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小説 コーチ物語

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コーチングのコーチ、羽賀純一。 彼のもとには多くのクライアントがやってくる。 この物語は、羽賀コーチによってクライアントがどのように成長し、羽ばたいていくのかをクライアントの視点…
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2024年3月の記事一覧

コーチ物語 クライアントファイル 9 疾走!羽賀コーチ その6

「で、そのブツを取り戻して組織に持って帰れば許してもらえる。そう思っているんだろう。そこ…

古賀弘規
7か月前
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コーチ物語 クライアントファイル 9 疾走!羽賀コーチ その5

「君が菅橋君かな?」 「え、どうしてボクの名前を?」 「事情は後だ。君を元カネミツ物産の倉…

古賀弘規
7か月前
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コーチ物語 クライアントファイル 9 疾走!羽賀コーチ その4

「あ、羽賀さん。今菅橋さんが私の自転車でそちらに向かったから。電話をかけられるようになっ…

古賀弘規
7か月前
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コーチ物語 クライアントファイル 9 疾走!羽賀コーチ その3

「菅橋君についてもう少し聞きたいのだけど、いいかな?」 「えぇ、どんなことでしょうか?」 …

古賀弘規
7か月前
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コーチ物語 クライアントファイル 9 疾走!羽賀コーチ その2

「あれ、ミク。何でカギを閉めているんだ。おい、開けてくれよ」 「はいはい、今行きます」 「…

古賀弘規
7か月前
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コーチ物語 クライアントファイル 9 疾走!羽賀コーチ その1

「はぁはぁ、こ、ここか…」  ボクはカバンを脇に抱え、腕時計を見る。時間は夜の七時十五分…

古賀弘規
7か月前

コーチ物語 クライアントファイル 8 対決!ファシリテーター その8

 そして翌日の朝、一本の電話が私のオフィスに鳴り響いた。 「誰よ、こんな時間に……」  私は眠たい目をこすりながら、ベッドから体を起こした。こんな時間、といいつつも、時計の針は九時を大きく回っていた。今日は何も予定が入っていないので、昨日の夜は一人でビデオを見ながら、ワインをついつい空けてしまったのだ。 「あ、はい……あぁ、楠田さんか」  電話は、私のエージェントである楠田からだった。 「あぁじゃないですよ。もう九時を回っていますよ。また一人で飲み明かしたでしょう。ほんとに」

コーチ物語 クライアントファイル 8 対決!ファシリテーター その7

「あ、堀さん。今日はお疲れ様でした」  声を先にかけたのは、羽賀の方であった。 「あ、羽賀…

古賀弘規
7か月前

コーチ物語 クライアントファイル 8 対決!ファシリテーター その6

 そして二回目の対決の朝。 「よし、これで完璧だわ。前回よりもさらに工夫を凝らしたし、前…

古賀弘規
7か月前

コーチ物語 クライアントファイル 8 対決!ファシリテーター その5

「ちょっと思ったのですが、今ここにあがっている問題点とその解決方法って、一つの理想論だと…

古賀弘規
7か月前

コーチ物語 クライアントファイル 8 対決!ファシリテーター その4

「よし、これで完璧だわ。私の今までの研修実績の全てを凝縮させたわよ」  ホテルでの打ち合…

古賀弘規
7か月前
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コーチ物語 クライアントファイル 8 対決!ファシリテーター その3

 講師の自己紹介も終わり、いよいよ本題。 「では今から、ファシリテーション研修のコンペの…

古賀弘規
7か月前
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コーチ物語 クライアントファイル 8 対決!ファシリテーター その2

「はい、堀です。あ、楠田さん? えぇ、この前の件ね。詳細説明の日付が決まったのか。うん、…

古賀弘規
7か月前
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コーチ物語 クライアントファイル 8 対決!ファシリテーター その1

「ここね、依頼のあったホテルっていうのは。さすがに大きいわね。話題にあがっている建物だけあるわ」  私は四十五階建ての大きなホテルを見上げて、そうつぶやいた。そして、まだオープンしていないホテルのフロントへ直行。 「こんにちは。私は本日の会議に呼ばれている堀といいます」  私は元気に、フロントへそう伝えた。 「えっ、……し、失礼ですがどちらの堀様でしょうか?」  フロント係は、突然呼びかけられたのとまだ不慣れだと言うこともあり、とまどっているわ。まだまだ教育が足りないわね。