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英語力ゼロが国際演劇祭のボランティアに参加することの紆余曲折②

2・ボランティア募集に応募しようとしたはいいけれど
  報告会に参加してみる   
  友人のスキルの高さに感心する

【報告会に参加してみる】
シビウのボランティアでは、毎年秋(冬?)に報告会というものが催されており、その年ボランティアに参加した方々が、どういった仕事をし何を得たかなどを報告している
とにかく、シビウ国際演劇祭のことを何一つ知らない私は、とりあえずこの2019年の報告会に参加してみることにした

ここで簡単に、ボランティアの主な役割を記載してみる
(※以下、資料より私が認識した内容であり、実際とは違う可能性がありますので、なぁ~んとなくで見て下さい…)
▪カンパニー・アテンド
何人かでチームを組み、日本からの劇団や、その他の国の劇団のアテンド
最も雑多な仕事をする印象
劇団の移動や食事の手配やスケジュール把握、出迎え見送りに通訳、大道具準備や舞台の掃除など、日本の劇団でいうところの制作と当日運営スタッフの仕事ごっちゃまぜといった感じ
▪映像撮影
現地スタッフと共に、上演される様々なプログラムの撮影
▪日本人ゲスト・アテンド
日本からのゲストのアテンド
イメージとしてはコンシェルジュといった感じかと
▪コーディネーター・アテンド
その名の通りコーディネーターの補助として様々な対応やトラブル処理などをするので、初めてのボランティアスタッフが割り振られることは少ないかと思われる
▪会場責任者アシスタント・裏方サポート
仕込みや、バラシ、照明や音響の手伝いなど、日本でいうところの舞台監督助手、照明助手、音響助手といったところか
▪「アーカイブ・プロジェクト」のための写真撮影
ボランティアメンバーの活動や、シビウ国際演劇祭の紹介をするための写真撮影

普段、公演の際に仕込みやバラシを手伝ったり、当日運営のお手伝いをしている私としては、現地の仕事が不安というよりは、やはりとにかく語学が不安だった
報告会に参加されていたボランティアの方々は、当然皆さん言語に不安などない方々ばかり
真由美さんにのせられて(笑)参加してみようと思ったはいいけれど、やはり無謀なのだろうかとも思った
参加者の中のお一人が、自分は英語が全然できなくて、周りに助けてもらいながらなんとかなりましたというようなことを仰っていた
カンパニー・アテンドなどは、基本的に2人で組むので、語学に自信がなくても一人でどうにかしなければならないわけではない、と
報告会に参加してみて、ボランティアへの参加を辞めようとは思わなかったが、この先への不安が生まれたのだった…

【友人のスキルの高さに感心する】
さて、ボランティアに参加するためには、まずエントリーシートの提出と、面接を受けなければならない
さぁ、ここからがまた苦難の連続となるのだ

私は脱サラして役者になった
なので、超ド氷河期の就職活動もしているし、役者になってからはオーディションのためにかなりの数のエントリーシートを書いてきた
なので、エントリーシートの内容が難しいのではなく、とにもかくにも、しつこいようだが言語の壁が問題なのだ

そもそものスタートとして、募集要項から書き方の手引きに至るまで、全ては当然英語で書かれている
なので、それを訳すところから始まるわけで
もちろん満を持して「Google翻訳」様の出番なわけだ・苦笑
コピペコピペで訳していき、大体の把握をする
英語に関わることと、ほとんど関わってこなかった人間としては、住所を書くことすらいちいち調べなければならない
日本と並びが逆なことは知っていたが、どこまでひっくり返したらいいのか…電話番号も、+81(国際電話の国番号)てなんだよ!と
仕事にしても、アルバイトやパートはなんて書くんだよ!と
個人の英語のレベルを判断するPersonal skill も、ヨーロッパレベルとあるが、何なんだ?ヨーロッパレベルって?やれA1だB2だ何だと書き込まなければならないが、おいっ!そもそもこれは自己判断でいいのか?そんなもんなのか?と(※参考に→CEFRCEFR(セファール)とは?6段階のレベルを徹底解説! | 4skills (fourskills.jp)
全てがわからないことだらけ!
エントリーシートに書き込む志望動機だったり、ボランティア活動についてや演劇の役割など、そういう項目は、日本においてもお決まりに聞かれるパターンなので理解できたが、あまり馴染みがなかったのが「Social skill and competences」「Organizational skill and competences」など。社会的能力や適性、組織的能力や適性と聞かれても、いったい何を書けばよいのやら…
どちらも、要は、今までの経験や実績などを含めて、自分が社会や組織でどう活躍できるかといったところをアピールする項目なのだが、はっきり言って、こういう項目はとても苦手である。なぜなら良くも悪くも「日本人らしさ」が最も顕著に表れる項目だからだ

そのことを書く前に…
今回、私は最終的に英語がべらぼうに堪能な役者仲間に、添削と相談をお願いした
ネットの翻訳サイトを駆使しながら、おかしなところは自分で修正しながら、自分のエントリーシートを英語に訳してはみたが、当然ながら、これが正しいのかどうか判断できない
相談した友人からは、日本語で書いたシートも一緒に見せてほしいと言われた
直訳すれば同じような内容であっても、そこにどういったニュアンスが含まれているかで、訳し方は変わるからだと
言われてみればそうである。日本語であっても、同じことを伝えたくても、その言い回し、語尾のつけ方、雰囲気は、言葉選びによってまったく印象が変わってくるのだから
彼女は凄かった!私の日本語の方にも添削を入れてくれたのだが、その的確さたるや!!!
彼女は、良くも悪くも「日本人らしさ」の文章についても指摘してくれたのだ

日本人はというか、私は、どうしても自分がやってきたことなどに対して、謙虚になってしまう
謙虚というと聞こえは良いが、要は、偉そうに見られたくない、自慢しているように思われたくない、自分のレベルなんかで出来るというのはおこがましい…などの、自信のなさが原因だ
けれど、そんなことは関係ないと。できることは「できる!!!」と言い切ってしまうのが大事なのだと言われ、ハッとした

ちょっと話が逸れるが、ドラマ「ドラゴン桜」で英語教師が、生徒に語っていた内容で、日本人に英語を話せるか?と聞くと、皆「話せない」とか「ちょっとだけ」とか自信のない回答をする。けれど、外国人に日本語を話せるか?と聞くと、話せるよ!「FUJIYAMA!」「GEISYA!」と自信をもって答えると
確かに、そういう自信は大事だし、見ていても気分がいいなと感じた

人様の協力を得ながらではありますが、なんとかエントリーシートが出来上がった!
長かった!!!苦笑

その後、面接があるのだが、こちらは何人かのグループ面接で、和気あいあいといった感じで、楽しかった
面接を英語で行わなければならないかと思って、事前に英語で志望動機などを作成していっていたが(もしもの時は開き直って読もうと思っていた・苦笑)、今回はそんなことはなかった。英語で面接した年もあったらしいので、私的には助かりました・笑

それから数日後、2020年のボランティアスタッフに入れたと連絡が来た時は、本当に本当にうれしかった!

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