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東京乾電池~ラーメンズ~空気階段

21年前のラーメンズ

助手さんが昔の「笑点」を録画していた。2000年6月の回だとのことで、司会は先代の円楽。歌丸さんは解答者席にいる。
演芸コーナーはラーメンズ。ラーメンズがテレビに出ていたのは20年も前だったのか。
20年前にこういう知的なネタをしていたのは彼らだけだった。
他にバナナマンやおぎやはぎが異色コンビなどと言われていた。バカリズム(升野英知)とラーメンズ小林賢太郎は一緒に本を出していたりした

ラーメンズとバナナマン、おぎやはぎが合同でビデオ番組を作ったりもしていた。

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↑これ、邪魔だから売ってしまいたいけれど、DVDならまだしも、VHSでは売れないだろうな。でも、コレクター商品だと思えばVHSのほうが価値がある? そんなに暇じゃないか、今の世の中。
20年前、ラーメンズの才能と実力は傑出していた。知的な笑いという世界を築き上げていった功績は大きい。
ラーメンズがテレビに出始めた頃、テレビライフのミニコラム「ちゃんと見てるよ」で誉めたら、事務所からコンタクトがあって、単独ライブのチケットを送りますので住所を教えてください、と言ってきたことがある。ありがたかったが、ちょうど越後に滞在中だったので、泣く泣く行けず、他のかたに回してくださいとお断りしたのだが、その返信メールの中で、「ラーメンズの才能をバカなテレビ業界の中でつぶさないよう、大切に育ててくださいね」とお願いしたのだった。

ラーメンズはそれからしばらくしてテレビに出なくなった。それだけならいいのだが、自然解散のような形になって、小林賢太郎はソロ活動や、片桐仁以外の人たちを率いた劇団のような活動をするようになった。
そうなってからは、急激に面白くなくなっていったように思う。テレビから離れたのにつまらなくなっていくというのは、なんという皮肉だろう。
片桐仁が一人でテレビに出ているのを時々見るが、ほんとに寂しい。片桐仁は小林賢太郎と組んでこそあれだけ面白かったのだなあ。

同じことを東京乾電池にも感じたことがある。ジアンジアンで公演していた70年代、柄本明とベンガルの掛け合いは世界一面白いと思っていた。でも、テレビに出るようになって、バラバラになっていくと、いちばん輝きを失ったのがベンガルだった。
舞台ではつまらなかった高田純次がいちばん売れていき……それはそれでいいけれど、あの面白いベンガルはどこへ行った?
テレビは魔物だなと思う。

今は空気階段かな

今は力のある若手がいっぱいいて楽しい。
シソンヌ、やさしいズ、てんしとあくま、ハナコ、空気階段、蛙亭、ザ・マミィ、Aマッソ……。
てんしとあくまは川口くんが急死してしまい、消滅。ほんとに悲しい。これからというときだったのに。

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↑いい感じのツッコミだった川口敦典くんが2020年に急死。残念でならない。

やさしいズとザ・マミィはこのところちょっと足踏み状態か。
Aマッソは加納がバカなことを口走って叩かれ(ほんとにバカ!)、消えるかと思ったが、このところ復活してきた。しかも、前より一皮剥けたというか、成長したのが窺える。あの事件は薬になったのだろう。
ラランドは上智大学の遠い後輩にあたるが、やっぱり西田がなあ……。同じような男女コンビでも、蛙亭のほうが中野がしっかりしている分、将来性があるし、何が起きるか分からない魅力がある。岩倉が注目されがちだが、中野の瞬発力というか、持っている天性の才能が凄い。

そんな中で、ひたすら努力を続けていて好感が持てるのが空気階段。水川かたまりが今後どう才能を伸ばしていくのか楽しみだし、鈴木もぐらは見た目よりはるかに真面目でまともで、演技力も、同じ系列に見られる岡野陽一や酒井貴士らより、頭一つ抜け出している感じ。痩せるとかなり男前になると思うし、10年後どうなっているか楽しみ。

その空気階段が「あちこちオードリー」に出ていた。もぐらが萩生田文科大臣から名刺をもらったときに「あっ、これ、歌舞伎町で見せたらなんかタダで遊べるっていう感じですか?」とツッコんだという話をしていて、後で検索したら、以前、ラジオでもっと詳しく話していたことが分かった。

かたまり でも、すごいな。お前のその、偉い人、権力を持っている人の懐に飛び込むスピードというか。その感覚……なかなかさ、大臣に名刺を渡されて「これで歌舞伎町でタダで遊べるっていうことですよね?」みたいな切り返しはできないなと思って。それでもしさ、この先、俺らがめちゃくちゃ売れて。桜を見る会みたいなのとかに呼ばれたりとかした時も、お前はすごい活躍すると思うよ。本当に。
もぐら いやー、でもあれは行かない方がいいだろう?
かたまり フハハハハハハハハッ!
もぐら 桜を見る会はよ……あれは、欠席だよ(笑)。
(単独ライブの告知を挟んで)
もぐら まあ、だから単独ライブは我々の活動の中心ですよね。核です。本当にここをやるために、単独をやるためにどう頑張ればいいのか?っていうところですから。
かたまり もう本当にここ(単独ライブの場)を破壊されたら空気階段は死にます。やめます。
もぐら だから、もう大臣にネタを見せたのも、ここで単独をやるためです!
かたまり 本当にそう。
もぐら もうね、吉本と国が一緒になって何をやっているのか知りませんけども(笑)。
かたまり フハハハハハハハハッ!
もぐら なんかね、わからないですよ。そんなのは。ただ、我々ができることというか。我々も大人ですから。それはもう手段を選ばない。どうすれば単独ライブを一番できるのか? それは大人に逆らわないこと。そして、萩生田大臣にネタを見せることっていう結論に至り、我々もやったわけです(笑)。

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もぐらが、なんと男前なことよ。空気階段がますます好きになった。

Netflixが受け皿になってほしい

優秀な才能を持つ芸人たちが、今後、事務所のやり方に耐えられず、どうしても辛くなったとき、いつ事務所を辞めてもしっかりネタをやり続けられる場所、受け皿がほしい。それこそテレビ局とのしがらみがないNetflixあたりがそういう場所を用意してくれればいいのだが。

芸人が自分たちがいいと思える芸を披露できる場があって、それを我々が自由に選べるシステムさえあれば、国や電通とつるみたがる芸能事務所はいらない。あとはもう、ラランドやさらば青春の光みたいな個人事務所でいいではないか。
音楽業界もそうあってほしい。

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こんなご時世ですが、残りの人生、やれる限り何か意味のあることを残したいと思って執筆・創作活動を続けています。応援していただければこの上ない喜びです。