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架空狛犬図鑑(1)鎌倉時代末期・寺男の丈吉

丈吉(1255-1306):
建長乙卯(1255)年、江州野洲(現在の滋賀県野洲市三上あたり)に寺男をしていた父親と近所の農家の娘との間に生まれる。
寺に引き取られ、父親の仕事を手伝い、父親の死後はそのまま寺男として働く。
近くに御上神社があり、その宮司にも可愛がられた。
子どもの頃から画才を見出され、丸太に鉈で熊や牛などの像を彫って遊んでいた。
大人になってから狛犬の存在を知ってからは、もっぱら自分流の狛犬を彫っていた。
生涯で十数対の狛犬を彫ったが、どれ一つとして現存してはいない。
丈吉の狛犬における最大の特徴は、子獅子を付随させ、親子の愛情を描こうとしたことだったが、当時そのようなものは他に存在せず、邪道と見なされ、まったく相手にされなかった。

阿像 子獅子を伴った狛犬はこの時代には丈吉作品以外皆無である
吽像 平安時代に確立した獅子・狛犬の形式を踏襲し、吽像には角がある


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