岬の兄妹を見て 続

この映画では今の自分に刺さった言葉があった。

①偽善者
これは、兄が同級生と思われる警察官にむかって言う言葉だ。
私はこの言葉を聞いて正直ドキッとした。自分に言われているようだった。
実際、警察官は特に解決策を教えずにただただ兄を罵倒する。妹を売春することは悪いの一点張り。
兄自体もそれは分かっていただろうし、最低な兄だと自分が1番理解してただろう。
でも、妹と生きるためにはそうするしかないのだ。

この警察官のように外は善人を纏って中身がスッカスカの人はどれだけいるだろう。

②生きているといい事あるんですね
これは少年が妹と初体験した後の一言である。

この少年は同級生にきつい虐めを受けている。多分死にたいと考えているだろう。
そこで、夢にも思っていなかった経験をする。
生きる希望が湧いていく。

これは、映画で数少ない希望が感じられる場面である。
私もあまり楽しい学生生活を送ってきていなかったので、死にたい、楽になりたいと思ったことは何度もある。(リスカするような勇気すらなかったが…)
しかし生きていると案外生きていて良かったと思える瞬間はある。
私は友達がサプライズを開いてくれた時にそう感じた。

救いのない映画なだけあって、この部分は際立っていて、わたしも生きてみてもいいんじゃないか。明日なにかいいことがあるんじゃないかと、少しでも前向きになってしまう。

③また仕事にもどってこないか
この場面がこの映画をリアルなものにしていると思う。
逆にこのシーンがなかったら、なんて可哀想な兄妹だったんだ…と、可哀想な作り話として終われる。
しかし、仕事に戻らないかという諦めていた希望が戻ってくる。
意外とこういうことが人生多いのではないだろうか。

諦めたらどういう因果か逆にチャンスが回ってきたり。頑張って頑張ってもどうしても上手くいかなくなったり。

ここで言いたいのは、諦めるのは良くないということだ。
もう少し我慢すれば、誰かに頼れば、妹を売春に出す必要もなかったのかもしれない。

次が最後にする。