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ブラインドの隙間から窓の外を見ると、夏休みを迎えたと思しき男の子が、プラスチックバットを刀のように背負い、車道の脇を自転車で走っていた。その後ろを遅れてやってきたのは、弟に違いない。黒いノースリーブシャツに白い短パンという、上下お揃いの格好だった。 「学さん」 呼ばれてオフィスに向き直った。長身で猫背の海斗くんが、ひょこひょこと近寄ってきた。 「この人知ってますか? 一つ年上で、同じ高校みたいですよ」 差し出された名刺には、高校時代のサッカー部で大層 “かわいがってくれ