アメリカの車の免許取得

アメリカの車の免許を取る為に、1週間交通法規の勉強をしました。一緒に試験を受ける予定のFさんも自分で勉強していました。グーグル翻訳などない時代です。高校で英語が特に得意でもなかった彼女にしては一人でよく頑張って勉強していたと思います。(現在は日本語でも受けられるようですが、当時は英語で受けるしかありませんでした)

法規自体は世界共通のことが多いのでそれほど苦労しませんでしたが、教則本の中で意味のわからないルールがありました。アメリカでは州によって違ったルールがあるのです。例えばOpen container lawです。ワシントン州ではスーパーなどでお酒を買って家に持って帰るまでお酒の栓を開けてはいけないのです。ふたを開けてあるお酒を積んでいるのが見つかったらチケットを切られます。この法規を読んだ時最初は何のことかわかりませんでした。今までに聞いたこともないルールや習慣は文字面では理解できても意味がわかりません。そういう経験は後に学校のクラスをとる時や子供の学校からのお手紙などでもありました。

アメリカではペーパー試験と実車試験は同日に受けられます。私は日本の免許を持っていましたが、アメリカは左ハンドルなので、車をレンタルして学校の構内で練習しました。いよいよ免許試験を受ける日になりました。アメリカでは日本みたいに試験場に車はなく、試験を受けるには自分の車を試験場に持って行って受けなければならないのです。自分の車で試験を受けに来て(つまり無免許で)不合格になってまたその車で帰る人がいるという笑える話も聞きました。

いよいよテストの日、免許交付事務所に行ってペーパーテストを受けます。色々な人が受付をしているカウンターの隅っこで立ったまま二択問題を40問解きました。パソコンの画面で受けるのもありましたが、一旦回答してしまうと修正がきかないと聞いたので手書きを選びました。終わったら私の目の前で採点してくれ、2問間違いましたが幸いにも合格でした。その後すぐに路上試験です。自分の車に試験官が乗り込んで、試験官の言う通りに走り、信号を守っているか、注意すべきところ、縦列駐車などをチェックされます。

日本は駐車場を確保しているか(自宅の庭か契約した駐車場)がなければ車を持つことはできません。一方、アメリカではこのような規定がありません。アメリカの一戸建て住宅はガレージがあるところもありますが、アパートなどは車庫のないところが多くほとんどが路上駐車です。決まった日に道路掃除がある時以外は家の前の路上に停めていいのです。ですが、路上駐車は道に沿って停めなくてはならないため、縦列駐車ができないと困るのです。そうでないと車を停められず、ずっと運転し続けることになります(笑)

走り始めてすぐに試験官が“Stop”と言いました。ところがそれが私には“Start”に聞こえてしまい、2,3回言われた後やっと止まりました。ブレーキの状態を調べるための機能テストだったようですが冷や汗ものでした。自分のリスニング力にがっかりしましたが、気を取り直して公道にでました。住宅街で縦列駐車をした時はどうにか範囲内に駐車できました。採点は、試験場に戻った後車を降りずにその場でしてくれます。減点法でできなかったところを引かれて合否が決まるのです。

私は最初のストップを聞き間違えた以外は全て出来たと思っていたので、「不合格」と言われた時、びっくりしました。そして「どうして?」と食い下がり再度確認してもらうと試験官の計算違い。100点満点じゃなかったので計算がちょっと違ったのです。計算をし直した試験官に「あ、通っているよ」と言われホッとし、事務所で免許証を発行してもらい、帰宅しました。

Fさんは6問間違ったということで、ペーパーテストが不合格だったので、その日は実車試験はできず、数日後、私が再度試験場に連れて行きました。ちなみに試験場で申し込みをするときに日本の免許証を見せると没収されることがあるという話を聞きました。なので、もし日本の免許提出を求められても、提出しない方が良いかもしれません。

余談ですが、当時試験にかかった費用は当時日本円で5,000円ぐらいだったと思います。当時日本で免許を取るのは2-30万かかりました。全く運転ができない人はもちろん教習も受けますが、かかる費用は日本の1/3ぐらいですむので、海外に免許を取りに行き、日本免許に切り替えようとする人もいます。しかし、実際は海外で3ヶ月以上運転免許を持っていないと帰国した時日本免許に切り替えられないので、3か月の旅行ビザでは不可能ですのであしからず。
 
 

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