるんですから。
今の時点で断定するのは単なる名誉毀損になりませんか?だって、みなさん上記を調べてないんでしょ?誰にもわかんないでしょ。
疑惑については以上です。将来は知りませんよ、決算という数値に、不明瞭な箇所はあっても異常がないので、直近決算時点ではまだやってないでしょう。

とはいえ代表理事の発言がおかしい!

これはね。私も納得できない発言が多いなと感じております。
いわゆる定性面の評価で、経営者として資質はどうかと聞かれると、
「不用意で知識不足。炎上しないように配慮して、正確な発言ができなかった」という点で、私個人はお取引はしたくないです。余計なレピュテーション(評判)リスクを抱えているからです。
だって、この決算内容を正確に理解してたら疑念なんて一掃できるでしょ。なんで自分で釈明しない?「公金チューチューしてません」しか言えないのは、財務会計を理解していないからです。数値をもって説明できないのです。
経営者なら把握しないといけません。

また、夏休みの宅配に関する発言も要領を得ない。20万円足りません!いや、法人でキャッシュをアホほど持ってるんやから、払えよ笑 と言われてもしょうがないです。
お涙頂戴なのかなんなのかわかりませんが、さすがにそれはどうでしょうね。1家庭8,000円?かなんかの内訳や食料をどうやって調達、配送しているか答えればいいじゃないですか。

結構勘違いしてるのが、寄付2億で人件費6億かけて食料送るなんて、無駄遣いだ!って人。
人件費は全事業の合計ですよ?食料配達はサブクエなんで、そこにそんな人員割いてるわけないでしょ。
事業ポートフォリオ(種類別の内訳)も、決算書の財務諸表の注記ってページに記載ありますから見てください。
2022/3期はハッキリと塾事業で人件費の6割を使っているのが書いてあります。
翌期から塾事業の名前が「こども支援」に変わっててもしかしたら食料支援もここに含まれてるかもしれません。
では、「売上高対人件費率」で検証します。
これは名前の通り、売上に対して人件費はいくらなのか?という指標です。ハッキリ注記表で塾と判明している2022/3期から見ましょう。
請負事業収益412Mに対して塾人件費は282M。68%ですね。
2023/3期から塾とは書いてなくてこども支援に名前変わってますが、構成比率的にほぼ塾と仮定。
2023年度は請負事業収益466Mに対して、こども支援人件費342Mの73%です。少し経費率が悪化しましたが、事業収益に関係ない食品配送等の新しい事業を含んだからかもしれません。
2024年度は請負事業収益488Mに対して、こども支援人件費374M。76%です。サブクエ増加もしくは従業員の給与アップとか色々要因はあるかな?

ここから何が見えますか?確定で塾の人件費と言える2022年の人件費率は68%でしたね。
仮に今もそうだとしましょう。そうすると2024年度の塾人件費は、最低でも488Mの収益に対して68%の331Mです。
こども支援人件費総額は374Mですから、
374M-331M=43Mです。

もうね、Yahooの記事も絶句ですわ。
人件費6億もあるなら食料支援に回せるのでは、って。書いてる人さすがに反省した方が良いですよ。10倍以上の水増し記載です。塾事業で収益上げて、それで食品配達の人件費カバーできてるんだが?


慈善事業と称されるもので公金を受け取っているなら、その内容が変であれば叩かれるだけ。おかしくなければ堂々とすればよろしい。
美酢が多いのも、あれが何らかのつながりであえて買っていれば利益供与を疑われるし、寄付されたものなら文句言われる筋合いはない。

こうやって数字で説明しなさいよ。キッズドア側も全体的に発言が拙すぎるのです。思いつきで感情論でしゃべってんのか?というレベルです。
これで炎上して法人の評判下げたら、安い給料で働いてる従業員がさすがに可哀想ですわ。

あ、寄付を活用した寄付企業の節税スキームの疑惑は今度晴らします。あれも会計と税務の基礎がわかってたら絶対にそんな意見にならない。
ちょっとバカバカしくてあまりもう触れたくはないんですけど。すぐ晒されるし。
俺なんもおかしいこと言ってないじゃん。フラットに数字と会計ルールに則って解説しただけだよ。

投げ銭を設定しましたが、応援してくださる方から要望があったからです。
私自体は高給取りで質を重要視しているので、こんな駄文でお金をもらえるとはおもってないです。

でも既に投げてくださった方、ありがとうございます。びっくりしました。

そういえば、みなさまはこの文章中の最大の矛盾、気づいてますか?

麻雀をする人ならわかりますよね。そう、私の名前です笑





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