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池袋隠れ家居酒屋で今田耕司似妖怪からモテを学ぶ【婚活放浪記】

フォロワーさんからのDM。


「いつも興味深くツイート拝見しています。婚活、ご検討のほどよろしくお願い致します。」

はい、承知しましたよ!こちらこそよろしくお願いします!我々はメッセージのやりとりを進めた。

実際のDMである


ただならぬ気配が漂ってきた。

赤いマーク 23
なかなか聞かない待ち合わせだ。

もしかしてこの人、変わり者かもしれない.....

文章の端々にそれが滲んでいた

なぜか串カツ田中の情報も送られてきた


そして当日を迎える。





待ち合わせは池袋、例の「赤いマーク 23」

人類共通あるあるに「池袋駅って意味わかんねえ〜」があると思う。
とにかく意味わからんのだ。池袋駅ってやつは。
100回は行ってるけど100回は迷子になっている。

で、遅刻した。(言い訳怖い)


せっかく「赤いマーク 23 」で待ち合わせたにも関わらず、わたしが遅刻したせいで落ち合うのは店内に変更。
今田さんからお店の名前が送られてきた。



「赤いマーク 23 」の真実を知る機会を逃したことを残念に思いつつ、指定された居酒屋に入る。



「すいません、待ち合わせなんですが」

「お名前は、、、」

「今田です。男性1人で先に入ってます」


店員さんたちは顔を見合わせた。


「そのようなお客様はいらっしゃってないですが...」



ガ、ガビーーーーン!!!!!!


完全にはめられた。
「赤いマーク 23」の時点で気付くべきだったのだ。

これは罠だ

蒼白の表情のわたしを前に
店員さんたちも気まずそうにしている。


さて、ここから推測される可能性はいくつかある。


・今田は競合探偵社のスパイだった
・今田は実は過去に調査した対象者でわたしに復讐を企てている
・今田はSNSにネタとして晒されまくってキレた元カレの成りすましアカウントだった

等。


わたしはきっとこの店を出た瞬間....


日々地道に働き、結婚しようと頑張っているだけで
一体なぜこんな目に遭っている?
自分に子どもができたら教えよう。
知らない人とは会ってはいけないし
元カレを晒すのもやめとけ


あ〜そういえば店前に黒のアルファードが停まっていたような...
さよなら、世界。儚き我が生涯よ。


周囲を警戒しながら外に出て
ゆっくり先ほどの店を振り返る。

「おでんや源ちゃん」




店違ったね。
入店時の自分、なぜか迷いなさすぎて気付かなかった。
怖いね。労災おりるかな?


ということで怪余興を終えたわたしは
おでんや源ちゃんのはす向かい、今度こそ本当に今田の待つ居酒屋に到着した。





「はじめまして〜、、、」

一命を取り留めたわたくしによる第5回婚活大会、開幕である。





今田は今田耕司にそっくりな43歳
職業投資家。そして独身だ。

飲み物を頼み、ひと通りふつ〜の自己紹介的会話を交わす。
その最中、事前にわかっていたことを改めて噛み締める。念のため裏取りが必要だ。

「今田って、、もしかして妖怪ですか?」

「そうですよ」


そう、彼は妖怪なのだ。


(説明しよう!妖怪とは謎の個性、独特のテンポや強めの思想を持つゆえに、他の人間や社会とあまり仲良くできない切ない人間の総称だ!)

今田耕司本人すら結婚してないのに、今田耕司似の妖怪が人間の女と結婚するはずがない。


今田は明るく朗らかで友達も多そうな妖怪だった。


「きっと今田、モテますよね?」

僕と結婚したがってくれた子はいましたよ、でもね僕が結婚したい子が、いなかったんだよね....」



わかりすぎる。
自分が最高すぎて誰とも結婚したくないよね....
なんだか最悪な思想を司る2人が一堂に介してしまった。




そんな今田は男子校出身。
あんまりにも女性と喋れなかったため、テレクラを舞台に修行を続け、テレクラをやり込みすぎて友達の母親とマッチングしたこともあるというアグレッシブな努力家だ。
仕事についても起業して自分の会社を持ったりと自力で切り拓いてきたタイプ。

そしてなんだか明るく朗らか。
そしてきっとお金もある。

なのでモテる。
で、独身。


....「モテ」ゆえの未婚って、結構あるよね、、、、、


恐ろしいがこれはまじで真理だとおもう。


恒例の当日メモ。8割なんのことだか思い出せない




(居酒屋での会話内容は2人の思想の強さがマリアージュしてとてもここに書けるような内容ではないので割愛。なお酒を飲み進める過程で今田の会話には徐々謎のに英単語が混ざっていった)


「You!今から焼肉行こう!」

今田様より狂気の号令。
我々は終電間際、一枚だけ牛タンを食おうと再び池袋の街に繰り出した。






目当ての牛タン屋はちゃっちゃと店じまいを終えていた。

「どこでもいいから一杯飲んで帰りましょう!!」


なぜか盛り上がってきたぞ!終電まであと20分。


どこでもいいから酒を飲ませろ。BARという文字につられ入ったのは、明らかに怪しい系の自称エステが入っている系の雑居ビルだった。


エレベーターの中、最悪走って逃げようと2人で誓い、謎のバーのドアを開ける。



狭い店内では4人くらいの男性がテレビゲームに勤しんでいる。
誰かの実家かと思った。

極悪人はいなそうだが、なんか変なバーだな〜と思いながら席に着く。

「お兄さん!このバーめっちゃいいよ!」


なんか今田はこの店を一瞬にしてめちゃくちゃ気に入っていた。
人当たりの良さそうな店員のお兄さんは少し困惑しながらお礼を言っている。




気付いたら今田は店のお兄さん全員呼んで卓を囲ませていた。今田はとにかく明るいのだ。オリジナルバイブス全開。いいぞいいぞ!

なんだかわたしもうっかりビール2杯目。終電まではあと5分。池袋から歩いて帰るなんて死ぬ。わたしは最近になってやっと終電に乗れる人間になりましたよ。

「今田!!!ありがとう!!!!」


怪しいバーを出たわたしはいつまで経っても土地勘のない池袋の街を走った。
世の中ってまじで色んな人がいる。




婚活放浪記はつづく

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