明治東亰恋伽〜剣のあとさき〜 感想



七つ生先生にコミカライズしてもらえて本当によかったーーー!!!!!が第一の感想です。後書きみました?あまりにも解釈の一致!さらにたくさん提案もしてもらえたようで…あとそれを許してくれたMAGES.様もありがとうございますありがとうございます。ぜひこのまま舞台化してほしいです。歌劇藤田ルート待ってます。


内容に入りますと。
恋愛色はほとんどなくて、あったのは、芽衣ちゃんの成長と、それを手助けする藤田さんと、過去を昇華してこれからの未来をどう歩くかを決めた2人の姿だったように思います。それが2人にとって、信頼し合える家族という姿だったのかなと。
愛と言っても恋愛だけではないですもんね。それに、愛を知ったあとから恋をしていく場合もあると思います。この先の2人がどうなるかはまだ未知数ですよね。

2人の様子を詳しく見ていくと、藤田さんは最初の取り調べの時や次の巡回のときで芽衣ちゃんの危険性を理解してるのかなと思いました。何も知らないのでまず普通に生活することもできないし、さらに魂依だから物の怪や悪人に利用されるのではという危惧があったのでは。一度保護すると決めてからはそういったものに対処するために、着物の着方などの生活の知恵を教えながら、常にそばに置いて物の怪にちょっかい出されないように守ってたと思います。夢の藤田邸ルートの誕生です。ありがとうございます。

保護した以上、俺にはおまえを家族の元へ帰す責任がある。

藤田さん、基本的にずっと警察官と保護した少女の関係を崩そうとはしないんですね。当たり前ですね。警察官のあるべき姿ですね。妖羅課の監視があるとは釈放時に伝えてますもんね。


そうして一緒に行動する中で、芽衣ちゃんは藤田さんの優しさを感じていく。けれど周囲の人たちはあまり藤田さんに対して肯定的ではない。民衆には官憲と恐れられていて、政治の場では元新撰組ということで常に嫌疑を向けられている。芽衣ちゃんを心配してのこととはいえ怖い顔で詰問されたこともあるし、鏡花ちゃんは物の怪に対する藤田さんの怖い面も知ってるから忠告してくれるし。藤田さん自身も別に怖がられてていいと思ってるから弁解とかしないし。感じるギャップから戸惑う部分があったと思うんですね。なので物語中盤ではどういう人かわからないという感想を芽衣ちゃんは持つんですけど、最終的に過ごすうちに感じた自分の気持ちの方を信じるわけです。

人との別れには慣れている。その別れが今回は思いのほか早く、心の準備をし損なった。

俺が手を引いてやれるのはここまでだ。だが、おまえは帰り道がわかるのだろう?歩き出せ。

でもってこれですよ。これ1人で帰還エンド前台詞ですよね。私これ読んでえええええ1人で帰還なの?まじで?えっえっ?ちょっと前に「この時代で役に立つことがあるのなら」って言ってたじゃん?マジで?帰るの???????ってなかなかの情緒不安定さを見せました。
とはいえそんな1ヶ月でどっちで生きるとかそうそう決められるわけないじゃんってのはよく分かるので、曖昧な気持ちのままチャーリーさんの所に行くのはありですよね。今回はそこでのチャーリーさんとの問答がすごく良かった。芽衣ちゃんが何について迷っているのかが明確で、またそれに対するチャーリーさんの提案は理に適ってる。残るとか戻るとかじゃなくて、今帰りたい場所はどこ?ってなるのも好きです。

自分の人生の選択を他人に任せてはだめだ

他人軸で選んでしまうと、そのあと何かあるとその人を恨んでしまったりするもんね。自分で選んで、自分で歩いていくんですよね。自分の人生だもの、他人は責任とってくれないもの。外野が何言っても自分で選択したならそれは自分にとっての正解ですよ。私も考えさせられます。

でもって、芽衣ちゃんは明治で藤田さんの隣で生きてくことを選んだのですが。藤田さんが選んだ生き方はこうですよね。散っていった者の意志を継ぎ、生きてこの国のいく先を見届けること。それ自体はずっと前からそうなんだけど、贖罪のためにずっと独りで生きてくつもりだったところを、芽衣ちゃんが隣にいるならこれまで見えていなかったものも見えるのではと思ったのではないかな。原作ゲームのような恋愛ではないけど、凸凹コンビっぽくてよいと思いました。最後の「これからもたくさん迷惑かけると思いますけどよろしくお願いします」「もう慣れた」が今の2人の関係性が現れてて好きです。もちろんここから恋愛に発展してもとてもいいと思います。


以下、その他の登場人物等について

★最初のパーティのシーン
警護のために会場内を巡回する=招待客を順に見渡すなので人物紹介がここで出てきていい感じの演出だなぁと思いました。

★最初にでてきた部下の人たち
藤田さんのこと尊敬してるように見えてなんだか嬉しかったです。藤田さんはちゃんと部下の仕事ぶりを見て評価してくれるいい上司のような気がしています。最初の取り調べのときや以後の出来事も常に冷静に現状を把握してますし。

★紅葉先生
最初のパーティで八雲さんの語り相手になってしまったので怖がりな面がだいぶ最初に判明してしまいましたね。そのあと神楽坂事件での怖がりっぷりといい、ただただずっと可愛かったですね。

★鏡花ちゃん
面倒見の良さとか、綺麗好きで藤田邸に感動する面とか、紅葉先生大好きさとか、原作通りのキャラでとっても良かったです。

★音二郎さん
留置所で目覚めた芽衣ちゃんが不安にならなかったのは音二郎さんがいたからだと思います。ムードメーカー兄貴でしたね。

★鴎外さん
ずっと春草の保護者でしたね。八雲さんと親しいのか面白そうだからついてきただけなのか、とはいえ鴎外さんが良い屋敷と言ったのでやはり藤田邸は良い屋敷なのです。

★春草
鴎外さんに振り回されて連れてこられたわけですが、興味ないふりしといて猫ちゃんめっちゃ描いてたらしいし最後のとこ猫ちゃんだっこしてるんですよね。以後描きに日参してくれたら嬉しい。

★滝くんと大観と桃介
ただの人物紹介だけだったじゃないですか。でもさらっと桃介の横に福沢先生いるの嬉しいし混乱収めるのに演奏の再開したんかな?っていう滝くんに犬を構う大観、七つ生先生よくわかってらっしゃる。

★八雲さん
コミカルで笑いを誘う部分と、紳士的に振る舞う部分との差や出てくる頻度が絶妙ですごく良かったんです。ただのギャグ要因ではなく、芽衣ちゃんに新たな思考を与える人でもありましたよね。物の怪に対する考えや、家族への考え。こういう考えもあるんだと素直に聞き入れる芽衣ちゃんだからこそではあるんですが。

★みんなが藤田邸に集まって勝手にわいわいしてるのトワキスにあったやつ〜〜〜!(朧げな記憶)

★芽衣ちゃん色んな髪型かわいい
★芽衣ちゃんドレスかわいい
★藤田さん最初の登場シーン、サラッとした体躯とさらさらのロングヘアがよくわかって格好いい
★みんなかおがいい


以上です!




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