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若い客人来る

3月29日の夜、ちょっと遅めの夕寝をしようと横になってすぐ、珍しくケータイの呼び出し音が鳴った。
昨年、突然メールで「会いたい」と言ってきた東大の大学院生(だいぶ前に一緒に散歩していた近所の犬と同じ名前)だった。
近況報告などを2時間も会話した最後に、博士課程も修了し、もうすぐ実家に戻ってぶどう農園の手伝いをするので、その前にまた会えないかという。

いつ頃? と訊くと、4月1日はどうかという。エイプリルフールじゃないだろな。
まあ、いいよ、と返事した。

電話の後、ネットで調べて、13時21分下小代着というルートを提案したら、「それではその時間に下小代駅でお目にかかりたいと思います」という返事が来た。
その後、何度かメールを送ったのだが返信がない。
当日になっても返信がない。
SMSで「もう電車乗っているよね? ランチの予約してあるから飯は食ってこないように」という内容を送ったのだが、それにも返信がない。
ほんとにエイプリルフールじゃないだろな。それとも何かあったのかな。死んじゃったとか……と不安を感じつつ下小代へ。
青年は改札口(といっても無人駅)の前で待っていた。
あの電話の後、急に旅行に出たくなり、翌日会津若松に新幹線で向かったのだが、その車内にスマホを落としてしまい、連絡不能状態のまま会津若松入りしたとのこと。
だから今日も東京方面からではなく、逆方向から来たので、駅でだいぶ時間を潰していたらしい。
幸い、スマホは盛岡駅で回収されていて、自宅に送ってもらえるようになったという。
というわけで、無事合流できて、夕方まで近所を案内したり、話をしたりしていた。

青年はロシア文学を専攻しているので、今のロシア情勢のことなども少し話した。
例えば、

↑ウクライナ正教が今のウクライナ政府から迫害を受けている、という意味を理解できる日本国民は1%もいないんじゃないかなあ。
爺は昨年末から年初にかけて「クレムナの予言」を読み、セルビアから見たヨーロッパの近現代史をちょっと囓ったので理解はできる。
2014年のマイダンクーデター以降、今のウクライナ政権が完全な「戦争ツール」として利用され、ネオナチがロシア系自国民を虐殺してきたという事実。その政権に日本の首相が勝手に大金を供与すると約束しに出かけていくというトンデモぶり。

青年とはそうした話題でも話がかみ合う。
彼は、ヨーロッパでの○○正教については「原罪などを強く言うこともない穏やかなキリスト教」と好感を持っているようだった。
時の政権から何度も迫害を受けてきた歴史を持つ人たちだけに、信仰心も強いのだろう。
映像で見たドンバスの農民たちの澄んだ眼と優しさと強さを合わせ持った表情を思い出す。
タラビッチの人生を紐解いて、セルビア正教の雰囲気も少しは伝わってきたところだったので、「信仰心が強いけれど穏やかで平和志向」というのはよく分かる気がする。
ジョコビッチの根性と強さは別格だという話でもぷちっと盛り上がったりした。

世代や学歴に関係なく、今の世界のことをしっかり把握している人は本当に少ない。

彼がこれから送る人生は厳しいものになるだろうが、うまく生き残ってほしい。
爺はどのへんまで見届けられることか……。


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こんなご時世ですが、残りの人生、やれる限り何か意味のあることを残したいと思って執筆・創作活動を続けています。応援していただければこの上ない喜びです。