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オレンジジュースの終焉 ー失われた果樹園ー

 現在、世界的にオレンジの不作が続いているようで今やオレンジジュースは高級品になってるようです。なぜそのような事態になっているのか。少し紐解いてみたいと思います。

 そもそものきっかけは一大産地の輸入1位ブラジルで大雨の為に大不作で価格も高騰。2位のメキシコでも高温で大不作、3位のアメリカではハリケーンでとどの国も不作のようです。

 財務省の貿易統計によると、3月の輸入オレンジ果汁の価格は昨年同月比69%上昇した1リットル620円で、この5年で2倍になっています。円安の影響とコロナ禍の落ち着きで業務需要が高まったことも価格高騰の一因になっています。

 輸入果汁不足が深刻化する中で日本産果汁を積極的に利用しようという動きも出てきているようで、JA全農子会社の協同乳業は国産果汁を使った飲料「農協果汁」を14年ぶりに復活させて4月から販売していると同メディアは付け加えました。
 
 各小売り店でもオレンジジュースは品切れ気味じゃないでしょうか?例えばセブンイレブンではオレンジ+みかんジュースに変更したりして、国産ミカンの活用をはかってるようです。ところが日本のみかん農家も高齢化で対応が出来ない状況が続いているようで・・・。

人手不足がこんな所にも響いているのを見ると、ちょっと社会の状況に危機感を抱いてしまいますね。

 オレンジジュースといえば、アメリカではオレンジジュース先物取引があることを皆さんご存知でしょうか。


本当にあるんですよ。そしてニュースが出てからの上げがやばい。

 これは商品先物取引の一つで、将来のある時点におけるオレンジジュースの価格を現在の価格で取引する契約です。このような先物取引は、オレンジジュースの生産者、加工業者、そして投資家にとって、価格変動リスクをヘッジしたり、価格変動から利益を得たりするための重要な指標として扱われています。

 オレンジジュース先物取引が正式に始まったのは、1966年、ニューヨーク・コーヒー・シュガー・アンド・ココア取引所(CSCE)でです。オレンジジュース濃縮液(Frozen Concentrated Orange Juice、FCOJ)が初めて先物取引として登場しました。

 当時、フロリダ州は世界最大のオレンジジュース生産地の一つであり、加工技術の進化によってFCOJが普及したことで、オレンジジュース市場の価格変動に対する関心が高まっていました。この先物取引が創設された背景には、フロリダのオレンジ農家が気象条件などによる収穫の不安定さから、価格変動のリスクに直面していたことが挙げられます。たとえば、フロリダの寒波やハリケーンなどの天候要因は、オレンジの収穫量に大きな影響を与え、その結果としてオレンジジュースの価格が大きく変動することがありました。こうしたリスクを軽減するために、先物取引が求められるようになったのです。

 また関連エピソードとしては、1983年の映画『大逆転』(Trading Places)という映画があります。この映画では、ダン・エイクロイドとエディ・マーフィが主演し、先物取引における情報操作や市場操作が描かれます。この時、オレンジジュース先物取引が、主要なプロットポイントとして使われており、先物市場のダイナミズムやその可能性を一般の人々に広く知らしめたとされています。この映画は、オレンジジュース先物取引に興味を持つ人々の増加に寄与し、金融市場におけるユーモアとスリルを体験させる作品として人気を博しました。

 まるで冗談のようなオレンジジュース先物取引とは、農業や食品産業のリスク管理と金融市場の発展に寄与し、さらには大衆文化にも影響を与えた面白い取引の一つだといえます。皆さんも是非、お試しに買ってみられてはいかがですか?

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