楠栞桜ゴースティング検証①
麻雀界に彗星のごとく現れた、VTuberの楠栞桜さん。
現在は活動を休止している。
彼女にまつわる騒動のひとつに、麻雀配信におけるゴースティング疑惑がある。
ゴースティングとは、オンラインゲームでライブ配信を行っている対戦プレイヤーの配信画面を覗き見しながらプレイする不正行為のこと。
具体的な疑惑はこちらの方のnoteに詳しく解説されているのだが、こちらのnoteにも書かれていない疑惑を複数発見したので、まとめて共有しておく。
ゴースティング疑惑の論点整理の一助になれば幸いである。
ゴースティング検証の先人に倣い、筆者の独断と偏見で疑惑の程度を8段階で評価する。
E:ゴースティングは言い掛かりと言わざるを得ない
D:他の場面を見ていると不信感はあるかもしれないが、単体でゴースティングと言えるものではない
C:プロが見れば疑問符を浮かべるかもしれない一局
B:麻雀に親しんでいる人が見れば、違和感を覚えてしまうであろう一局
A:もしいくつもこのような局が発見されれば、理由の追求は免れないだろう
S:プロがこの牌譜を残したのであれば、これ一本で麻雀業界追放に追い込まれても不思議ではない
SS:これを擁護しなければならない人間が不憫に思われる
SSS:おもしろ映像
基本的に時系列順で紹介する。
その1:リーチの待ちをマンズと読む:D
2020年2月8日に配信された、天開司(てんかいつかさ)さんとのコラボより。
天開「親やし行くか…」
楠「お!いいですよ」
天開「リーチだ!」
楠「勝負しましょう」
天開「よし通った」
楠「…マンズ!マンズです!」
天開「まあ河見たらそう予想するでしょう」
楠「まあマンズかピンズかですけど、マンズかなあ」
対面の天開さんの追っかけリーチの待ちをマンズと断定する楠さん。
予想した通り、待ちは47mのマンズ待ちだった。
5sのあとに切られた字牌は全てツモ切り。最終手出しの8pのそばはもちろん、5sのまたぎも十分危険だ。マンズ待ちかどうかなんて読みようがない。
ただ、マンズ・ピンズ・ソーズのうち三択を当てただけと考えれば、それほど不自然とはいえないだろう。
その2:2副露した相手がノーテンであると読む:D
対面の天開さんが白をポンして東切り、そして今2sをチーして迷った場面。
天開「うーん…」
楠「悩んでるってことはテンパイじゃないんですよ。早くて1シャンテンなんですよ。悩んでるってことはそうだし、しかも即答じゃないってことはそんないい待ちじゃないんですよ」
天開「読むねえ」
2sをチーして迷ったところを見てまだノーテンと読んでいるが、テンパイの待ち取りを迷っていたという可能性は考えないのだろうか。
読み通り、天開さんはノーテンだった。
天開さんは迷ったうえで3p切りとした。楠さんは天開さんをノーテンだと読んでいるのに「いい待ちではない」とも言っているが、これは愚形残りであることを示唆しているのだろうか?だとすればそれも的中している。
ただ、まだ序盤であるうえに天開さんの河にはほぼ字牌しか切られていないので、天開さんはノーテンであることが多そうだ。また、ノータイムで切るよりは迷って切ったほうがノーテンの可能性は高いといえる。これもたまたま当たったとしても違和感はない。
その3:雀頭が無い、もしくはもっといいリャンメンがあると読む:E
その2の続き。天開さんが3pに続けて4pを手出ししたところ。
楠「で、リャンメンターツ外したってことは雀頭が無いかほかにもっといいリャンメンターツが絡んでるってことだから、そうなんですよ、習ったんですよ麻雀を」
読み通り、雀頭のない69p待ちのノベタンだった。
2副露していてリャンメンターツが出てくる形を考えてみよう。
以下はすべて2sをチーした瞬間の牌姿だ。
①
34678p456s 234sチー 白ポン
3pを切って4p単騎に構え、次巡打4pで別の牌の単騎待ち
②
34p4599m67s 234sチー 白ポン
ターツ選択で34pを外し、よりよいリャンメンを残した
③
334467p99m 234sチー 白ポン
打34pのダブルメンツ落とし
④
3455p67s67m 234sチー 白ポン
リャンメンテンパイしやすいように34pを外し5pを雀頭固定した
⑤
3466p67s99m 234sチー 白ポン
リャンメン受けよりシャンポン受けを重視し打3p
⑥
346678p67s 234sチー 白ポン
リャンメンよりも雀頭の作りやすい愚形ターツを優先して打3p
⑦
33457p7s99m 234sチー 白ポン
くっつきの選択で打3pとするも次巡裏目の4pを引き、空切り
⑧
344p66678m 234sチー 白ポン
打3pでテンパイに取ったあと、次巡3pを引き戻し打4pで待ち替え
⑨
344467p67s 234sチー 白ポン
打3pで1シャンテンに構え、次巡リャンメンを引き打4p
⑩
34666p567s 234sチー 白ポン
打3pで4p5p待ちのテンパイに取り、次巡7pなどを引き打4pで待ち替え
思いつく範囲ではこれくらいで、他にもあるかもしれない。
こうして挙げてみると、その多くが「雀頭が無い」もしくは「もっといいリャンメンがある」に当てはまっていることが分かる。どちらにも当てはまらないのは③、⑤、⑦、⑧くらいだろうか。③と⑤はともかく、⑦と⑧はかなりのレアケースに見える。
2副露してリャンメンが出てきたときに「雀頭が無い形だった」もしくは「もっといいリャンメンがあった」と推理するのはごく自然な読みだろう。
その4:ノベタンを的中、さらに258p二度受けが無いと断定:A
その3の続き。
楠「どっちか、だなー。でも単騎じゃないからノベタンか、…まあ258p二度受けは無いから前に行きますが」
前述の通り、天開さんは69p待ちのノベタンなので完璧に当たっている。
258p二度受けが無いことについては、無論断定はできないものの、3467pとあれば67pのほうを切って枚数の多い25pのほうを残しそうだからという理由である程度納得はできる。
「単騎じゃないからノベタンか」と発言しているが、ノベタンは「延べ単騎」のことであり、単騎待ちの一種。1面待ちではなく2面待ちだと言いたいのだろうか?
単騎じゃないと読んだ根拠も、ノベタンだと断定できたのも謎だ。
46789pの形を仮に一点で読んだとしても、69pを引いて4pを切った別の色のリャンメン待ちかもしれないし、78pを引いて4pを切った1シャンテンかもしれない。同じ捨て牌でも、ツモ牌が変われば最終形も変わる。
もともとの手牌の形も入り目も分からないのに、なぜ突然「ノベタン」を的中できたのか。
そもそも、「もっといいリャンメンターツが絡んでる」という読みはどこに行ったのだろうか。
その5:和了逃しを見抜く:C
その4の続き。
(天開、赤5pをツモ切る)
楠「お、欲しい!それ」
天開「あげなーい」
楠「それ欲しいですね。ロンって言いたいですもんなんなら」
(天開、さらに5pをツモ切る)
天開「あげなーい」
楠「うわ!…しかもさっきの雀頭否定しなかったから多分雀頭無いんですよねそれ和了逃してるってことですよね多分その5p」
3p4pと手出ししたあとに5pを二度ツモ切った天開さん。
普通に考えれば「メンツを逃した」と読みそうなところ、楠さんは「雀頭を逃した」と手牌の状態を完璧に読み切っている。
天開さんは58p待ちのノベタンに取ることもできた。しかし枚数差と安全度から赤5pをツモ切り、69p待ちを継続した。ちなみに、9pを切っていたら楠さんに放銃となっていた。
楠さんは「雀頭が無いことを否定しなかったから単騎待ちなんだ」と読みを披露しているが、もともとの読みは「雀頭が無いか、ほかにもっといいリャンメンターツが絡んでるか」というものだったはず。いつの間にかリャンメンターツの読みは無かったことになり、雀頭が無いことが既成事実となっている。
また、このとき楠さんは「否定しないってことは当たってるってこと」と、相手の反応から手牌を推理している。しかし別の場面では「否定するということは当たってるってこと」という趣旨の発言もしている。今後何度も同様の読みが披露されるが、相手の反応を受けて自分の読みを撤回することは一度もない。
結局、相手がどんな反応をしようが「当たってるからそう反応するんだ」として、自分の読みが正しいという根拠にしている。
そして、実際に全て当てているのが楠さんの恐ろしいところだ。
その6:1シャンテン以前であることを的中:C
対面の天開さんがダブ東をポンして1p切り、7sツモ切り、そして白をノータイムで手出ししたところ。
楠「ダブ東でしょ?」
天開「ダブ東だよ」
楠「でもテンパイしてないんですよ」
天開「どうでしょうねえ」
(天開、少考して4m切り)
楠「してないんですよ。だって悩んでるもん今。ってことはテンパイしてないんですよ。しかも1シャンテンですらないんですよ悩んでるってことは」
天開「(苦笑)」
楠「否定もしないから正解ってことなんですよ、きっと」
天開「読みやがって人の心を」
再び「迷ったから」という読みが登場する。
あいかわらずテンパイの待ち取りや空切り・スライドを迷った可能性を考えていない。しかも今回テンパイしてないと言及したのは天開さんが少考する前だ。この時点で何を根拠にノーテンと読んだのだろうか。
さらに、「悩んでるということは1シャンテンですらない」と発言している。そんな読みが成り立つなら、1シャンテンの時と1シャンテンですらない時でどんな差があるのか教えてもらいたいものだ。
実際にノーテン、さらに1シャンテンですらないことまで的中している。
この状況で「1シャンテンですらない」なんて断言するのは不可能だと思うのだが…ゴースティングでないとすれば、たまたま当たったと考えるほかない。
このあとも”人読み”講釈が続く。
楠「どうなんだろうねって言ってるときは、だいたい合ってるか惜しいときなんで。笑ってるときは、う…なんて返そうかなって言ってるときなんで」
天開「…人の心を読みやがって」
楠「やっぱ会話するとどういう麻雀打つんだなって分かりますよね」
天開「あーなるほどね。あんま喋りながら打てんからな俺」
楠「なんか話したときに、なるほどねとか確かにとか相槌多い方って、」
天開「多い」
楠「ですよね!(そういう)方は、だいたい分かりやすいですね麻雀。とても分かりやすい」
天開「すべて読まれている…」
楠「いや素直ってことですよね」
その7:69sリャンメン固定を的中:B
対面の天開さんが7sを手出ししたところ。
楠「7s!…分からないですね、なにも。ただ、4sより7sのほうがあとってことは7sのくっつきもしくはそばに、まだあるってことだから69とか。58だったら4sよりも7sのほうが後?じゃあ69で!」
7s手出しを778sから切られた69sのリャンメン固定と読む楠さん。
くっつきとは、ターツを作るために手牌に抱えておく浮き牌のこと。
「7sのくっつきもしくはそばにまだある」という当たり前のことを言ったあとは7sのくっつきの可能性は語られなくなり、なぜか677sか778sのリャンメン固定の二択と読み、「58sだったら4sよりも7sのほうが後?」という謎の理屈を交えて、69sのリャンメン固定と断定している。
またも的中してみせた。
ドラが3sなので、4sと7sが浮いていたらドラそばの4sを残して7sを先に切ることが多い。
にもかかわらず4sを先に切って7sが後から切られるということは、7sのそばに関連牌があるのではないか?と読むのはいたって自然だ。
しかし、それでも残っているパターンは多く、一点に絞るのは不可能。
677sと778sに加え、667s、779s、788s、6677s、7788sの可能性があり、さらに入り目が分からないので、ソーズの上でメンツが完成して浮き牌の7sを切ったという可能性もある。
しかも、天開さんが7sを切った時点で9sが3枚見え。
これでどうして69s固定だと思うのだろう。
天開「…それは違うかな」
楠「違うんだ…でも違ったら違うって言わないよね…」
天開「…さっき否定しないから違わないっつったろ…」
楠「もしくは8sかな?8s暗刻とかはあるのかな、4788みたいな形で」
少し前に「否定しないなら当たってるってこと」と発言し、今度は「否定するってことは当たってるってこと」と理屈を立て、天開さんに突っ込まれている。
その8:国士しか当たらないと発言:SS
楠さんがリーチ、さらに南家が3つ晒している状況で、対面の天開さんが場に1枚切れの白を切った。
天開「あ!え?……びっくりした」
切った瞬間声を上げる天開さんに対し、
楠「え?国士しか当たらない…」
楠さんは「国士しか当たらない」と発言。
字牌が当たるパターンは
①単騎待ち
②シャンポン待ち
③国士無双
の3つ。
今回は白が1枚しか見えていないので単騎とシャンポンに当たる可能性がある一方、南がカンされているので国士には当たらない。
しかし、楠さんは「国士しか当たらない」と正反対のことを言っている。
天開「いや違う違うツモって今、(南家が)止まったからツモったかなと思って」
楠「ああ!なるほど」
天開さんは別に放銃を恐れていたわけではないが、楠さんは天開さんの「あ!え?……びっくりした」という反応を見て、放銃を怖がったと勘違いしたのだろう。それで「国士しか当たらない」と突っ込みを入れた。
それにしても、この発言は異様だ。南のカンを見落としたのはともかく、楠さんはこの白を4枚見えの牌と認識していたことになる。
実際に白は暗刻落としだった。
白は楠さんには現物であり、6mをチーしてから白をスルーしている南家にも、西のトイツ落としをしている北家にもほぼ通る安全度の高い牌だ。白が切られたときのラグから誰かにトイツ以上で入っていると読んだとしても、暗刻と読むことはできない。
そして、楠さんは天開さんの反応を見て「天開さんは放銃を恐れている」と思い込んでいる。それならなおさら、暗刻落としと読むのはおかしい。
本当に楠さんが「同卓者の挙動や発言から手牌を読む天才」……いわゆる”人読み”の達人ならば、天開さんの放銃を恐れるような言動から、安全な暗刻落としではなく、わずかでも放銃の可能性のある孤立牌かトイツからの切り出しであると読むはず。
「天開さんが放銃を怖がりながら白を切っている」と勘違いしているのにもかかわらず、なぜかこの白切りが暗刻落としであると読み、それを的中させている。
国士しか当たらない=4枚見えの牌であることは、卓上の情報でも”人読み”でも導くことはできない。覗き見でもしなければ知り得ない情報だ。
その9:7pのラグから4p受けがあることを読む:B
2020年2月19日に配信された、天開司さんと楠栞桜さんの雀魂公式番組『てん x くす』より。ゲストは多井隆晴プロ。
視点は多井プロ。下家の楠さんが4pを切ったところ。
楠「今!通すなら今!」4p切り
多井「…当たらんかい誰か!」
楠「よかった…当たらんかいって言ってもこれ割と多井プロに危険な4p…」
天開「普通に危ないよね」
楠「そうなんですよ。だから通すなら今かなと思って。お二人はね一応中スジなんで大丈夫なんですけど」
多井「もうプロフェッショナルなのよ会話が。一個一個」
天開「もう専門用語出てるからね」
楠「あと私は見逃さなかった!7pでラグったことを!だからピンズのその辺の受けがあるんだろうなって」
数巡前に切られた7pにラグがあったことから、多井プロの手牌に4p受けがあると読み、4pを先に処理したらしい。
画像の通り、まさに多井プロはカン4p受けがある1シャンテンだった。
普通に読めば、多井プロには4pは比較的安全な牌だ。2pが4枚見えていて14pのリャンメンは無く、もし47pのリャンメンターツがあるなら7pを鳴いているはずで、ラグがあったとしても、これが鳴かれなかったということは多井プロの手には47pのリャンメン受けは無さそうだと読める。このあと多井プロに手出しが入っても他の無スジに比べれば4pは切りやすい。
もちろん、カンチャンやシャンポンなどで4pが当たることもあるが、それは7pにラグが無かったとしても同じこと。7pにラグがあったから4pが危険というのは理屈としておかしい。
「7pにラグがあった」ことよりも「7pが鳴かれなかった」ことのほうが重要な情報なのに、楠さんは鳴かれなかったことについては特に言及せず、ラグがあったことにこだわっている。かなり不自然な読みだ。
その10:4mを浮き牌と読む:D
2020年2月22日に配信された、天鳳位「牛さん」とのコラボより。
牛さんが浮き牌の4mを切ったときに「ミスったかも」と漏らす。
そのあと、8p、9p、6mとツモ切り、9p、1sと手出ししてリーチ。
このリーチに対し…
楠「さっき4mでミスったって言ったあと6mをツモ切りしたんで、4mはただの浮き牌で、4mか、4pとか、4sとか他の色で浮いてて、どっちがくっつくかなみたいなのでミスってことですか?」
牛「…麻雀ロボやめようよ」
楠「だって6mをそのあとツモ切りしたじゃないですか割とノータイムで。てことは、悩まなかったんですよ6mで。じゃあくっつき待ちですよね」
4m切りのときに「ミスったかも」とこぼしたあと、6mを迷わずツモ切ると4mが浮き牌だと読めるらしい。実際に浮き牌だった。
「同卓していただいてる方は画面を閉じていただけると嬉しいです」と牛さんがお願いした直後にこれを披露する度胸は大したものだ。
麻雀の打牌を大別すると
①浮き牌切り
②ターツ・トイツ固定(344mからの4m切り・334mからの4m切りなど)
③ターツ・トイツ落とし
④メンツ落とし
この4つに分けられる。
今回のケースは③④がほぼ否定されるので、①か②のどちらか。読みの根拠は意味不明ではあるが、適当に言ったことがたまたま当たったとしても珍しくはない。
ただ、気になるのはこの発言。
「4mか、4pとか、4sとか他の色で浮いてて、どっちがくっつくかなみたいなのでミスってことですか?」
これはくっつきテンパイを示唆しているのではないか?
4m切りを選択したときの牛さんの手牌を見てみよう。
4pを雀頭として見ると、この手は3メンツ1雀頭が完成したくっつきの1シャンテン。一通の目があるピンズは切らないとして、打牌候補は4mか1sだ。
通常、くっつきは内側の牌を残すのがセオリーだが、1123sという形を残せば4s引きでも平和、1s引きで4メンチャン、23s引きでも一盃口になるので牛さんは1sを残し4mを切った。
そのあと1pを引き入れ、1s切りリーチ。
くっつきテンパイなのに4mが先に切られ、宣言牌が端牌になるという珍しいケースだ。これでくっつきテンパイと読むことはまずない。
「くっつきテンパイだ」と言及していればより強い疑惑となっていたが、楠さんは「くっつき待ち」というぼかした言い方をしている。これなら、他のターツとの振り替えのために残していた浮き牌とも取れる。
真意は不明。
その11:宣言牌のスジをビタ止め、手役絡みであることを的中:A
牛さんが5p切りリーチ。待ちはカン8pの三色。
その5pを楠さんがポンして6p切り。そしてその2巡後…
(楠、何かを引く)
楠「えっ!?」
牛「打て!出荷!」
楠「…いや打たないですよだって私決めてますもん」
牛「何が?」
楠「あ、いや…決めてますもん私」
牛「何を決めてる?」
楠「これだけは決めてるんですよ」
牛「どれ?」
楠「リーチのスジ牌だけは何があっても切らない。ベッタベタに降ります」
このあと、「8pで降りました」と宣言している。
両無スジの6pは押すのに、宣言牌のスジだけは何があっても切らないらしい。
まず、「リーチのスジ牌だけは何があっても切らない」というのは嘘。
こちらでは宣言牌のスジの2pを切ってテンパイを崩している。(ちなみにリーチの待ちは36pだった)
牛さんとの対局に戻ろう。
楠「しかもだいたいそういうときって役がある、一通とか、一盃口、三色とかそういうふうな手役が絡んできちゃうから」
「5p切りリーチに8pで当たったときは手役が絡みやすい」と話しているが、これも嘘。というか間違い。
例えばこの手牌、平和になりやすいように4sを切る人が多いだろう。
ではこの手牌だとどうか?今度は5pを切る人が多いはず。6pツモの平和より、2p4sツモの三色のほうが価値が高いからだ。
5pが先切りされている場合のカン8pなら、カン6p受けを先に外し他の牌を抱えていたということで、カン6p受けの価値が相対的に低い形として、8pだと手役が絡みやすいという読みはまだ分かる。
しかし、5p切りリーチのカン8pはただのソバテン。手役絡みと読める要素はない。
にもかかわらず、手役絡み(三色)を言い当てている。
流局し、牛さんに褒められたときに「でも一通かと思いました」と発言しているが、ピンズの一通なら1pが4枚見えであり得ない。そうでなくても、自分で5pをポンしてワンチャンスになっている形だ。これで8pが当たったときに一通が絡みやすいとは到底思えない。
さらに…
楠「でも私見ました、牛さんが引っかけリーチしてる牌譜」
牛「うん」
楠「天鳳位さんて、公開されてるんですよ、天鳳位になるまでの牌譜が」
牛「あー、公開されてるねえ」
楠「私、めっちゃ見たんです今日のために」
牛「え、まじで!?」
楠「で、さっきの579もそうですけど、135とか結構そういうカンチャンカンチャン大事にしてるので、リャンカン大事にしてたから、気をつけなきゃって思ってて」
牛「え、事前予習込み?」
楠「もちろんそうめっちゃ勉強してきました!天鳳位になるまでの200戦ぐらいを全部見て」
牛「まじで!?200戦!?」
楠「はい、どのタイミングで降りるのかなとか、めっちゃ勉強してきましたからね」
牛さんの牌譜を200戦見たと言っているが、多分嘘だろう。
牛さんはリャンカンを大事にしがちという話も嘘。そんな傾向は無い。
ところで、この「リャンカンを大事にしがち」というエピソードについて、ひとつ心当たりがある。
@gpc_katachin 片山まさゆき先生…!!
— 楠 栞桜🌸 (@Sio_Kusunoki) February 3, 2020
フォローありがとうございます(´;ω;`)
オバカミーコが大好きで、愛読書です…!!
楠さんが愛読書と語る漫画『打姫オバカミーコ』に、リャンカンについてのエピソードが登場するのだ。
678p222468s34567m ドラ5m
ミーコ、打2s
波溜「(ああ~~何やってんだ…ミーコ三色にこだわるなとあれほど言ったのに……)」
(中略)
555678s34578m357p ドラ5p
ミーコ、打5s
波溜「(うああっ! 三色とかの問題じゃない! こいつ…リャンカン形がいい形だと思ってる…)」
(片山まさゆき『打姫オバカミーコ』2巻より)
『打姫オバカミーコ』は、新人プロの丘葉ミーコが波溜プロの教えのもとに成長する物語。新人のミーコは誤打が多く、そのなかにリャンカンが絡む牌姿が登場している。
2345678m4577p135s ドラ6m
ミーコ「(2mか8m…あ 345があるなら2m打ちか)」
猟子「………」
猟子、打1s
ミーコ「(えー!ここで1s!?………三色だけ残してワンズの伸び優先か でも猟子ちゃんて あまりリャンカンツ信じてないですネ)」
(中略)
246m335667p23445s ドラ7s
つぼみ、打6p
ミーコ「(あ つぼみちゃんはピンズの伸びを見ないでリャンカン形固定しちゃうんですね)」
(中略)
中中中23478m566p579s ドラ2m
つぼみ、打5p
ミーコ「(ふーん つぼみちゃんはリャンカン形を信じてますね)」
(片山まさゆき『打姫オバカミーコ』11巻より)
「リャンカン形をどう捌くか」をテーマに、キャラクターたちの打ち筋の個性が表現されている。
理由なくビタ止めしたらさすがに怪しまれると思ったのか、それとも読みっぽいものを披露することで雀力をアピールしたかったのか、宣言牌のスジの8pを止める理由を探したときにこの漫画のエピソードを思い出し、「牛さんはリャンカンを大事にしがち」とでっち上げたのではないだろうか。
その12:初手長考しての4s切りで国士を看破:D
2020年3月13日に配信された、ルイス・キャミーさんとのコラボより。
第一打に長考して4sを切ったルイスさんに対し、
楠「もう国士だけどそうなってくると」
さらに次巡、4sを手出し。
楠「そうなってくると国士か染めかのどっちかだけど。もうピンズ染めか国士の二択になっちゃうけど。染めなら迷わなさそうだから国士だけどそうなってくると」
1巡目から4sトイツ落としをしているのを見て「国士か染め」と判断するのは理解できる。しかし、「染めなら迷わなさそうだから国士」というのはいまいちピンとこない。むしろ、国士こそ必要牌が決まっているので染めよりも迷わないような気もするが…
何種か数えるために時間がかかった、ということはありそう。しかし、だからといって染めなら迷わないということもないだろう。
国士だった。
読みの根拠はともかく、そこまで珍しいことが起こったわけでもないので疑惑レベルは低め。
その13:「4pが暗刻になった形だ」:SSS
ルイスさんがペン3pでテンパイしているところに4pを引き入れ、
打1pで2p3p待ちに変化するも和了れず。楠さんの和了になったところで、楠さんがルイスさんに問いかける。
楠「張ってました?」
ルイス「張ってた!」
楠「何待ちですか?」
ルイス「えーとペン3p待ちだったんだけど、でも途中で待ち変えて、2p4p待ちに」
楠「あーすごい!4pが暗刻になった形だ」
ルイス「そうそうそうそう」
ルイスさんの待ちは正しくは2p3p待ちだったが、楠さんに伝えるときに間違えて2p4p待ちと言ってしまった。
にもかかわらず、楠さんはなぜか「4pが暗刻になった形だ」と正しい形を言い当てている。
どんな非公開情報でも、読みの前提となる情報を誤って認識していたとしても、手牌だけは的中する。これが楠さんの凄みだ。
ちなみに、2pは楠さんの目から3枚見えているので、ペン3pに2pを重ねた2p4pのシャンポン変化はないことが分かる。
そこから、楠さんの超人的な読みの能力でルイスさんの言い間違いに気付き、形を言い当てたのだろうか?いや、まさかそんな…
と思っていたら…
ルイス「あっ2p3p待ちだったごめん間違えてた」
楠「……」
ルイス「あははは!」
楠「んー……え?2p3p待ちって言ってなかった?」
ルイス「2p4pって言っちゃったかも」
楠「あっ2p4pって言っちゃったのかなるほどね」
楠さんは「2p3p待ちと聞こえた」と主張している。しかし、何度聞き直してもルイスさんの発音は明瞭だ。
ルイスさんがはっきり2p4p待ちと言ったのをなぜか2p3p待ちと聞き間違い、そう聞き間違えたときに限って本当に2p3p待ちだったとは…おそろしい偶然である。
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