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「俺唄」#2 the

いろんな匂いが届いてくる。
各々が物語る今の形
それをゆっくりかぎ分ける。
忘れえぬ感情が喉の奥で突っかかるから
無理やりコーラで流し込み、
写る空は無表情。

嗚呼、情けないな。
いいな、終わりにしたい。

あと何年この身体で生きなくてはいけないの
早く空を飛びたいな。
終われる希望をください。

後ろの席の彼らは学校終わりだろうか
何やら楽し気で、眩しさすら覚える。
ムキになって頬張って、内唇契って
滴る僕の血の味が、生を証明した。

嗚呼、情けないな。
だけど、まだ生きなきゃ。

あと何年この身体で生きられるのだろう。
もっと僕を残したい。
記憶の奥までぶち込んで

さあ、終わりにしよう。
この気持ちを無駄にはできない。
本当に笑える日が来るように
生きろ、生きろ、生きろ。

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