あなたの浮気はどこから?


「どこからが浮気だと思う?」

これ以上に不毛な議論もなかなかないとは思うがとりあえず「浮気」の意味をgoo辞書で調べてみた。

1 一つのことに集中できず心が変わりやすいこと。また、そのさま。移り気。「―な性分で何にでも手を出す」

2 (性愛の対象として)特定の人に心をひかれやすいこと。また、そのさま。多情。「―な人」

3 配偶者・婚約者などがありながら、別の人と情を通じ、関係をもつこと。「旅先で―する」

4 心が浮ついて、思慮に欠けること。また、そのさま。
goo辞書より引用

なるほど。3があまりにもレベチすぎるがどれも最悪すぎて草。(てか3の内容が3なのヤバくない?これどう考えても3に溶け込ませるの無理あるでしょ。1か4にしなさいよ。)
ただ、この4つの選択肢(いや、3はありえねーので3つの選択肢とします)に該当する行動を一度もせずに生涯を終えられるかと聞かれたら私も正直自信はない。

そもそも沢山のことに興味を持つことは悪いことではないし仕事だったり趣味だったり習い事だったりであれば決して糾弾されるようなことではないのに、こと恋愛においては禁忌とされてしまうのって息苦しいなとか生きづらいなとちょっと思ってしまう。

私は自分が浮気をしたことは無いが、彼氏に浮気をされたこともあれば自分が浮気相手になったこともあるし、自分は浮気相手だと思っていたのになんか突然彼女になれちゃったこともある「受動的浮気ビンゴ」に全て穴が開いているような女なのだけど、そんな私も結局やっぱり浮気のボーダーとして公式に明記すべきことは「肉体関係があるか否か」なんだろうなとは思っている。(前述した受動的浮気ビンゴに穴を開ける基準も「肉体関係があったかどうか」でした。)
だけど多分「どこからが浮気だと思う?」という質問をしたくなる人のパートナーは多分他の人とまだ肉体関係を結ぶに至っていないか、もしくは証拠はないけど限りなく怪しいという状態のどちらか。肉体関係を結んでいることが明らかだったら周りの人間に浮気のボーダーラインを問うことなく「私のパートナーが浮気していた」と涙ながらに訴えるはず。

たとえば、自分以外の人と仲睦まじいLINEのやり取りをしているだとか、自分以外の人と手を繋いで外を歩いていたとか、そんなところだろう。
でも肉体関係がないなら浮気じゃないとみんなが言ってくれれば。あなたの考えすぎだよ、そのくらい普通だよと言ってもらえれば。私はパートナーを許せるかもしれない。これって大したことじゃないのかもしれない。そうだよね。私の考えすぎだよね。お願い、みんなそうだと言って。

自分にも経験があった分、こういう時の人間の感情は手に取るようにわかってしまい少しつらくなったりする。

浮気ってなんだろう。
人それぞれ答えがあるからみんな悩むしgoo辞書ですら明確な答えを教えてはくれないし。(3を1か4にしろよとは今でも思ってる)
でもひとつだけ私が言えることがあるのだとすれば

「一緒にいることで幸せを感じられるはずの相手にこんなことで悩まされているのはおかしい」

これに尽きる。

浮気は、されること自体ももちろんそうだけど「疑っている時間」が意外とハンパなくつらかったりする。
あるかわからない証拠を必死で探す人もいれば、忘れた方がラクだと何か別のことに没頭する人もいる。でも結局証拠は見つかったって見つからなくたってつらい。見つからなかった=私の知らないどこかにある、としか思えないからいつまでも証拠探しは終わらないのです。そして別のことに没頭して本当に悩み事を忘れられた人を少なくとも私は今まで見たことがない。

結局してるかどうかわからないから悩む。してるとわかればこれからのことを考える方向にエネルギーを使えるし、明確な選択肢が生まれるのは事実とても助かる。しているかどうかわからないこと、不明確なことに使う時間も思考もとても無駄であるとわかる。
実際私もかつて彼氏の浮気の証拠を見つけた瞬間、あまりのバカさ加減と杜撰さに声を出して笑ってしまったし妙な達成感すらあった。少なくとも、しているのかどうかで悩んでいた時よりはラクになった。

ここまでを踏まえて、私は浮気って「してるかどうか」よりも「してないと思わせてくれるかどうか」が大事だと数年前からずっと思っている。

そして大事なのは浮気の中身ではなく、自分自身が傷付いているかいないか。

何より嫌なのは浮気のボーダーラインを「行為」として定めてしまったらそのギリギリを攻めてくるヤカラが確実に現れるということ。

「肉体関係がなければ浮気ではないらしい。じゃあふたりで飲みにいくのはセーフ!」
「このくらいのやり取り、別に浮気の定義に引っかかってないし余裕っしょ!」

もう、セリフを打ち込んでいるだけで実際に聞いたわけでもなければモデルがいるわけではないのにも関わらず(いませんよ、本当に)腑が煮え繰り返る。
ふたりで飲みに行ったら結局その後があるだろ!とか、最初はやり取りだけだったとしても最終的に行き着くところまで行き着くに決まってるわ!とか、そういうことが言いたいんではない。

パートナーが嫌がっているのにそれをやめない。
そこが一番の問題だと言っている。

あれこれ理由をつけてパートナーが嫌がっていることを見て見ぬフリしながら別の人間と飲む酒は旨いか?
これは浮気ではないとくだらない言い訳をしながら相手に送る文章を声に出して朗読できるか?

はい。答え出ました。
「どこからが浮気だと思う?」

私が嫌だと思ったら。

単純明快な答え出ました。
女子会で「どこからが浮気だと思う?」と聞かれて「私が嫌だと思ったら。」と答えたらドン引きされて空気の読めない人間扱いされるか、称賛されて会話の中心を陣取ることができるかの2択だと思うのでかなりリスキーではありますが、よかったら使ってください。著作権は放棄します。

オチはありません。
ただ、「人の嫌がることはしない」私たちは未就学児の時点で本当に本当に大切なことをきちんと教えられていたはずです。
この学びを何年経っても生かすことができないような人間をパートナーとして隣に置いておくのは自分自身もその程度の人間ですと周囲に吹聴して周るようなものなので、躊躇なく捨てましょう。
捨てられるような人間になりましょう。

ゴミはゴミ箱へ。

ありがとうございました。

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