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1月19日公表のモニタリング項目の分析から

東京都から1月19日に報告されたモニタリング項目の分析。

世界的な傾向と同様、BA.5系統、BQ.1.1系統やBF.7系統の増加が見られていますが、先週からの続きの解析でXBB.1.5が新たに7件(12月)追加されたらしい。

東京都の独自の取り組みとしては(他の自治体もやっているかもしれないが)、変異株を決定する際、PCRを併せて用いていて、シークエンサーと比べて、PCRのスピードとコスパの点ではとても素晴らしいと思う。

PCRによる感度、特異度の問題はあるかもしれないが、変異を検出するPCRを組み合わせることによって、短時間でどの変異株らしいかを把握することができて、トレンドを比較的早く安価で知ることができる。

資料によると診断した検体から1日程度で変異株PCRを使ってXBBなどが判別できるとのこと。一方でシークエンサーを使ったゲノム解析には7日程度要してしまう。

東京都モニタリング項目の分析(1月19日)より

迅速にモニタリング会議で現在のトレンドを報告できるのは、PCRを併用した変異株解析を行っているからだと思う。もちろん確定にゲノム解析が必要になってくる。

またPCRを使ったの利点のもう一つは、ゲノム解析ができないウイルス量の少ない(CT値が高い)検体の変異を把握することができること。

PCRとNGS(シークエンサー)を使ったゲノム解析、どちらもメリット、デメリットがあるけれども、検査の特徴や限界を知った上で、東京都の公衆衛生研究所のように上手に組み合わせると比較的早期に変異株流行のトレンドを知ることができて、疫学情報などと組み合われば、早期に公衆衛生対策を立てることができると思う。