私にインストールされているものについて考える~「わたしはダフネ」~

 こんにちは。ざまたかです。夏季休暇を取っているものの、締め切りのある仕事があったり、PCを持ち帰ったばかりにメールに気が付いたりで休みきれず、結局のところ飲んだくれています(笑)地元からそう遠くないところでオットとお散歩したりして過ごしています。安心して引きこもれるための補償もなしではどうにもならないなあと感じています。生徒たちの夏休み期間など、教員は自宅勤務のしどころだと思うのに、自宅勤務は推奨されず、部活は推奨される現状。いろいろ理解がおいつかないです。暗いことばかり考えていても仕方ないので、楽しいことをしたいですよね。息子が進めてくれた「チェーンソーマン」を読んだり、今更ながら「あさきゆめみし」を読んだり、鶴岡ひとしさんと鶴岡そらやすさんのオンラインのフルーツサンド作り&読書感想文講座に娘と参加したりしました。

ちなみに、ひとしさんのYoutubeはこちら

そらやすさんのブログはこちら

何より我が家の猫達の可愛さには癒されています。

 家にいるだけだと掃除とご飯作りに追われてしまうので、オットと「わたしはダフネ」を観てきました。

 岩波ホール、歴史を感じていいですねえ。学生時代にこの界隈でアルバイトもしていたので、街並みも懐かしいです。映画は正直、思った以上に淡々としたお話でした。ややネタバレを含むかもしれませんので、これからご覧になる方は以下、ご注意ください。あらすじを読んだときは、もっとダフネがあれこれやらかしてお父さんが右往左往させられるんじゃないかと思ったのです。ところが、むしろ伴侶をなくして肩を落とすお父さんをダフネが力づける感じ。スーパーで働き、友だちとダンスを踊り、バスではお年寄りに席を譲るダフネ。「あれ、この人ダウン症の設定だったよね?」って何度も思わされました。それから、「あー、この人にいじめられたりするのかもなー」と思いつつ見ていたスーパーの同僚との関係がまったくもって普通の友人関係に育つところもよい意味で拍子抜け。なにより、お母さんの死がなんともあっさりしていることに驚きました。もちろんダフネは(わりと激しく)悲しむのだけど、多分日本映画だったら、そこまでの母子の関係を良くも悪くも湿度高めに描くと思うのです。なんだろう?イタリア映画ってそういう感じなの?フランス映画に近い感じ?と、終わってすぐは「面白くなくはないけど、淡々としてて人に勧めるのが難しい映画かも」という感想だったのですが、後からジワジワ浮かんだことがあります。障害のある人が働いていたら意地悪する人が(ちょっとくらい)描かれる違いない・障害のある人を描く映画なら、母親との関係が情緒たっぷりに描かれるに違いない・伴侶をなくした父親よりも障害のある娘の方がケアされるに違いない みたいな私自身にインストールされているものやこれまで見聞きした話などがとても深く、濃くある!って。そして、考えれば考えるほど「ちょっと待て、これはめっちゃ面白い映画なのでは?」と思えてきました。(←今ここ)文化の違いと言えばいえるだろうし、フィクションなのでこの作品が真実だと正しいとかいうことはないと思うのです。ここを目指すべき、というのとも違う。でもなんていうのか自分の中に蓄積されてきている思い込みを相対化する時間、「共感」「感動」「反省」どれとも違って言うなれば「咀嚼」するようなするような時間が訪れる作品でした。

 個人的に面白かったことがもう一つ。全編イタリア語なんですね、この作品。ちっともわからないだろうと思いきや、あちこちに聞いたことのある音がちりばめられていて、、、。HIPPOで仲間からもらった音たち。そして、息子が中2の時に行ったイタリア交流でもらってきた音。映画館を出たとたん、「繰り返し見たら字幕なくても意味わかるかも、って思った!」とオットと二人で顔を見合わせました。これはHIPPO的な楽しみ方ですね。

 


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